15年度 第5回親子学級[2015年10月08日(Thu)]
2015年度 第5回親子学級
『子どもの発達に遊びが大切なワケ』
今回は帝京大学 教育学部で発達心理学や幼児教育を専門にされている杉本真理子教授にお越しいただきました。
子どもの目線に立って子どもの気持ちを考えるきっかけになる本として、絵本「どんなかんじかなあ」を読み聞かせしていただいたり、子どもが書いた詩を集めた本「こどもの詩」を読みました。
生まれてきてくれただけでありがとうと最初は思っていたのに、今はお茶碗がちゃんと持てないだけで怒ってしまう。
子どもは過酷な状況で精一杯生きている。子どもと同じ目線を感じると、怒れなくなる。
ということで「幼い頃の自分とお母さん」をテーマに大学生が描いた絵を何枚か見せていただきました。
<描かれた絵>
お母さんは大きな大きな怒りの炎の形、自分はとても小さい存在で泣きながら内面に怒りを抱えている絵
↓
<気持ち>
「〜しなさい!」「〜はダメ!」と火のように怒っていた母親の様子。自分は抵抗できず泣いていたが、心の中では憎しみや恨みでいっぱいだった。愛されていると感じたことは当時はほとんどなかった。
<描かれた絵>
用紙の両端にとても離れて書かれたお母さんと自分の絵
↓
<気持ち>
母親と仲は良かったけど自分からは遠い存在だと感じていた。
<描かれた絵>
母親という大きな輪の中に取り込まれている小さな輪の自分の絵
↓
<気持ち>
自分は母親のなすがままになっていた。
<描かれた絵>
ほど良い距離を空けて、球をそっと包み込もうとしている大きな両手の絵
↓
<気持ち>
仕事をしている両親と過ごす時間は限られていたが、母親は常に遠くから自分を守っていてくれると感じていた。
<描かれた絵>
お花に燦々と光を浴びせている太陽と、雷を落とす鬼の絵
↓
<気持ち>
母親は自分を大切に育ててくれる太陽でもあり、時には雷を落とす鬼にもなる。
自分達が子どもの頃は母親に対してどう感じていただろうか?自分はこれからどのように子どもを育てたらいいのだろうか?そのヒントが先週観た映画『 アリサ−ヒトから人間への記録− 』に盛り込まれているということで、以下のお話を伺いました。
エリクソンの発達論
大人でも子どもに育てられて、一生発達していく。
肯定的経験が多いと健全な発達をするが否定的経験が多いと病的発達になりかねない。
子どもは両方を経験していいが、必ず肯定的経験が多くなるように!
イヤイヤ期
いずれ自立していくために「しつけ」をする。「おどし」ではなく「はげまし」をすることが大切。
遊びについて
子どもが何かを並べ始めたら、それは数の勉強。泥団子を並べたり分け合いっこをすることで数の勉強になっていくので下手に大人が手を出さない方がいい。
幼稚園選び
フラッシュカードなどをしている幼稚園はどうなのか。運動会でピッと一糸乱れぬ整列をしていたら、そのために子どもが遊ぶ時間をどれだけ削って練習したのかを想像するといい。幼稚園の見学をするなら、園がよそ行きの対応をする見学日ではなく、通常保育の様子を見に行くのがいい。
質疑応答
Q.2歳過ぎた子どもに砂遊びをさせていない。母親である自分自身が砂を触らないから子どもも触らないんだと思う。アリサを見て、今からでも取り戻せるか不安。
A.取り戻せます!お母さんが一緒に遊んであげてください。
Q.ただ遊んでいるだけの幼稚園でよいのか?
A.遊びをたっぷりしていれば大丈夫。
受講生からは「周りにはお勉強系の幼稚園が多く、ママ達もそれを求めている。遊びが大事という先生のお話を、もっと周りに広めてほしい。」という言葉をもらいました。
次回は、企画委員といっしょに親子学級前半の講義内容を振り返ります。
学級第4回の保育室だより(子ども達の名前はすべて仮名です)
『子どもの発達に遊びが大切なワケ』
今回は帝京大学 教育学部で発達心理学や幼児教育を専門にされている杉本真理子教授にお越しいただきました。
子どもの目線に立って子どもの気持ちを考えるきっかけになる本として、絵本「どんなかんじかなあ」を読み聞かせしていただいたり、子どもが書いた詩を集めた本「こどもの詩」を読みました。
生まれてきてくれただけでありがとうと最初は思っていたのに、今はお茶碗がちゃんと持てないだけで怒ってしまう。
子どもは過酷な状況で精一杯生きている。子どもと同じ目線を感じると、怒れなくなる。
ということで「幼い頃の自分とお母さん」をテーマに大学生が描いた絵を何枚か見せていただきました。
<描かれた絵>
お母さんは大きな大きな怒りの炎の形、自分はとても小さい存在で泣きながら内面に怒りを抱えている絵
↓
<気持ち>
「〜しなさい!」「〜はダメ!」と火のように怒っていた母親の様子。自分は抵抗できず泣いていたが、心の中では憎しみや恨みでいっぱいだった。愛されていると感じたことは当時はほとんどなかった。
<描かれた絵>
用紙の両端にとても離れて書かれたお母さんと自分の絵
↓
<気持ち>
母親と仲は良かったけど自分からは遠い存在だと感じていた。
<描かれた絵>
母親という大きな輪の中に取り込まれている小さな輪の自分の絵
↓
<気持ち>
自分は母親のなすがままになっていた。
<描かれた絵>
ほど良い距離を空けて、球をそっと包み込もうとしている大きな両手の絵
↓
<気持ち>
仕事をしている両親と過ごす時間は限られていたが、母親は常に遠くから自分を守っていてくれると感じていた。
<描かれた絵>
お花に燦々と光を浴びせている太陽と、雷を落とす鬼の絵
↓
<気持ち>
母親は自分を大切に育ててくれる太陽でもあり、時には雷を落とす鬼にもなる。
自分達が子どもの頃は母親に対してどう感じていただろうか?自分はこれからどのように子どもを育てたらいいのだろうか?そのヒントが先週観た映画『 アリサ−ヒトから人間への記録− 』に盛り込まれているということで、以下のお話を伺いました。
エリクソンの発達論
大人でも子どもに育てられて、一生発達していく。
肯定的経験が多いと健全な発達をするが否定的経験が多いと病的発達になりかねない。
子どもは両方を経験していいが、必ず肯定的経験が多くなるように!
イヤイヤ期
いずれ自立していくために「しつけ」をする。「おどし」ではなく「はげまし」をすることが大切。
遊びについて
子どもが何かを並べ始めたら、それは数の勉強。泥団子を並べたり分け合いっこをすることで数の勉強になっていくので下手に大人が手を出さない方がいい。
幼稚園選び
フラッシュカードなどをしている幼稚園はどうなのか。運動会でピッと一糸乱れぬ整列をしていたら、そのために子どもが遊ぶ時間をどれだけ削って練習したのかを想像するといい。幼稚園の見学をするなら、園がよそ行きの対応をする見学日ではなく、通常保育の様子を見に行くのがいい。
質疑応答
Q.2歳過ぎた子どもに砂遊びをさせていない。母親である自分自身が砂を触らないから子どもも触らないんだと思う。アリサを見て、今からでも取り戻せるか不安。
A.取り戻せます!お母さんが一緒に遊んであげてください。
Q.ただ遊んでいるだけの幼稚園でよいのか?
A.遊びをたっぷりしていれば大丈夫。
受講生からは「周りにはお勉強系の幼稚園が多く、ママ達もそれを求めている。遊びが大事という先生のお話を、もっと周りに広めてほしい。」という言葉をもらいました。
次回は、企画委員といっしょに親子学級前半の講義内容を振り返ります。
学級第4回の保育室だより(子ども達の名前はすべて仮名です)
ブログ担当きば子のつぶやき
大学生が描いた「幼い頃の自分と母親」の絵はとても衝撃的でした。見ていて胸が苦しくなるような切ない絵だったり、心が温まる絵だったり・・自分の息子に同じテーマで絵を書かせたらどうなるんだろうか?と考えたら不安になりました。
子どもが持っている宇宙を壊さないようにしたいものです。