地域で子育てするということ〜前編〜今回は、
自主保育B.B.だん 大西由紀野さん と、元・
川崎市子ども夢パーク プレーワーカー 石原遼さん にお話を伺いました。
「地域で子育て体験談」
自主保育B.B.だん 大西由紀野さんのお話■宮前区冒険遊び場ネットワークロープを仕掛けたり、火をつかったりして、買った野菜で豚汁、カレーを作る。自分自身が汚れて遊んでいないから、先入観で最初は公園で子どもが汚れるのが嫌だったけれど、やりたい、やらせたい気持ちもあった。プレーパークでは泥沼で汚れても洗ってくれる人がいて、苦にならなくなった。
赤ちゃんが大好きなおばちゃんがいて、その人に下の子を見守ってもらっている間に、自分が上の子と一緒に遊ぶ事ができた。自分がトイレに行きたい時も顔見知りにトイレに行きたいのでその間にちょっと子どもを見ていてほしいと言える。
他の子との取り合いなど、ちょっと揉めても、「うん、子どもってそうだよね」ってみてもらえる。公園に連れていくのが億劫になっていたけど、心置きなく外遊びができた。
■野川はあも野川はあもは森の保全活動をしている。専門家もいて地域の年配の方や、かつて我が子を連れてきていたという子育ての先輩もいる。一人一人の関わりが統一化していないので、子どもたちが叱られるポイントも様々。
子どもは森で過ごして遊び、おじいちゃんが一緒に見守ってくれているんだという感覚。下草刈りなど、家の庭の草取りよりやりがいがあったりする。
お父さんに子どもを連れて行ってもらうという使い方をしても良いと思う。
遠出しなくても、お金をかけなくても、我が子と一緒に過ごせる場所っていっぱいある。■たくさんの大人の手と大人の目が必要だと感じる大人の手と大人の目が必要。そして男手が必要になってくる。ただ漠然とお父さんが子どもを公園へ連れて行き帰ってくる過ごし方だと、我が子としかコミュニケーションをとってこないことも多い。けれど、上記のような
地域の人で作っていく地域の自然の中の遊びの場は行った先に役割がある。役割があるとお父さんも居心地が良いこともある。テーマパークやショッピングパークよりも楽しく過ごせるかもしれない。 ■町内会 町内会に入ると「そこの家の子だな」と知ってくれている人が増える。
見守ってくれる目が増える。ある程度自分のプライバシーを情報提供するけど、安心感がある。それをありがたいと思う人もいるし、そう思わない人もいるから、それが絶対こうした方がよいというわけではない。色んな所、居心地が良い中で関わりがあると良い。
■自主保育 幼稚園や保育園に行かず、親が当番をくみ、預け合いをする。カリキュラムはない、園舎はない、地域の公園で遊び育つ。
子ども達の喧嘩が始まった時、大人は周りにある危ないものを取り除いたり、どこまで見守りどこで止めるかその場で相談しながら見守る。(一対一の)喧嘩を全て止めてしまうというのはどうかと思う。次にまた喧嘩があると今度は周りにいる他の子達が近くの石を取り除きはじめたりする。
痛い思いをしている子がいたら、それを見守る子もその痛みを知る。 シニア世代の方に立ち寄って声をかけてもらい、子どもとふれあうことが好きな人とのかかわりも出来る。
自主保育をやりきって卒会し小学生になった子どもたちはとことん遊びきっているからなのか、意外にも小学校ではしっかり座れていたりする。
他にも地域の居場所がある。
↓
「
カンガルー宮前子育てねっとわーく」
「
みやまえ子育てフェスタ企画委員会」
■地域で育った子どもたちはいま・・・乳幼児〜未就学児の時から地域に関わってきて、成長したお子さん達…どんな子になりましたか?
「地域でのこんな経験がこの子の成長にとって良かったんだな」と感じるエピソードはありますか?
との事前質問に、大西さんがご自身のお子さん達にヒアリングして答えてくださいました。
<高校1年生:長女 Kさんより>
文化祭とかの決め事で仲の良い人ばかりがかたまるが、そこをつなげようとする人がいないことがある。自分が仕切りたい人と繋げることによって話が上手くいったりする。
多年代の人たちと可愛がってもらいながら過ごしてきたことで、仲の良くない人とも話せたり、通りすがりの知らない人から声をかけられても抵抗なく対応できる。 森が1年間でどんな風に変化していくのかを知っている。
<中学1年生:次女 Mさんより>
自分で判断ができるようになる。自分の気持ちを自分の言葉で言えるようになる。なんとなく「ありがとう」や「ごめんなさい」を強要されなかったので、自分の気持ちが整ってから言えるようになった。
何かがあっても受け身ではなく、自分で解決しようと思う。結論が遠回りでも大人になる時大事なことだと思う。晴れていても、雨の匂いがするなと思ったら、その後本当に雨が降ったりする。嗅覚に優れている。
「地域で子育てするということ」後編につづく〜