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2021年08月16日

138号

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図書紹介:『組織と職場の社会心理学』
著者:山口裕幸
出版:ちとせプレス、2020年


 まだ、夏は始まったばかり。そう思ってやるべきことを先送りするうちに、
結局何もできずに夏が終わってしまった。そんな経験をした方も多いでしょう。
私もその一人です。

 なぜ人はやるべきことを先送りしてしまうのでしょうか。多くの人が直面す
るこの心理作用には、カラクリがあるようです。

1. やるべきことを先送りしてしまう、心理的な罠とは
 程度の差はあれ、多くの人がやるべきことを先送りして、後になって大変な
思いをしています。

このやるべきことを先送りしてしまう心理は、次のように言い換えることができそうです。

「目先のことを過大評価して、遠い先のことを過小評価する心理」

 つまり、いま目の前にある楽しいことの方が魅力的に見えてしまう、というわけです。

2.「双曲割引」の認知バイアス
 このように時間的な近さと遠さによって、主観的な評価に違いが生じる現象
を「双曲割引」の認知バイアス(バイアス=歪み)、といいます。

 このバイアスが働いている状態では、目の前の楽しい時間のメリットが過大
に評価され、遠い未来のメリットは過小評価されてしまいます。

3.この罠から抜け出すことはできるのか
 本書によれば、目の前の楽しいことを選択するこのバイアスは人間がもとも
と持っているものなので心理作用そのものを抑えるのは難しいのです。

 ではどうすれば、この罠から抜け出すことができるのでしょうか。

 いま分かっている範囲で有効な行動の一つに「自己シグナリング」がありま
す。「自己シグナリング」とは、自分自身がこの罠にどれくらい誘惑されやす
いのか、そしてそれをどのくらい自制することができるのかを常に振り返って
確認することで克服することができる、というものです。

誘惑に対する自分の弱さを知って、それから達成可能な目標を立て、それを周
囲の人に公言することで、言ってしまった手前、がんばろうという気になるというのです。

4.やってみよう
 例えば、このような感じです。

「私は来月のメルマガまでに4本の原稿を書き上げる」

こう宣言すると、言った手前やらなければと動機づけされるワケです。私も「自己シグナリング」効果を使って、この夏を乗り越えてみようと思います。
posted by oyagaku at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書紹介