CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

2021年11月15日

141号

図書紹介:『医療者のための教える技術
      ―オンラインと対面のハイブリッド教育研修』
著者:杉浦真由美
出版:メディカ出版、2021年

 2020年に入って、研修会は一気に多様化しました。これまでの研修会は対面型と呼ばれ、それに加えてオンライン型、ハイブリッド型、ブレンド型、ハイフレックス型など、教育・学習ニーズに合わせた開催方法を選択できるようになったのです。わたし自身も、突貫工事のようにして様々な方法を試みながら何とかここまでやってきたという感じです。

1.ニューノーマル時代の「日本の」教育研修方法
 ご承知のように、アメリカでは国内で時差がある関係からオンライン研修方法の開発が進んでおり、コロナ禍で日本に輸入されたオンライン教育法のほとんどはアメリカ化されたものでした。

そうしたなかで、本書はオンライン研修の日本版として注目されています。日本でオンライン研修を開催するときに、必要なことはこの一冊がほとんど網羅していて「こんな本が欲しかった」というのが今のわたしの本音です。

2. どんなことが書いてあるの?
 本書には、研修をデザインする理論の紹介、研修を活性化する方法や開催方法、ファシリテーションやレクチャー、ワーク、振り返りのコツが取り上げられています。

 たとえば、冒頭部分では「教えたことがうまく伝わらない原因は?」との疑問に対して、それは「教え方のスキルが不足している」からとストレートな答え。また、「研修がうまくいったかどうかはどうやって確認するのですか」
との質問には「研修で教えたことを自立してできるようになったか、演習で確認する」と答えています。

 この「研修デザイン」とその「確認方法」が本書の中核だと、私には読めました。

3. 経験学習モデルを採用
 本書で紹介している研修デザインのベースには、経験学習モデルがあるようです。このモデルでは、単に話を聞き、資料をみるだけでは学習者の学びにはならない、と考えます。学んだことを経験してこそ学ぶことができる、そう考えるのです。

 経験学習モデルでは、(1)具体的な体験をして、(2)振り返って、(3)そこから教訓を導き出し、(4)新しい状況に適応する、という一連の流れを大切にします。このプロセスをオンライン研修のなかで、どのように設計するかについて、この本ではまとめられています。

また、一つひとつのスキルを習得するには、その人にとって習得に必要な時間に対して、どの程度時間を費やすことができたのかに注目しています。こうした視点によって、学習者は「そのことが出来ない人」から、「まだ出来ていない人」に変わるのです。

4.まとめ
 このように、オンライン研修の普及によって、学習者主導の研修会デザイン方法が広がっています。こうした潮流に乗りながら、選ばれる研修会を目指していきたいものです。
【図書紹介の最新記事】
posted by oyagaku at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書紹介
この記事へのコメント
コメントを書く
トラックバックの受付は終了しました

この記事へのトラックバック