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2020年12月19日

130号

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『心理学から見た社会‐実証研究の可能性と課題』
監修者:安藤清志、大島尚
発 行:誠信書房、2020年

今なぜ、鬼滅の刃が大ヒットなのか−「感動」の心理学研究から読み解く、そのワケとは―

 アニメ「鬼滅の刃」は、日本のみならず世界中で多くの人たちを感動させています。特に映画は大ヒットをみせ、日本の映画歴代興行収入ランキング1位に迫る勢いです。
 
 なぜ今、これほどの大ヒットなのでしょうか。今回は、「感動」の心理学的研究からそのワケに迫ります。

<感動には複数の感情が含まれている>
 まず、感動とは、非常に強烈な感情の集合を指します。何によって構成されているのかというと、「喜び・うれしさ」、「悲しみ・哀しみ」、「共感・同情」、「驚き」、「達成感」、「素晴らしさ」(戸梶,1999)などです。

<日本では、協力して助け合うことに感動が起きる>
 日本では天災や人災などの社会的な緊急事態に対して、協力して助け合うということに価値が置かれることが多いことから、「誰かの優れた実績は多くの人の支えによって実現できた」という話に強い感動が喚起されるようです。

<「感動」が及ぼす影響>
 こうした「感動」は、どのような影響を私たちに及ぼすのでしょうか。

1.「動機づけの向上」
2.「認知的枠組みの更新」
3.「他者志向・対人受容」(戸梶,2004)

 感動すれば、必ずこうした影響があるとは限りませんが、その時々で私たちの気にかかっていることに対して、感動することによって、動機づけられる傾向があるということはできるでしょう。

<まとめ:「鬼滅の刃」が新しい生活への動機づけにつながった>
 コロナ禍によって、翻弄された一年となりました。

「鬼滅の刃」は、そうした懸念事項に対して、
1.前向きに向き合う動機づけ、
2.新しい生活に向かうための認知的な枠組みの更新(考え方を変えること)、
3.オンライン化による新しい対人関係への適応と他者受容、をもたらしてくれたのではないでしょうか。

 炭治郎という主人公が仲間たちと助け合いながら協力して達成していくストーリーは、多くの人を感動のなかで動機づけたのではないかと、考えられるわけです。
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posted by oyagaku at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書紹介
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