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2020年03月16日

121号

『家族主体ソーシャルワーク論−家族レジリエンス概念を手がかりに』
著 者:得津 愼子
発 行:ナカニシヤ出版、2018年

紹介者から:専門的実践家向けの一冊です。
 本書は、専門書ですので、すべてのメルマガ読者にお薦めすることはできません。しかしながら、家族を支援することについてソーシャルワークの視点から学びたい方は、ぜひご一読ください。

 この本を読むと、家族のニーズを把握することから支援をはじめることで、支援施策が一方通行にならないことを理解することができます。

具体的には、次のことが学べます。
一、複雑な家族を複雑なまま理解し、支援するための理論と方法を学ぶことができます。
二、家族の回復力が発揮されるプロセスを当事者本人の言葉で読むことができます。
三、最新の学問パラダイムの潮流を概観することができます。(ホーリズム、システム論、コミュニケーション理論、家族療法、ポストモダン、社会構成主義、ナラティブアプローチ、質的研究、M-GTA、複数経路・等至性アプローチ:TEA)

高橋会長のホリスティックな視点が家族支援でどのように展開しているかを知りたい方にお勧めいたします。注意深く慎重に家族に接近している様子がわかります。

 本書より:
「家族」主体のソーシャルワークでは、家族を「生きているシステム(living system)」と多元的に捉えて、そのシステムが円滑に機能しうるように支援します。

このようにシステム論からみることで、「困難な家族が多いから関わることができない」。この家族は「問題」だと諦めずに、可能性の器とみることができるようになります。

 現代において、家族を語ることは時代遅れの感がありますが、それでもなお多くの人びとにとっては意味があり、ある種の宿命的な存在でも在り続けています。

確かに、現代社会制度における基本単位は「個人」ではありますが、その個人を支えるのが家族なのですから、家族を支えるための施策は必要だといえます。

また、家族は社会的のみならず心理的にも基本単位として機能しているため、多くの人びとが家族のような心理・文化・社会的集団への帰属(安心)を求めていることも事実です。

そうした家族を支援するにあたって「家族」をどのようにとらえるかについて、多くの立場があります。しかしながら、どの立場にあっても実際の家族問題の支援に際しては「日々の現実としての家族生活(Richmond,1917)」には関心を払わざるをえません。

ここに家族のニーズを調査してからサポートすることの必要性が生まれてきます。そうでないと一方通行の家族強化の政策であれば、家族支援は一人歩きしてしまうでしょう。

そこで本書では、支援対象の「家族」のレジリエンス(回復力)に焦点を当てて、日本のファミリーソーシャルワークの今後の展開について考究しました。
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posted by oyagaku at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書紹介
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