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2020年02月15日

120号

『教師のための子どものもめごと解決テクニック』
著 者:益子洋人
発 行:金子書房、2018年

紹介者から:
 親・教師の立場から、子どものもめごとを解決に導くスキルを学びたい方にピッタリの本があります。

 そもそも、もめごとの解決にはタイプがあって、自分の欲求を満たそうとすると「支配」的になり、他人の欲求を満たそうとすると「服従」的になる、という考え方があります。本書では、自他共に欲求を満たす方法を探す立場をとっていて、「統合」と位置づけています。

この「統合」的な解決を目指して親や教師は、@当事者が互いの言い分を聞き合う。A当事者が聞き合うなかで互いに「理解された」、「尊重された」と感じることができるようにする。B当事者同士で統合的な解決策を考える、というプロセス全体を管理していきます。

このプロセスを本書では事例を交えながら解説しているのですが、特に注目したいのは、もめごとの解決には二種類のスキルがあることです。

一つは、仲介者(親や教師)が間に入って当事者(子ども)のもめごとを解決するためのスキルで、どのようにしてもめごとを解決に導くかを扱います。

もう一つは、当事者(子ども)が解決スキルを身につけて、自分達で解決できるようにするためのスキルです。

このように、仲介者と当事者の両方のスキルを網羅しているところに、本書の特徴があって、最初のうちは大人が仲介するけれども、次第に子ども達同士で解決できるように導こうとしているところが、お薦めする理由です。

その他にも、「子どものもめごとを巡るQ & A こんなとき、どうする?」では、「もめごと解決テクニックの欠点は何ですか」とあり、「時間とエネルギーが掛かること」と答えています。

支配と服従や、妥協、先延ばしにする、などの解決方法を選ぶよりも、「統合」を目指す関わりでは対話が必要になるために時間とエネルギーがかかります。

その意味で、「いつでもベストな解決方法ではない」ので、緊急性が高いときや当事者が急いでいる時には向きません。しかしながら、じっくりともめごとに向き合いたいときや、火種を消したいときには、有効な方法です。
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posted by oyagaku at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書紹介
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