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2020年01月15日

119号

『サードエイジをどう生きるか−シニアと拓く高齢先端社会』
著 者:片桐恵子
発 行:東京大学出版会、2017年

紹介者から:
 2015年に団塊の世代がすべて65歳に達し、多数の高齢者層が登場してから5年が経とうとしています。地方行政の窓口には「私は何をしたらいいのか」と相談に来るシニアが多く、窓口を当惑させているようです。
 
 家庭への影響として深刻なのは、退職後の夫の存在です。とにかく家を出た方がいいのはわかっているけれども、行くところがないと鬱々とした気持ちで一日中、夫が家にいるわけです。これは妻にとっては大問題で、なかには在宅夫がストレスの元となって、うつ症状を呈し「在宅夫症候群(注)」と呼ばれるようになっています。

 (注)在宅夫症候群:定年後に、一日中家にいて、家事も手伝わずテレビを見てゴロゴロしているような夫にストレスを感じる妻が呈するうつ症状(黒川順夫、2005)

 平均寿命や健康寿命がここまで延伸するようになると、定年後のサードエイジは一部の長生きの人の問題ではなくて、だれもが経験する人生の一時期になりました。

すると、これまでの社会参加活動だけではなく、サードエイジは生産的活動や市民参加活動へと場を広げるようになっています。自分や所属グループの興味関心にもとづいた無償で私的な活動だけでなく、社会貢献の志向性を持ち、有償で公的な活動へと広がっているのです。

 積極的な意志をもってサードエイジを過ごし「人生における意味」を探求する活動は、アクティブエイジングと呼ばれ、これからますます広がると思われます。一方で、それは自分達で楽しんでいた趣味を仕事にするわけですから、適用されるルールも社会的責任の水準も一定以上のものが求められることを意味します。好きなときに好きなことを好きなだけが通用しないわけです。

 この話を親学の領域に転じてみると、いま求められているのは、高齢支援者向けの対人援助領域における準専門職スキル・能力、ガイドラインと養成課程だといえるでしょう。

親学アドバイザーの年齢層を想定より広げて、アクティブエイジング世代を取り入れていく工夫とサードエイジ対象の教育学の整備が当面の課題だと考えられます。
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posted by oyagaku at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書紹介
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