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2018年07月15日

102号


『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』

 著 者:ジョン・J・レイティ/エリック・ヘイガーマン

 訳 者:野中香方子

 発 行:NHK出版、2013年

紹介者から
 運動でやる気や集中力を生み出すことができる。
取材で訪れたある幼稚園の話です。登園した子供達は、到着するやいなや身体を使って遊び始めました。運動した後に集中が訪れることを、この幼稚園は知っていたのです。しばらく運動した後でチャイムが鳴ると、整列を始めて静かに園長先生のお話を聞いていました。

 本書は、運動することで脳が鍛えられることを様々な角度から実証的に根拠づけています。著者のレイティは「運動の第一の目的は、脳を育ててよい状態に保つことにある」というのです。どのような運動が、どのような症状に影響を与えるのか。ストレスや不安、うつや女性ホルモン、加齢などへの影響について読み応え十分のボリュームで語られています。

 一例を紹介すると、アメリカ・シカゴにある高等学校では、一定以上の成績に満たない生徒は希望すれば0(ゼロ)時間目が設けられます。1時間目が始まる前に集合して、心拍計をつけてランニングを終えてから授業に臨むのです。

これには、参加しない生徒よりも成績が向上するという科学的な根拠があるからです。日本でも授業前に校庭で運動する小学校があるように、学習前の運動は理に適っていると言えそうです。

 では、どのような運動がよいのでしょうか。例えば30分のジョギングを週に二から三回、12週間続けると頭のキレを保つ機能が向上することが確認されています。肝心なのは何かをすることで始めることが大切なのだと強調しています。

 有酸素運動以外の運動では、例えば筋力トレーニングが紹介されています。
脳に及ぼす影響を研究したものには、有酸素運動のように記憶や学習に影響を与えるものよりも、気分や不安、自信などの精神面での健康が増進することを扱うものが多いようです。

 統計によると、運動を習慣にしようとした人の約半分は、半年から一年以内に諦めてしまっています。その最大の理由はいきなり高強度の運動を始めることなのだそうです。身体にも心にも無理は禁物です。やめてしまうよりは、低強度でも続けていた方がはるかにいいのです。

 著者は、次のメッセージで本書を締めくくっています。

「私たちは動くように生まれついている。動いているとき、あなたの人生は燃え始める」。

やる気スイッチの入れるコツは、運動にあるのかもしれません。
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posted by oyagaku at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書紹介
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