2016年3月7日。
笹川平和財団ビルで第2回海洋・沿岸域管理を担う人材育成に関する調査研究委員会が開催されました。主な議事は、
1)自治体職員に対する入門研修の実施について
2)大学・大学院における海洋・沿岸域総合管理教育の実施について
3)入門書・教材の作成について
2)の大学・大学院における海洋・沿岸域総合管理教育の実施について
海を活かした地域創生、沿岸域の総合的管理の分野において、各大学でも地域から求められるニーズに応える形で特色あるプログラム開設に取り組みが始まっていることが紹介されました。

@長崎大学および長崎県における取組み:「
海洋サイバネティクスと長崎県の水産再生」(2007年~2011年は文科省科学技術戦略推進費を用いた地域再生人材創出拠点の形成事業)現在は長崎大学が中心となって継続。2015年からは、「沿岸域の総合的管理(含む里海論)I・II」もカリキュラムに取り入れられ、地域のニーズに密着した大学教育による人材育成プログラムとしての展開が期待されている。
A岩手大学(水産海洋イノベーションコンソーシアムを含む):
岩手大学は、2013年に釜石に三陸水産研究センターを設置。また、岩手大学、東京海洋大学、北里大学は、被災直後より連携して、「SANRIKU(三陸)水産研究教育拠点形成事業」を行ってきている。2014年には東京海洋大学が代表となり、岩手大学、北里大学とともに、水産海洋イノベーションコンソーシアムが設立され、海洋教育・人材育成の充実が期待されている。
B高知大学、愛媛大学、香川大学、鳴門教育大学:
高知大学は2016年に農学部を「農林海洋科学部」に改組。同学部では、高知大学が中心となって進めている「総合的海洋管理教育プログラム」が実施されることとなり、2016年65名定員で募集が行われた。香川大学、愛媛大学でもe-leaningのコンテンツ化を行う。
C横浜国立大学:
「統合的海洋教育・研究センター」の副専攻プログラムとして「統合的海洋管理学II」を設置。沿岸域の総合管理についても、沿岸域空間を持続的に開発、利用、保全していくため、多様な利害関係者の調整を行うと同時に様々な事業や取り組みを進めていくために要求される分野横断的知識、俯瞰的視野の習得が図られている。
D熊本大学:
「沿岸域環境科学教育研究センター」で「八代海再生プロジェクト」が実施されており、地圏・水圏・気圏、物理・化学・生物環境、社会環境に至る生態系把握と順応的管理に基づいた環境改善を目指している。
E放送大学:
全国のコンソーシアムとして単位交換の枠組みがつくれれば共有しうる講義を作ることができる可能性がある。