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時津町、長与町、ICM勉強会 [2017年02月06日(Mon)]
2017年1月27日(金)
2016年度から新たに沿岸域総合管理の「広域型」モデルサイトとして加わった長崎県大村湾。下記の写真は、時津町から見た”琴の海”大村湾です。
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沿岸域総合管理「海を活かしたまちづくり」についてもっと知りたいという積極的な申し出を受け、時津町役場にて、時津町、長与町の担当者との勉強会を行いました。
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時津町からの出席者は、前田純隆副支部長、帯山保麿福祉部住民環境課長、同佐藤亮介主事、同一瀬良平主事、長与町からは久松勝住民副支部長、長谷裕志住民環境課環境係長、畑中隆徳建設産業部産業振興課課長補佐、海洋政策研究所からは、古川恵太海洋研究調査部長、大塚万紗子特別研究員、塩入同研究員、藤重香弥子研究員が参加しました。
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最初に時津町・長与町のここ数十年の航空地図の変遷を見ながら、この地域の沿岸の推移を俯瞰し、次に、地域が主体となった沿岸域総合管理の「総合」とは何と何を総合するのか(陸域と海域・環境と経済・町の部署と部署など)、更に、海辺のまちづくりや各地での活動の事例を紹介しました。その後、時津町・長与町での海洋教育についてや両町が力を入れているペーロン競争を活かしたまちづくりなど具体的な提案や意見を多く戴き、活発な意見交換となりました。

時津町と長与町 [2016年12月05日(Mon)]
2016年11月25日(金)
海洋政策研究所寺島紘士所長、大塚万紗子特別研究員、塩入同研究員が長崎県大村湾沿岸の時津町と長与町を訪問しました。
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最初に訪ねたのは長与町の港で、久松勝住民福祉部長と住民環境課の長谷有志環境係長と船に乗って湾に出ました。風が少し強くなったので、町の湾内で牡蠣や赤貝の養殖をしている漁師さんたちの船に横付けして、話を伺いました。
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昭和40年代までは長与町にも海水浴場があったのですが、もともと平野の少ないところだったので、昭和48年に埋め立てが始まり、海水浴場はなくなり、昭和50年代に下水処理施設ができたとのことです。牡蠣、赤貝の養殖や、シャコ漁、ナマコ漁などをしていますが、今年は牡蠣が小さく、赤貝の生存率が半分ほどとのこと。ちなみに、ここで「若手」と呼ばれていた漁師さん2名は、地元出身で大手企業を定年退職した後に漁業を始めた方々でした。
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シャワー等の設備があるキャンプ場と展示会場が併設されている塩井崎交流館を訪ねたあと、ペーロン艇庫を見学しました。2−3艘の艇庫を想像していたのですが、色とりどりの美しいペーロンが10艘以上も納められており、ペーロン大会や修学旅行生の体験に活用されているそうです。ペーロン体験で長与町にこられる修学旅行生は、年間に2000人を超えるとのこと。
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長与町の方々に時津町の障害福祉サービス事業所「社会福祉法人 時津町手をつなぐ育成会」が経営しているレストランに送っていただき、山内俊一理事長にご挨拶した後、時津町の森達也副町長、福祉部の前田純隆部長、同部住民環境課一瀬良平主事、同佐藤氏と昼食をとりながら「海を活かしたまちづくり」について意見交換を行いました。副町長はUターンで町に戻られ、町役場に30年以上勤めた後、今年から副町長になられたとのこと。子供のころはよく海で遊んだのに、今の子供たちは、安全性の問題で海から遠ざかっているのは、残念とのこと。
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その後、時津町のペーロン艇庫を見学。時津町でもペーロンが海と子供たちをつなげているようで、町の子供たちはペーロン体験を通じて、必ず海にでるそうです。最初、子供たちを海に連れて行くことに抵抗していた先生や大人たちも、実際にペーロン練習が始まり、大会に参加することで、大いに盛り上がり、今は町にとって欠かせないものになっているとのこと。また、子供が1歳になったころの行事にもペーロンが登場するそうで、時津町、長与町では、ペーロンが海と人々をつなぐ文化としてDNAの中に深く根づいているのを感じました。
大村市・長崎県訪問 [2016年12月04日(Sun)]
2016年11月24日(木)
寺島紘士常務と大塚万紗子特別研究員、塩入同研究員の3名で、羽田から長崎空港へ、美しい初冬の富士を眼下に見ながら移動。
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最初に長崎空港のある大村市へ立ち寄り、大村湾議員連盟の大崎敏明議員、大村市市長公室企画調整課長兼国際交流推進室長の増田正治氏と、大村市5市5町の100万人経済圏、2017年度に行われる大村湾「海フェスタ」、沿岸域総合管理、海域の市町村への編入などについて、意見交換を行いました。
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次に長崎県庁を訪問。環境部の太田彰幸部長、小嶺和伸次長兼環境政策課長、同部地域環境課の山口正広課長、吉原直樹参事、村井勝行係長と、沿岸域総合管理「海を活かしたまちづくり」について意見交換を行い、沿岸域総合管理の考え方と必要性について認識の共有を行いました。太田部長からは、「海と人を近づける取組みをやっていきたい」と力強い言葉を戴きました。
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長崎県企画振興部政策企画課の浦亮治課長補佐と氷川慎吾企画班係長とは、地域計画を策定する立場から大村湾の発展の素地の活かし方、離島とその内水・海洋の管理、そして地方創生を策定する立場から沿岸域総合管理について、有意義な情報交換ができました。

大村湾訪問(3)諫早市 [2016年11月29日(Tue)]
2016年11月16日(水)
大村市から連絡があり、教育政策監の遠藤雅己氏、学校教育課丹野平三課長、市長公室企画調整課石丸穂高氏、教育委員会学校教育課本多修司参事ほかに対し、パイオニアスクールプログラムについて再度説明をしました。

午後からは、諫早市を訪問。市民生活環境部環境政策課吉原一孝主任、同課福田貴嗣主任と情報・意見交換を行いました。諫早市は大村湾の最も湾奥に位置することから、湾口より一層状態が悪く、賓酸素水塊や青潮が発生することから低質改善が必要とされています。海の生態は弱っていて、以前に比べ、タコは小さくなり、シャコは薄っぺらくなり、漁獲量全体も減少して、最盛期の4分の1ほどになっているという。農業は温州みかんの栽培が盛んです。大村湾を囲む各市町に横串を通すことは重要と考えるので、ぜひ、やっていきたいとのこと。当研究所からは、海洋基本法、沿岸域総合管理、パイオニアスクールプログラムの説明などを行い、1月の若手座談会開催にも賛同を得ました。
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諫早市に来られていた長崎県の企画振興部政策企画課の永川慎吾企画班係長とも意見交換する機会があり、今回の大村湾訪問は大変実りの多い訪問となりました。
大村湾訪問(2)西海市、時津町、長与町 [2016年11月28日(Mon)]
2016年11月15日(火)
広域型沿岸域管理のモデル地域として今年度から加わった大村湾の市町訪問2日目は、西海市訪問からスタートしました。西海市役所で市民環境部環境政策課総務環境班の大石克也課長補佐、同廃棄物政策班井出邦典課長補佐、同班橋本秀昭主任から西海市について教えて戴きました。同市は東シナ海と大村湾に面していますが、外海はカタクチイワシ、イセエビ、エビスダコなどが獲れ、ペーロン大会も活発で、毎年7月に学校別大会を開催しています。大村湾では、主にカキや真珠の養殖が行われており、塩分の少ない小ぶりのカキが特徴なのだそうです。定期的にごみ清掃、旧オランダ村を活用したカヌー体験なども行っています。市全体としては「食」をテーマに観光を行っており、「大鍋まつりツアー」「さいかい丼フェア」が有名です。
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次に時津町を訪ね、福祉部住民環境課帯山保磨課長、同一瀬良平氏らと情報交換、意見交換を行いました。時津町では、海岸の多くが埋め立てで、工業団地や公園、キャンプ場になっているとのこと。ごみの清掃などを行うNPOが20団体ほどあり、市はゴミ袋の支給、ゴミの受け入れ、焼却などの役割と担っているとのことでした。
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この日最後の訪問先は長与町で、住民福祉部久保勝部長、同住民環境課栗山浩二課長、同課長谷裕志係長、建設産業部産業振興課畑中隆徳課長補佐と情報交換、意見交換を行いました。昔は塩田があったとのことですが、その後、埋め立てが行われ、今は、ジェットスキーなどマリンスポーツをするところがわずかに残っているとのことです。農業はみかん、オリーブなどを栽培しており、果物のジャムへの加工、オリーブの搾油なども地元で行っています。熊本県の球磨小学校と長与小学校はペーロンなどの海辺の活動で交流しています。

いずれの市町においても、当研究所からは、海洋基本法、沿岸域総合管理、パイオニアスクールプログラムの説明などを行い、1月の若手座談会開催にも賛同を得ました。
大村湾訪問(1)大村市、長崎県 [2016年11月20日(Sun)]
2016年11月14日(月)
この日から3日間をかけ、今年度から広域型沿岸域総合管理のモデルサイトとなった大村湾の5市5町の中から、海洋政策研究所の大塚万紗子特別研究員と塩入同研究員が、いくつかの市町を訪問しました。
最初の訪問先は、大村市。布施真人市長公室地方創生GM、同企画調整課石丸穂高氏、同策定グループ宮田淳仁氏、同政策推進グループ松尾あずみ氏と意見交換を行いました。海洋政策研究所からは長崎県の第3期大村湾環境保全・活性化行動計画を実現するために沿岸域総合管理が活用できること、また、学校における海洋教育助成プログラム「パイオニアスクールプログラム」について紹介しました。大村市からは、大村湾地域経済圏構想案や「海フェスタ」の計画、などについて、情報提供がありました。
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2番目の訪問先は長崎県で、環境部地域環境課の山口正広課長、同地域環境班の吉原直樹主事、同村井勝行氏と意見交換・情報共有を行いました。山口課長からは、若手と一緒に、言いっぱなしでもいいので、自由にアイデアを出せるような意見交換会を行うことに賛同していただき、1月半ばすぎに大村湾沿岸の市町に呼びかけて、ぜひ、実現させようということになりました。

「オール大村湾協議会(全湾協)」が発足 [2016年10月23日(Sun)]
2016年10月12日
大村湾は、南北に約26キロ、東西に約11キロ、面積約320平方キロメートル、貯水量約47.3億トンの閉鎖性の極めて強い内湾であり、古くから琵琶湖にたとえて「琴湖(きんこ、ことのうみ)」と呼ばれて、多くの人々に親しまれてきました。

海洋政策研究所(当時は海洋政策研究財団)は、2009年〜2010年度にかけ、長崎県と共同で、「海の健康診断」を実施、その処方箋の中で「生態系本来の力を活用した海域の自律的な環境修復について指摘」しました。長崎県は平成26年3月に「第3期大村湾環境保全・活性か行動計画ーみらいにつなぐ”宝の海”大村湾ー」を策定、その前文でも「海の健康診断」について言及されています。

大村湾の流域5市5町(長崎市、佐世保市、諫早市、大村市、西海市、時津町、長与町、東彼杵町、川棚町、波佐見町)は、かねてより「大村湾を活かしたまちづくり自治体ネットワーク」を構成するなど、この計画の実現に向けて「自然との共生を実現し」「海を活かした活力あるまちづくり」に取り組んできました。
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この日、豊かな大村湾を次世代へと引き継いでいくことを目的に、有志が集まり、「オール大村湾協議会(全湾協)」の発足会が開催されました。発足の趣旨説明に続き、大村湾をとりまく各地での取り組みの紹介などの情報交換が行われました。
長崎県環境部地域環境課と意見交換 [2016年07月21日(Thu)]
2016年7月20日(水)
本年度から笹川平和財団海洋政策研究所の「海を活かしたまちづくり」実践モデルサイト5カ所(志摩市、小浜市、備前市、宿毛湾、宮古市)に大村湾(長崎県)、竹富町(沖縄県)が加わったことは既にお伝えしましたが、この日、長崎県の環境部地域環境課の山口正弘課長、同課地域環境班の吉原直樹参事、同村井勝行係長が東京に来られた機会に、海洋政策研究所の寺島紘士所長と「海を活かしたまちづくり」などについて、意見交換を行いました。
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短時間でしたが、話題は、大村湾を囲む5市5町の「海を活かしたまちづくり」へ向けた取組みや、大村湾から陸を見た場合の観光の可能性、内水である閉鎖性湾の市域への編入、研究所が進めている「海洋教育パイオニアスクールプログラム」の2017年度向けプログラム、沿岸域総合管理を進めている地方自治体の地方創生プログラムなど多岐にわたりました。持続可能なまちづくりや人材育成を含めた更なる連携が楽しみです。
大村市長と沿岸域総合管理について意見交換 [2016年04月21日(Thu)]
2016年4月20日(水)

沿岸域総合管理のモデル候補である長崎県大村湾は大村市など5市5町に囲まれています。2016年度からモデルサイトとして共に活動を始めるべく様々な話し合いを重ねてきましたが、この日、笹川平和財団海洋政策研究所寺島紘士所長、古川恵太主任研究員、大塚万紗子特別研究員が大村市を訪ねました。美しい富士山の上空を過ぎて約2時間で大村市にある長崎空港に到着。まず、大村湾の砂浜再生を行っている現場を訪れ、進捗状況を確認した後、大村市役所に向かいました。

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大村市議会議長にご挨拶した後、大村市の園田裕史市長と大村湾での沿岸域総合管理の共同研究調査の進め方について意見交換を行いました。大崎敏明大村市議会副議長、大村市の大槻隆市長公室長、平本一彦財政部長、増田正治市長公室企画調整課長等が同席されました。

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海洋政策研究所は2010年に大村湾で「海の健康診断」を行っています。この結果(https://blog.canpan.info/oprf/archive/886)は沿岸域総合管理「海を活かしたまちづくり」で何をすべきか、計画をたてる際の参考になるでしょう。

長崎県や大村湾の5市5町の職員の方々や大村湾議員連盟の方々は沿岸域総合管理のネットワーク会議や研修会、2015年にベトナムで行われた東アジアでの沿岸域総合管理実施者の会議に積極的に参加されたり、小浜市での海のまちづくりの現場を視察されたり、「海を活かしたまちづくり」について熱心に知見の積み重ねて来られました。今後は、大村湾の環境を保全しながら、観光などで経済を活性化する「海を活かしたまちづくり」を具体的に進めていくことになります。
大村湾市議一行が小浜市ICMを視察(2日目) [2016年02月05日(Fri)]
2016年1月29日。
沿岸域総合管理の手法を使って、海のまちづくりを実践している小浜市を、大村湾議員連盟が訪問して2日目。朝一番の訪問先は、主に奈良県や岐阜県など「海なし県」の小中学生たちを対象に、「海に親しむ体験学習」を提供している「ブルーパーク安納(あのう)」でした。安納地区では、民宿を営む10数軒の漁家が協力しあって、体験学習の計画から、営業、実施までの運営をすべて行っています。参加した小・中学生は目の前で養殖しているタイを釣り、自分の釣ったタイを包丁で捌き、半身は刺身、半身は七輪であぶって食べるという体験をします。

海で釣りをするのも、包丁で魚をおろすのも初めてという子供たちにとっては、非常に印象に残る体験学習のようで、参加人数も着実に増えています。今では、一年に4千人ほどが参加するとのこと。宿泊先の振り分けや、体験学習に関する作業についても、また、収入についても、平等・公平に配分しているとのことです。
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次に、高校生や漁業者、市民有志がアマモを増やしている海が見える場所を見学、「海のゆりかごを育む会」の西野ひかる事務局長から取り組みについての話を聞きました。
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引き続き、「食の文化館」や「道の駅」を見学した後、今度は「海のまちづくり協議会」の副会長としての西野ひかる氏から小浜市での沿岸域総合管理のあり方や、近い将来大村湾で沿岸域総合管理の手法を使ったまちづくりを実践するにあたってのアドバイスを受けるなど充実した時間を過ごした一行は、バスで伊丹空港へと帰路につかれました。
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