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サーモンランド宮古のまちづくり [2017年03月19日(Sun)]
2017年3月17日(金)
岩手県盛岡から、まだ雪の残る閉伊川沿いの美しい景色に癒されながら、国道106号線を宮古駅行きのバスで移動すること2時間15分。海洋政策研究所沿岸域総合管理サイトコーディネータの大塚万紗子特別研究員と宮古サイト担当の藤重香弥子研究員が、宮古市役所を訪ね、「サーモンランド宮古のまちづくり」のあり方について、宮古市産業振興部の山根正敬部長、東京海洋大学佐々木剛准教授と意見交換を行いました。
宮古市における沿岸域総合管理については、当時2010年11月に宮古湾を訪問し、最初の研究会を行いました。東日本大震災前のその様子は下記のブログ映像でご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=isGsvej05jk
当時、宮古市水産課課長として対応して下さったのが山根氏で、以来引き続き、部署が変わったあとも、宮古市における沿岸域総合管理「海を活かしたまちづくり」の進捗状況をずっと気にかけて下さっていたそうです。
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山根部長との意見交換のあと、佐々木准教授を交え、NPOいわてマリンフィールド橋本久夫理事長、齋徳林業の齋藤眞琴代表、いわて男女共同参画サポーターの伊藤エミ子氏とも意見交換することができました。宮古市は「森・川・海とひとが共生するやすらぎのまち」を市のテーマとしていることから、これを具体化する沿岸域総合管理の手法の導入が求められているようです。
「むかしの浜あそび」@リアスハーバー宮古 [2016年07月22日(Fri)]
宮古湾のリアスハーバー宮古での「むかしの浜あそび」体験のお知らせが届きましたので、お伝えします。
素敵な夏休みイベントで、とても楽しそうです!
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はまの記憶、こころの記憶
やってみよう!むかしの浜あそび
むかしの子供たちから聞いて作った、
むかしの浜の絵地図もあるよ!


日時:2016年7月31日(日)10時〜16時
場所:リアスハーバー宮古(宮古市神林9−1)
   「薬王堂前磯鶏」で下車。徒歩10分。駐車場有。
主催:ニッセイ財団 環境問題研究助成
「ヤマ・カワ・ウミに生きる知恵と工夫 
−岩手県閉伊川流域における在来知を活用した環境教育の実践ー」 研究グループ
協力:特定非営利活動法人 いわてマリンフィールド

プログラム:
09:30 受付開始
10:00 あいさつ 福永真弓東京大学大学院准教授
10:10 ヤマ・カワ・ウミってどんなところ?
    ヤマのおはなし 羽生淳子総合地球環境学研究所教授
    カワのおはなし 佐々木剛東京海洋大学准教授
10:30 聞いてみよう「私が子どもだったころの磯鶏須賀」
    ゲスト:晴山洌さん(磯鶏幼稚園園長)
11:00 作ってみよう 食べてみよう! カマコヤキ
13:00 呼ばってみよう 向かいの白浜(届くかな?みんなの声)
おもしろ展示 09:30〜16:00
 むかしの浜の子写真展(森田隆さん 磯鶏西在住)
 すごいぞ宮古の貝殻博物館(中嶋哲さん 高浜在住)
 磯鶏藤原須賀マップ
(むかしの子どもたちに聞いて作りました。近くで見てね)
 空中写真
(1948年と1977年、すっかり変わった地形を見てね)
参加者アンケート
(マサミズ、パックリ、ドンドマッコを知っていますか?
     石崎鼻をなんて呼ぶ?)
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関連イベント:
7月30日(土) 川を流れてみよう、川を知ろう!川開き体験@箱石(閉伊川)
7月31日(日) 「山は宝だ」写真展・交流会 (リアスハーバー宮古1F)
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連絡先:東京海洋大学 佐々木剛准教授
サーモンランド宮古まちづくり研究会開催 [2016年06月27日(Mon)]
2016年6月19日(日)
サーモンランド宮古まちづくり研究会を開催。宮古市出身の佐々木剛東京海洋大学准教授、橋本久夫NPOいわてマリンフィールド理事長、伊藤エミ子いわて男女共同参画サポーター、水木高志さんりくESD閉伊川大学校事務局長、板橋麻里子森・川・海MANABIネットワークシステム事務局長が集合しました。笹川平和財団海洋政策研究所からは大塚万紗子特別研究員、藤重香弥子研究員が参加しました。

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議論はそもそも宮古がサーモンランドと言われ始めたのはいつ頃からか、という話におよび、1987(昭和62)年1月5日に宮古をサーモンランドとする宣言がなされたということが明らかになりました。その後、サーモンランドという名前を冠したイベントがいくつか生まれ、更に、2007(平成19)年1月1日には宮古市が「・・・本市の将来像「森・川・海とひとが共生する安らぎのまち」を基調としながら、鮭のごとく力強く活動するまち、心の豊かさやゆとりを実感できるまちを築くことを決意し、本市全域を『サーモンランド』と呼ぶことを宣言します。」と改めて宣言を出しています。

日本で8番目の広さのある中で、コンパクトシティの核をどう作るか、どう繋げるか、現在数百ある公共施設を今後どのように運営していくのか、定住化対策をどうするか、などなど、今後のワークショップのテーマになりそうな話題が次々と出ました。また、food intrinsic value(食の本質的価値)、agro-ecology、などをキーワードにして、海のひとと、川のひと、山のひとが話し合うことの重要性が再確認されました。
第3回サーモンランド宮古まちづくり研究会 [2016年05月24日(Tue)]
2016年5月21日(土)
宮古市区界(くざかい)にある閉伊川源流を探検したあとは、区界高原少年自然の家で、閉伊川流域の山の幸、川の幸を活かした幸せな昼食を戴きました。タラの芽など山菜の天ぷらや、サクラマスの焼き魚、具だくさんの味噌汁、炊き込みごはん・・・。そして、食事のあとは、料理長によるサクラマスを三枚におろし切り分ける包丁さばきの実演。

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そして、東京海洋大学学生たちによる「サクラマスと木こりの物語」という児童向けの芝居。こうした一連のイベントのあと、第3回サーモンランド宮古まちづくり研究会を開催し、今回も森・川・海を活かしたまちづくりに関する素晴らしいヒントになるような多くの意見が出されました。

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出席者は、東京海洋大学から佐々木剛准教授、三輪研究員、水谷さん、藤沢さん、ニエタさん、有我さん、三浦さん、閉伊川漁協から袰野組合長、北村参事、いwて男女共同参画サポーターの伊藤さん、森・川・海MANABIネットワークシステムの板橋さん、環境カウンセラーの今橋さん、海洋政策研究所からは、大塚、藤重が参加しました。

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今回は下記のような意見が出ました。

*漁業で言えば、1月15日にシャケ漁が終わってから、サンマ漁の時期の間、春先にあがる魚としてサクラマスはぴったりである。

*やまめ(一部は海に下り、サクラマスに成長する)の放流は閉伊川漁協で行うが、実際にサクラマスをより多く獲るのは海の漁師。閉伊川漁協と宮古の3漁協はいい関係にあるので、サクラマスを通じて、川の漁師と海の漁師と交流事業ができるとよい。

*近年山の木がどんどん伐採され、海に行く栄養分が減っているように思う。ルールを決めて、海の牡蠣殻を砕き、山の栄養分とするのはどうだろうか。海の廃棄物も減るし、山川にとっては栄養となるよう、よい循環を作りたい。

*まちづくりについて、コミュニティづくりについて話し合い、大切なものを分け合うという精神を育成していきたい。

*この研究会に、市が入ってくれるとよい。

*教育が学校どまりになっている。大人になってからの教育、意識を高める教育も重要。

*水産物の輸入ものや他の地域のものを加工して売るだけではなく、地元のものを加工して売りたい。

*もっと生産者が潤うような流通システムにしたい。

閉伊川の源流を訪ねて [2016年05月17日(Tue)]
2016年5月21日(土)

サーモンランド宮古市。その中央を背骨のように流れる閉伊川の源流を探検しようという催しが行われました。盛岡市に隣接した山間部の宮古市区界(くざかい)。バス停の前には、「ビーフビレッジ区界」と書かれた大きな看板があり、酪農家の多い地区であることがわかります。集合場所となった区界高原少年自然の家は、1975年に盛岡市の野外体験学習施設として開所して以来、盛岡市の少年少女たちの登山や自然散策の拠点となっています。

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この日行われた「サーモンランドの源流探検」は爽やかな薫風に吹かれつつ、約2時間半、区界高原少年の家の指導主事兼社会教育主事補の梁瀬太志さんの自然と人に対する思いのこもったわかりやすい説明を聞きながら歩きました。

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ずっと長靴を履いて、流れを逆行するように登っていき、全長75.7キロで海まで注ぎ込んでいく川の水源地はどんなところか興味津々でしたが、「小さな清流が岩と岩の間の隙間から生まれ出ている」といった感じで、これがあの素晴らしく豊かな大河に成長するのか、と感慨深い思いがしました。

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宮古港(H26)マダラ水揚量日本一! [2016年05月09日(Mon)]
宮古港(H26)マダラ水揚量日本一!

冬期にちり鍋によく使われる真鱈。脂肪分が少なく、低カロリーなので、ダイエット食材として注目されており、消化・吸収もよいので、体調の優れないときの食事にも向いています。

この真鱈、2015年度の漁港別水揚げ第1位は、宮古市魚市場の8,702トン(水産庁の2015年度の水産物流調査による)と、宮古市のホームページで紹介されています。http://www.city.miyako.iwate.jp/suisan/madara.html

 
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真鱈の宮古市魚市場水揚げ量日本一達成は、単なる偶然ではなく、宮古市魚市場が高度衛生品質管理に早くから取り組んできた結果だとのことです。真鱈は鮮度落ちが速い魚で、宮古市魚市場は沖合の底曳き網漁業を中心に漁獲されていますが、それらの漁船に低温管理の徹底を指導して、厳格な品質管理を行ったことがこうした成果に結びついたようです。

 
尚、金額ベースでは、2015年度の宮古市魚市場の水揚総額は84億2,300万円ですが、魚種別水揚金額では、鮭が18億6,700万円で最も多く、やはり宮古はサーモンランド。次が真鱈で18億円とのことです。

サーモンランド宮古・森川海のまちづくり研究会 [2016年04月30日(Sat)]
2016年4月24日(日)

宮古市で「サーモンランド宮古・森川海のまちづくり研究会」を開催。参加者は橋本久夫いわてマリンフィールド理事長、飛鳥田克吉宮古湾カキ養殖組合長、畑山譲叶井産業振興公社施設長、伊藤エミ子いわて男女共同参画サポーター、水木高志さんりくESD閉伊川大学校事務局長、板橋麻里子森・川・海MANABIネットワークシステム事務局長、佐々木剛東京海洋大学准教授、水谷シモン東京海洋大学大学院生。そして笹川平和財団海洋政策研究所から古川恵太海洋研究調査部長、大塚万紗子特別研究員と藤重香弥子研究員が参加しました。

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今回の研究会では、出席者が「森・川・海とひとが共生するやすらぎのまち」宮古市における「まちづくり」につながるようなそれぞれがこれまでやってきたことやこれからやっていきたいことなどを語り合い、思いを共有しあいました。例えば・・・

*ヤマメ(一部サクラマスに育つ)の放流などを通して、海と川をつなげたい。

*海での遊び、川での遊び、山での遊びをつなげていきたい。

*海の関係者同士もつながっていきたい。漁業者と海で遊ぶ人たちがつながれるとよい。

*観光客に安全・安心の地場産品を売りたい。満足してもらうためには、一次産業からではなく、三次産業から降りていく発想が重要。

*地域のことを自分で感じる、体験することも重要。

*一人でも、まちづくりで骨をうずめる覚悟のある人がいるとまちは変わる。

*ネットワークというが、ネットはできてもなかなかワークができない。

*内発的価値をどう高めるかが課題。

*サーモンランドの付加価値を高める。ディズニーランドは世界にいくつもあるが、サーモンランドは世界で1つという誇りを持つことが重要。

*宮古の山間部の小学校では、女子の比率が高い。女子が将来戻って仕事をしたい宮古に。

*ゴミ問題。清掃するだけでなく、どんなゴミがあるか量と種類を記録する。森・川・海の管理に役立つ。

*ウニの「口開け(漁の開始日)」は「ひえ飯に生うに」という伝統がある。ひえ、あわ、など伝統食の見直しも重要。神楽飯=ひえ・とろろ=お囃子の音から命名。

*どんぐりを縄文時代から最近まで食していた。保存食として生きていた。

*どんぐりを使い、サーモンランドの形をしたクッキーをつくる。

*滝の魅力を見直す。滝めぐりツアーの実施。

*10月国体までにITを活用してアプリを作る。

*いろいろな人を巻き込んで、沿岸域を総合的に管理する大きな計画をつくり、共感できる報告書にまとめる。
(閉伊川)子供たちによる「ヤマメ」の稚魚放流会 [2016年04月28日(Thu)]
2016年4月24日(日)

宮古市の西側にある岩上山と兜明神獄の標高1,100メートルを超える鞍部に源流を有し、宮古湾に注ぎ込む延長88.2qの閉伊川。その流域面積は972平方キロメートルにもおよび、「サーモンランド宮古」を貫く背骨のように東に向かって流れ下ります。その比較的下流に近い千徳(せんとく)大橋のたもとで、この日、ヤマメの稚魚の放流が子供たちの手によって行われました。
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この稚魚は、ヤマメの生態を知る為に、東京海洋大学の佐々木剛准教授と大学院生たちが、閉伊川漁協のみなさんの協力のもと、2015年12月に蛍光塗料でマーカーをつけた調査用の稚魚たちです。(参照)https://blog.canpan.info/oprficm/archive/339 12月には数センチだった稚魚たちが立派に元気に育ち、20センチ近くにもなっているのを見るのは感動的でした。

閉伊川漁協のトラックで運ばれた稚魚たちの到着を楽しみにしていた子どもたちは、待ちきれずにトラックの荷台によじ登って歓迎です。ライフジャケットをつけた子どもたちは閉伊川漁協の袰野正一組合長さんたちから説明を受けた後、バケツの中からピチピチ跳ねる元気な稚魚たちを少しずつ川に放流しました。

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透き通った川にキラキラと光りながら泳いでいく稚魚達。海まで下ってサクラマスとして大きく成長して戻ってきてくれるでしょうか?目の横に蛍光色のマーカーのついたサクラマス(ヤマメ)を見つけたら、閉伊川漁業協同組合の北村氏、さんりくESD閉伊川大学校水木氏、東京海洋大学佐々木剛准教授までご連絡ください、とのことです。

岩手大、東京海洋大、北里大連携研究成果報告会 [2016年04月27日(Wed)]
2016年4月23日(土)

岩手県宮古市の宮古市民文化会館で岩手大学、東京海洋大学、北里大学が主催し、宮古市が共催して同3大学における水産業の復興に向けた研究成果の発表報告会が、宮古市民文化会館で開催されました。岩淵明岩手大学学長の主催者挨拶、大井誠司岩手県漁連代表理事会長の来賓挨拶に続き、1.漁業の部では、ホヤ・カキなどの養殖業、ワカメ産地間の成分分析、サケ類の遺伝子についてなど岩手県沿岸漁業に関する研究が発表されました。

2.加工・流通の部では、新たな水産加工食品の開発と商品化についてやブランド化について発表が行われました。
3.報告の部では、水産復興を担う人材の育成を目指した活動について報告が行われました。

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4.パネルディスカッションでは、これからの新たな漁業はどうあるべきかについて、宮古漁協、重茂漁協、田老町漁協の若手や漁協の若手がパネラーとして参加し、非常に興味深い活発な議論が行われました。

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最後に和泉充東京海洋大学副学長が閉会の挨拶をされたあと、記念公演として、非常に見応えのある黒森神楽が披露され、会場は素晴らしい伝統の力に魅了されました。
小浜とコラボ、宮古産「桜鱒のへしこ」 [2016年04月05日(Tue)]
2016年4月5日(火)

宮古市の川井産業振興公社の畑山譲施設長から「桜鱒(サクラマス)のへしこ」が送られてきました。宮古港で水揚げされるサクラマスはほとんど鮮魚で流通されるため、旬の時期以外は食べることができません。通年でサクラマスを食べられるように、と福井県若狭地方に伝わる鯖などに塩漬けしてから糠漬けにした発酵保存食品「へしこ」の製法を使って最近開発されたのが「サクラマスのへしこ」です。
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今回の商品は、小浜市の福井県立若狭高校海洋学科教諭の「へしこ博士」こと小坂康之先生の監修で若狭高校の生徒たちの協力により誕生したものだそうです。2014年の商品誕生までまる2年がかかったとのことです。

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とてもまろやかで美味しい新食品で、商品の色もパッケージも美しく、ほどよい大きさにほぐしてあり、食べやすさも工夫されています。
小浜市も宮古市も当財団の沿岸域総合管理のモデルサイトで、小坂先生は、小浜市海のまちづくり協議会メンバーでもあります。宮古市の沿岸域総合管理の牽引役でもある東京海洋大学の佐々木剛准教授を介して、沿岸域総合管理のサイト同士の素敵なコラボレーション商品です。

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