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田原隆雄備前市新市長を表敬訪問 [2017年07月14日(Fri)]
2017年7月13日(木)
海洋政策研究所の寺島紘士前所長(現参与)と角南篤新所長が、2017年4月に備前市長に就任された田原隆雄新市長を備前市役所に表敬訪問し、沿岸域総合管理「海を活かしたまちづくり」について意見交換を行いました。備前市は、2017年2月6日に「備前市里海・里山ブランド推進協議会with ICM」を発足させ、備前市総合計画、備前市まち・ひと・しごと創生総合戦略等の実践を沿岸域総合管理(ICM)の手法を用いてすすめています。

最初に寺島参与より、沿岸域総合管理が地域の活性化に役立つことをあらためて説明しました。田原新市長は「海を活かしたまちづくり」というのはいい言葉ですね、としっかりと受け止められ、その意義についても深い理解を示されました。
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これを受けて、備前市において「海を活かしたまちづくり」をどのように展開するかについてに話が及び、海に面した市や町にとって、山間部も生態系を共有している意味でも重要であることから、沿岸域総合管理は市・町全体を対象にしていること、沿岸域総合管理の施策は海洋基本法ならびに海洋基本計画に立脚していること、備前市は日本の沿岸域総合管理の先進的モデル地域であり、計画を立てた後は横串を通した実行が重要であること、できれば実行を担当する担当部署が新設されることが望ましいのではないか、など重要で具体的な点へと話が展開していきました。

市長からは、全体の方針を決める会議については広く持ち寄って横串を通し、全体を理解した上で実行については各部署で分担してもよいのではないかと意見を述べられ、備前市として沿岸域総合管理を実行していく全体的なしくみについて、忌憚のない意見交換が行われました。

また、バイオマスによる発電や、廃棄物を活用した再生エネルギーについての話題も共有されるなど、備前市での「海を活かしたまちづくり」プロジェクトに、市長としてリーダーシップを発揮してとりくみたい、と力強い言葉を戴きました。備前市における沿岸域総合管理の今後の進捗が楽しみです。
備前市ICM第1回専門委員会開催 [2017年03月24日(Fri)]
2017年3月23日(木)
2月6日に設立した備前市の海を活かしたまちづくりの協議会「備前市里海・里山ブランド推進協議会 with ICM」の第1回専門委員会が、備前市日生総合支所で開催されました。笹川平和財団海洋政策研究所からは、古川恵太海洋研究調査部長がアドバイザーとして、大塚万紗子特別研究員と藤重香弥子研究員がオブザーバーとして参加しました。
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冒頭に、協議会会長である備前市長室の今脇誠司室長が、里海・里山ブランドを推進していくには、ネットワークを活かすことが重要と挨拶されました。
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引き続き、事務局(備前市まちづくり部まち産業課)からこれまでの経緯・専門委員会の意義について、また協議会規約などについて説明と報告が行われ、その後議事に移りました。
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最初に役員の選出があり、委員長に備前市まちづくり部の中島和久部長、副委員長に備前市日生町漁協の天倉辰己専務理事が選出されました。専門委員は、下記のとおり幅広い分野のメンバーから構成されています。
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日生町漁協専務理事、伊里漁協組合長、岡山東農協課長代理、美作東備森林組合支所長、備前観光協会事務局長、備前市自治会連絡協議会会長、BIZEN食のアンバサダー、備前商工会議所女性会副会長、備前東商工会事務局長、協同組合岡山備前焼陶友会総務委員長、(公財)特別史跡旧閑谷学校顕彰保存会事務局長、八塔寺ふるさと村運営協議会会長、備前市観光ボランティアガイド協議会会長、備前市施設管理公社事務局長、古代体験の郷まほろば、華麗備前会、日生カキオコまちづくりの会、備前市農業委員会会長、備前市地域おこし協力隊、備前市まちづくり部長ほかで、アドバイザーとして、海洋政策研究所の寺島紘士所長、古川恵太海洋研究調査部長、NPO法人里海づくり研究会の田中丈裕理事・事務局長が参加しています。
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それぞれの委員から、さまざまな提案が活発に行われ、委員会での議論と出会いの中から、「里海・里山ブランド推進」に関し、お互いにさまざまな協力ができるという期待も高まり、今後の専門委員会での議論が楽しみです。また、2016年度の事業として、世界農業遺産に登録された石川県能登の里山里海の視察が予定されていることが報告されました。
地域をつなぐ里海・里山交流シンポジウム [2017年03月03日(Fri)]
2017年2月18日(土)
日生町漁業協同組合「海洋立国推進功労者表彰」受賞記念事業として、「地域をつなぐ里海・里山交流シンポジウム〜里海・里山ブランドとは?」が開催され、全国から多くの聴衆が岡山市のオルガ地下ホールに来場しました。主催は環境省、NPO里海づくり研究会議、日生町漁業協同組合、生活協同組合おかやまコープ、(公財)おかやま環境ネットワークで、後援が岡山県、備前市、真庭市、笠岡市、岡山市です。このシンポジウムは、2017年2月6日に設立・発足した「備前市里海・里山ブランド推進協議会 with ICM」の最初のイベントと位置づけられます。
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冒頭に環境省中国四国環境事務所の牛場雅己所長から開会のあいさつがあり、引き続き、基調講演IをされたNPO里海づくり研究会議副理事長の柳哲雄九州大学名誉教授は、「里海」の定義をされた方として有名ですが、現在「きれいで豊かな海」というのはどういう海か、というのを研究調査中とのことです。
基調講演IIは認定NPO共存の森ネットワークの澁澤寿一理事長が「里山から見た里海・里山ブランド」というタイトルで、所属されるNPOで行っている高校生による里山に生きる方々たちへの聞き書きの意義について、生きるための仕事・労働のあり方、心のあり方に触れることの重要さを話されました。自分の五感で暮らしを確認でき、自分の命が、生態系のどこに繋がっているかを絶えず自分で確認できる山村の暮らしでは、生きるリアリティがモラルを形成しているとのことでした。
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引き続き、松田治広島大学名誉教授がコーディネーターとなり、里海から、日生町漁協の天倉辰己専務理事、笠岡市漁協の藤井和平北木島支所長、恩納村漁協の山城正巳組合長、九州大学の柳哲雄名誉教授(NPO里海づくり研究会議副理事長)、」
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里山から、NPO共存の森ネットワークの澁澤寿一理事長、真庭市の吉永忠洋副市長、
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”まち”から、岡山市市民協働局ESD推進課の友延栄一主査、生活協同組合おかやまコープの大岸貴美子理事が、それぞれの立場から話をされ、ディスカッションが行われました。

備前市沿岸域総合管理協議会の設立総会および第1回推進協議会 [2017年02月08日(Wed)]
2017年2月6日(月)
備前市里海・里山ブランド推進協議会 with ICMの設立総会及び第1回推進協議会が備前市役所にて開催されました。
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2010年7月12日、日生町漁業の故本田和士組合長が、岡山県水産課の鳥居正也課長(当時)、備前市水産課の濱山一泰課長補佐(当時)、漁協の今川壱章氏とわざわざ当時の海洋政策研究財団に来訪され、「これからは、漁協も日生も備前市も変わっていかないといけない。沿岸域総合管理の導入を是非ともよろしく」と熱く語られたことが思い出されます。https://www.youtube.com/watch?v=l9tVYMzF3cg
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それから、県・市・漁協・漁業者たち・観光協会などの皆さんと研究会での議論を重ね、沿岸域総合管理研修会や、全国アマモサミット2016 in 備前の素晴らしい成果を経て、ようやくの協議会設立。その間、6年半が経過しましたが、日生町漁協のみなさんや、備前市役所やNPO里海づくり研究会議のみなさんの沿岸域総合管理にむけられた熱意は途切れることなく、共同研究者である海洋政策研究所としても、いつも励まされてきました。ここに協議会設立の日を迎えて、心から祝福したいと思います。
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推進協議会委員は、日生町漁業協同組合淵本重広組合長、伊里漁業組合奥中勉組合長、岡山東農協高原尚武専務、美作東備森林組合平井修二支所長、備前観光協会木村宏造会長代行、備前市自治会連絡協議会宇治橋昭彦会長、備前市市長室今脇誠司室長、備前市まちづくり部中島和久部長、備前市教育委員会教育部谷本隆二部長で、互選の結果、今脇市長室長が会長を務めることになりました。また、アドバイザーとして、笹川平和財団海洋政策研究所寺島紘士所長、同海洋研究調査部古川恵太所長、NPO法人里海づくり研究会議田中丈裕事務局長が指名を受け、備前市まちづくり部まち産業課が事務局を務めます。
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今後は、第2次備前市総合計画=資源を活かしたまちづくり=に沿って、里海・里山推進計画を策定、里海・里山ブランドの創生と発信、エコツーリズム、教育全般、協働推進などについて、備前市庁議、備前市議会、各種理事会、各種総会などに提案、また彼らからの連携・協力を得て、まちづくりに取り組んでいきます。推進協議会設置までに時間はかかりましたが、頼もしい推進協議会が誕生しました。
「備前市 里海・里山ブランド推進協議会(仮称)」発足決定 [2016年11月09日(Wed)]
2016年10月25日(火)
備前市で6月3日〜5日に開催された「第9回全国アマモサミットin 備前」の実行委員会と幹事会の合同会議が行われ、実行委員会の同日付解散とともに、サミットで得た知見や人的ネットワークを基に備前市で沿岸域総合管理をすすめる母体としての「備前市 里海・里山ブランド推進協議会(仮称)」を発足させる方針を全会一致で決めました。
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このことは、山陽新聞でも写真入りで「本年度に新協議会」と、次のように報じられました。
「市によると、市や同漁協、商工団体といった実行委の山間部でまちづくり活動に携わる団体などで組織。里海・里山づくりに向けた計画策定、環境教育、地域資源を生かしたブランド産品の発掘などに取り組んでいく予定。」
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会議では、共同作業を共に行うことが人と人を近づけるという考え方から、備前焼などの備前ブランドを里海づくりに活かす方法など、早くも具体的なアイデアがいくつも提案されました。
備前市教育委員会訪問 [2016年11月08日(Tue)]
2016年10月25日(火)
わが国の海洋基本法は、国民が海洋についての理解と関心を深めることができるよう、学校教育における海洋に関する教育の推進を謳っています。また、首相は、2016年7月、「海の日」の内閣総理大臣メッセージで、海洋教育の取組を強化していくために、「ニッポン学びの海プラットフォーム」を立ち上げ、2025年までに、すべての市町村で海洋教育が実践されることを目指す、と宣言しました。

海洋政策研究研究所は、日本財団、東京大学海洋アライアンスと共同で、学校における海洋教育の面的な広がり、質的な向上を図ることを目的とした新しい助成制度「海洋教育パイオニアスクールプログラム」をスタートさせました。https://www.spf.org/pioneerschool/application/index.html
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備前市訪問の機会を捉えて、備前市教育委員会を訪問、同プログラムの紹介をさせて戴きました。
申請受付期間が、2016年10月20日から11月30日までですので、このブログを見られた教育関係者におかれましては、ホームページをご確認の上、奮ってご申請ください。

(ICM映像)全国アマモサミット [2016年09月02日(Fri)]
2016年6月5日

全国アマモサミット2016in備前の2日目の後半は全国各地でアマモ場再生に取り組む人々の報告に始まり、サミットを契機に地域ブランドを創造する備前市の意気込みが語られました。そして最後に同サミットの大会宣言が発表され、2017年の志摩市での再会を約して幕を閉じました。

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全国アマモサミット2016 in 備前
大会宣言

私達は、日生の漁師たちによる
30年以上にも及ぶアマモ場再生活動を振り返り、
あきらめることなく続けることの大切さを知ることができました。

そして地道な努力の継続によって得られた成果こそが
大きな感動を生み、地域を越えて、
世代をつないで活動の輪を広げることを学び、
これから歩むべき道を考えることができました。

私達は、全国津々浦々の如何に多くの場所で
海を守るために、どれだけ多くの人たちが
様々な活動に取り組んでいるかを知ることができました。

そして、色々な立場や職業の人たち、
小学生・中学生から高校生、大人に至るまで、
あらゆる世代の人達が、海を大切に思い、
団結し努力していることを知ることができました。

私達は、海が健全であり続けるためには、
森・里・川・海のそれぞれにおいて、
人が生きていくための営みを保ちながら、
人々が暮らしを通じて適切に関わり、
水を介した森里川海の繋がりを維持することが大切であり、

そして、これを守るためには、里海と里山とまちが
人とものの流れで結ばれることが大切であることを学びました。

私達は、地球生態系のなかで生かされ、
地球生態系は大きな物質循環の中で維持されています。

水を介した森里川海の流れの終結点は海ですが
漁業という営みを通じて人が関わることで
海から陸への回帰循環が生み出されます。

人は、自然の営みに頼らなければ生きていくことはできません。
そして、自然を守り育むことこそ人が生きていくための道筋です。

私達は、“全国アマモサミット2016 in 備前”を契機として、
私達の未来そのものである若者を育て応援します。

備前の歴史をつむぐ五感に訴える食の文化を継承し、
訪れる人をもてなします。

「よーまー」なおばさん、互いに家族のような関係で
「オセ」になる日生の懐の深い人の繋がりを礎に…

そして全国のまち・学術・NPOのネットワークをさらに広げ、
里海・里山・まちが繋がる
「備前発!里海・里山ブランド」を必ずや確立して発展させ、

自然と人が共存するための有るべき姿を実現し、
国内外に広く発信し続けることをここに宣言します。

(ICM映像)全国アマモサミット2016in備前(3) [2016年08月30日(Tue)]
2016年6月3日〜5日
全国アマモサミット2016@備前市が開催されました。延べ2000人以上が参加、多くの参加者を感動させたこのイベントは、先般、日生町漁協が推進功労者表彰を受賞した理由の一つにもなりました。その中で行われたシンポジウムの様子を映像でまとめましたのでご覧ください。日生中学校卒業生の高校生2人が漁師、漁業組合、前組合長夫人から興味深い話を上手に引き出しています。

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備前市日生(ひなせ)漁協が第9回海洋立国推進功労者章表彰を受賞 [2016年08月26日(Fri)]
2016年8月25日(木)
首相官邸で第9回海洋立国推進功労者表彰の授賞式が行われました。海洋に関する顕著な功績の自然環境部門で受賞したのは、海洋政策研究所と「海を活かしたまちづくり」をすすめている備前市の日生町漁業協同組合です。日生町漁協の皆さんは、アマモ場の再生を30年以上に渡って取り組み、市民や次世代を次々と巻き込むほどのその熱意がほぼ全滅しかけていたアマモ場を250haにまで回復させました。(参考映像:https://www.youtube.com/watch?v=EpOBsiXLXXo&feature=youtu.be
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表彰式のあと、日生町漁協の淵本重廣組合長、天倉辰己専務理事、今川壱章氏が備前市まちづくり部の橋本誠二氏と合流して海洋政策研究所を訪問、今後のまちづくりなどについて、寺島紘士所長らと意見交換しました。
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今後、この素晴らしい功績の延長線上に備前市の「海を活かしたまちづくり」がどのように展開されていくのか楽しみです。

今回の表彰にあたっての功績事項をあらためて下記に記しておきます。
1. 日生町漁業協同組合は、昭和60年から30年もの長きにわたり、アマモ場の再生活動を継続してきた。活動を開始した頃、アマモの再生に係る知見は限られていたが、漁業者や県水産試験場による多くの試行錯誤の結果、一時は12haまでに減少した日生町地先のアマモ場を、約250haまで回復させることに成功した。
2.日生町漁業協同組合のアマモ場再生活動は全国の先駆けとなる取組であり、日生町は「里海づくり」の聖地として注目を集めている。近年では、漁業者だけでなく、消費者団体や次世代を担う生徒・学生たちもアマモ場再生活動に参加するなど、活動の輪は新たな広がりを見せており、国内さらには世界各国においても模範事例として紹介されている。
3.平成28年6月には、活動の節目として「全国アマモサミット2016in備前」を開催し、地域、世代を超えてさらなる活動の発展を目指している。
(ICM映像)備前アマモサミット2 [2016年07月18日(Mon)]
2016年6月4日(土)
第9回全国アマモサミット2016in備前の2日目。オープニングセレモニー、基調講演に続いて行われた備前市立日生中学校生徒たちによる演劇「海に種まく人々」は、全国各地から集まってきた観客に大きな感動を与え、上演から一ヶ月を経た現在でも、「日生(ひなせ)と聞くと、劇のことが思い出され、自然に感動で胸がいっぱいになってしまう。」という言葉を小浜市、志摩市、そして東京でも聞きました。
これは、日生の海でアマモ場の再生に取り組んだ実在する地元の漁師さんたちの話であり、この映像では、観客として会場で見ている漁師さんたちも写っています。また、30年前、最初にアマモ再生活動を始めた故本田和士前組合長の生前の映像も入れて、編集してありますので、是非、ご覧下さい。
(写真をクリックすると映像がご覧になれます)
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