2016年3月1日(火)午後。
人口約2,350人の西表島から約370人の竹富島へ、左に小浜島、右に黒島を見ながら海上を約30分で移動。人口約210人の黒島は、子牛が約3,000頭を飼育されており、2月の牛まつりの一等賞は牛一頭とのこと。

竹富島では、人気のリゾートホテルである「星のや竹富島」の吉田裕之支配人と足立淳ファシリティーマネージャーに話を聞きました。客層は30〜40代が年間平均50%強と最も多く、夫婦・カップルが約4割、平均泊数は1.79泊、国外客比率は5~10%、とのことでした。石垣島との交通距離は船で10分と近く、「星のや」の従業員の多くは石垣島に在住しており、早朝や夜に特別チャーター便を運航してもらっているそうです。最近では、竹富島の住民の方々もこのチャーター便を利用できるようになっています。従業員と地区公民館組織や島民とのコミュニケーションの場として、公民館の月一回の定例会や古謡・民具づくり教室、青年会のスポーツイベント、浜の清掃活動への参加や連携アクティビティなどがあげられました。

NPOたきどぅんは竹富島の港のそばの展示館「ゆがふ館」を運営していますが、職員の阿佐伊拓氏によると、竹富島の先祖たちが伝統の中で作り上げてきたモノやコトを大切にし、それを引き継ぐ後継者を育てること、訪問者や新しい定住者にもそれを感じてもらえることを大切に活動しているとのことでした。
2016年3月2日(水)
石垣島にある竹富町本庁で渡航会社である安栄観光の平安名浩文統括部長・運航管理者および竹富町観光協会の井谷信吾事務局長に話を伺いました。平安名氏によると、以前は航空券・船・食事等をセットで購入する人が多かったのですが、今はそれぞれをネット予約して、別々に頼んでくるようになったそうです。10月〜3月は東北からの団体が多いとのこと。波照間航路は外洋に出るので欠航率は高いのですが、リーフに囲まれているところは台風以外は欠航しないなど、航路によって条件も異なるとのこと。2013年に新石垣空港が出来てから顧客が70万人から125万人に増加、港も整備されたという。多言語化が必要だが、簡単には覚えられないので、チケット販売機の多言語化するなどで工夫しているそうです。

竹富町観光協会の井谷信吾事務局長は、2007年から「島学校プログラム」に取り組み、地域における自然環境や歴史文化など地域固有の魅力を発信、体験してもらっているとのことでした。協会内に「西表島世界自然遺産研究会」を立ち上げ、登録後に直面するであろう課題について知床など先進地から講師を招いて勉強会をしているそうです。島々で課題の共有があまりなされていない、とのことですので、世界自然遺産登録に向けて早急に沿岸域総合管理の協議会を立ち上げ、情報共有や共通のルールづくりなどを行う必要があることを確信した訪問調査となりました。