2013年10月1日。
志摩市で開催されたPNLG Forum 2013。「東アジアの沿岸総合管理に関するワークショップ」午後のセッションでは、海外各地域からのプレゼンテーションが行われました。4番目のプレゼンテーションは中国・ドンイン市から。「入り江保全と沿岸生態系保全のための海洋保護区の持続的な管理」というタイトルで、中国水産海洋局のリュウ・ペイ氏による報告がおこなわれました。
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中華人民共和国・山東省の黄河デルタに位置するドンイン(東営)市。「野鳥の天国」「中国で最も魅力的な湿地」と評される国立黄河デルタ自然保護区があり、国の指定する「黄河デルタ地域の高効率生態経済区」「山東省ブルーエコノミーゾーン」に含まれています。
2011年に、中央政府による沿岸エコシステム再生プログラムが発足したのを機に、5ヵ所の特別海洋保護区が協力して能力開発活動のための助成金を獲得、管理手法の向上などスタッフの能力を高めるとともに、PEMSEAと国家海洋局との契約成立を皮切りに、沿岸域総合管理の実践に踏み出しました。また、2010年には、PEMSEAの指導を得て「沿岸域の状態(State of Coast)」報告書と「ドンイン沿岸域戦略」を作成し、「ドンイン市 社会・経済開発5カ年計画」にその内容を反映させました。
将来的には、海洋保護区の研修実施、利害関係者間の相互発展モデルの確立、監視と管理、ネットワークの確立などを展望しているというドンイン市の報告は、開発と保全のバランスの中で持続可能な道を探っていくという前向きな意欲に溢れたものでした。