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海洋政策研究所ブログ

海洋の総合管理や海事産業の持続可能な発展のために、海洋関係事業及び海事関係事業において、相互に関連を深めながら国際性を高め、社会への貢献に資する政策等の実現を目指して各種事業を展開しています。


Ocean Newsletter No.608発行 [2026年08月20日(Thu)]
No.608(特集:資源・エネルギー)が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
海洋に関する総合的な議論の場を皆様に提供するものです。 
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●ホルムズ海峡封鎖に関する国際法上の論点〜戦時の海洋における国際法の順守と逸脱〜
慶應義塾大学SFC研究所上席所員、元海上自衛隊海将補◆中村進

現在のイラン戦争において、イランは国際法を全く無視しており、ロシアやイスラエルと同様に国際法を無価値化させたような論調が多くみられる。しかし、イランの措置を詳細に分析すれば一部に国際法に従おうとする態度も見受けられる。一方の米国についても厳密な国際法から見れば疑問視される措置があるが、何とか国際法との整合を図ろうとする態度が窺える。こうした両国の態度から、秩序維持の基準としての国際法の存在意義を確認する。

●南鳥島レアアースの潜在力と商業化への課題
笹川平和財団安全保障・日米グループ主任研究員◆小林祐喜

2026年2月、(国研)海洋研究開発機構(JAMSTEC)の科学掘削船が、日本の最東端・南鳥島沖の水深5,700m付近からレアアースを含む泥を回収することに成功した。レアアースについては、採掘や精錬で国際市場を支配する中国が輸出規制を強め、自動車生産の一時停止を余儀なくされるなど影響が広がっている。南鳥島沖でのレアアースの安定採掘に期待が高まるが、本土から遠く離れた離島で、かつ海底約6,000mでの事業は成功するのか。事業化に向けた課題や展望について考察した。

●海洋深層水の複合利用と地域振興
沖縄県島尻郡久米島町副町長◆中村幸雄

沖縄本島の西約100kmに浮かぶ久米島。この島では四半世紀にわたり、海洋深層水という地域資源と向き合い、研究を重ね、産業を育て、人を育みながら、未来への挑戦を続けてきた。その歩みはやがて「久米島モデル」と呼ばれるようになり、いまや日本の離島から世界の島嶼地域へと静かに広がり始めている。

●豊かな森林は豊かな海を育む〜地域資源を生かす循環型素材の社会実装〜
福岡県議会議員◆原田博史

日本近海では海洋プラスチック流出の多くが陸域に起因し、山側では人工林の高齢化や放置竹林の拡大が進んでいる。海と山は流域を通じてつながっており、課題は一体で捉える必要がある。本稿は、こうした全体像を示す総論として、未利用バイオマスの素材化と竹資源を活用した陸上養殖の可能性を示し、後続稿で扱う具体的展開への導入を試みる。

●陸から変える、海洋プラスチック問題〜放置竹林から生まれるバイオプラスチック〜
九州工業大学大学院生命体工学研究科准教授、グリーンマテリアル研究センター長◆安藤義人

深刻化する海洋プラスチック汚染と、九州・山口地域で拡大する放置竹林問題。一見かけ離れたこれら2つの課題を同時に解決する鍵が、未利用バイオマスを活用した生分解性プラスチックの開発である。本稿では、環境負荷を大幅に抑えた革新的なセルロース抽出技術と抽出素材を熱可塑化する独自の素材化技術を紹介し、陸と海をつなぐ新たな地域資源循環モデルの展望を示す。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所上席研究員◆塩入同

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Ocean Newsletter No.607発行 [2026年07月21日(Tue)]
No.607(特集:海と生活)が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
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●新たな防災気象情報の運用開始
気象庁大気海洋部気象リスク対策課沿岸防災情報調整官◆川口和哉

気象庁では、高潮警報等を含む新たな防災気象情報の運用を開始し、警戒レベル2〜5に対応した住民の避難行動等との関連を明確にして発表することとした。併せて、潮位予測に波の打上げ高予測を加えた高潮予報や、新たに時系列情報等の運用も開始した。これらにより、高潮浸水被害からの的確な避難の判断など、高潮警戒・避難体制の一層の充実・強化を図っていく。

●日本の海難救助の歴史と今後の展望
(公社)日本水難救済会理事長、元・第三管区海上保安本部長◆遠山純司

四面を海に囲まれたわが国にとって、海は経済、産業、安全保障上、重要なフィールドとなっている。一方で、わが国周辺海域では、厳しい気象・海象や過密な船舶交通などが原因となって、これまで多くの海難事故が発生してきた。このため、わが国では、事故による教訓に基づき、官民一体となった海難救助体制が確立され、24時間、365日、海で貴い命を救うための対応がなされている。

●市民と歩む海洋文化遺産プロジェクト
神戸大学大学院海事科学研究科附属国際海事研究センター准教授◆中田達也

神戸大学国際海事研究センター(IMaRC)は、2023年度から5年間、文部科学省研究開発局海洋地球課のもと、「市民参加による海洋総合知手法構築プロジェクト」の委託研究機関として採択された。本事業は、市民が自主的に海に関心をもつようになるには、どのような手法が汎用性をもって実現できるかという「手順書」を明文化することが目的である。事業の前半を終え、後半に入ろうとする今、海洋文化遺産と市民科学を考える。

●「拾う」から「社会を変える」へ
〜手取川調査から始まった環境探究学習〜

金沢大学附属特別支援学校教諭◆吉岡学

海岸清掃で感じた「拾っても変わらない」という無力感を出発点に、生徒たちは身近に存在する手取川流域のごみを調査・分析し、原因を探究した。その学びは、使用済み文具リサイクルなど社会への提案と行動へ発展した。本実践は、知的障害のある生徒が環境問題の受け手ではなく、根拠をもって社会を動かす主体となり得ることを示した。

●Z世代と明日の海を語る
〜海洋課題をテーマにした教科書を同世代に届ける〜

学生団体Blue Campus(高校2年生)◆中島想羽

学校教育の中で海について学ぶ機会は極めて少ない。しかし、同世代の友達に海について話すと意外にも興味を持ってくれる子が多く、海に関心を持つ子どもたちは私たちの他にも確かに存在することを経験を通じて実感した。私たちBlue Campusは、中高生が同世代に向けて「海の教科書」を制作し、届けるという取り組みを通じ、「同世代から同世代へ」という視点で海への接点を生み出そうとしている。原体験からアクションへとつなげる、新たな形の海洋教育に挑戦した。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所所長◆牧野光琢

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Ocean Newsletter No.606発行 [2026年06月22日(Mon)]
No.606(特集:ブルーエコノミー)が完成いたしました。

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●海洋生物の再生に向けた原動力としての「海洋自然資本」
アブドラ王立科学技術大学特別教授◆Carlos M. DUARTE

産業革命以降、人類活動により海洋生態系は大きく損なわれ、海洋自然資本(Blue Natural Capital)の約半分が失われたと推定されている。しかし近年、生物多様性保全と気候変動対策を統合した自然活用による解決策に注目が高まっている。特にマングローブや海藻などのブルーカーボン生息地は、気候変動の緩和と沿岸生態系の回復に同時に貢献する。ブルーカーボンは、海洋を再生可能な共有資産として捉え直し、持続可能な社会への移行を支える重要な戦略である。

●インパクトファンドが拓く新しい海洋経済
(株)UMITO Partners代表取締役◆村上春二

ネイチャーポジティブは理念から実装段階へ移行し、金融は自然資本を資本配分の中核に据え始めた。世界のインパクト投資市場は2030年に向けて約2倍規模への成長が見込まれ、海洋・自然分野は主要な成長領域となりつつある。本稿では市場動向と具体事例を踏まえ、海洋分野におけるインパクト投資の有用性と実装の要点を整理する。

●消えゆく海藻の森に導かれて
映画監督◆長谷川友美

日本各地の沿岸で、海藻の森が静かに姿を消している。映画『ここにいる、生きている。〜消えゆく海藻の森に導かれて〜』は、磯焼けと向き合う人々を2年かけて全国で記録した作品だ。2025年1月の公開から約1年で観客数は累計1万人に迫る。学校単位で映画のハイライト版を無償提供する「うみもりバトン」で、海の未来を次の世代へ手渡したい。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任研究員◆黄 俊揚

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Ocean Newsletter No.605発行 [2026年05月25日(Mon)]
No.605(特集:水産)が完成いたしました。

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●海の恵みを活かしきる〜漁業系廃棄物の行方〜
大東文化大学経済学部特任教授◆山下東子

水産物を食べたあとの残滓は日本では民間ベースで適正に処理されており、魚アラでは70%以上が、広島県のカキ殻では100%が回収・再利用されている。魚アラの主な用途は魚油・魚粉だが、それ以外にも食用・医療用など多様である。貝殻もまた、土壌改良剤・建設用資材だけでなく、サプリ・鶏の餌・養殖用資材など多様である。日本で実践されている水産加工残滓の自立循環を世界にアピールすることが望まれる。

●ウニから始まるSDGs〜「積丹方式」によるウニ増殖とブルーカーボン創出〜
北海道積丹町農林水産課水産業技術指導員◆水鳥純雄

北海道積丹町では、主要産業であるウニ漁業の安定生産・供給のために、藻場の造成を始めた。ウニ殻肥料を使った循環型システムは多様な効果を生み、造成藻場のブルーカーボン機能によるカーボンオフセットも実現した。本稿では、海の森づくりを核とした漁村のにぎわいを創出する「海業」による地方創生事業と、漁業・漁村の活性化ビジネスモデルの構築について紹介する。

●サーモン陸上養殖と地域資源の融合〜陸から拓く新たな海洋ガバナンス〜
九州栄養福祉大学教授◆大庭英樹

地球温暖化や海洋環境の変化により、水産資源の持続的利用が世界的課題となる中、閉鎖循環式サーモン陸上養殖は、環境負荷を抑えた新たな食料供給モデルとして注目されている。本稿では、「森林・里山を含む陸域環境が海を支える」という視点に基づき、日本および北九州地域における陸上養殖の動向と課題を整理し、再生可能エネルギーや放置竹林など地域資源と融合した循環型モデルの可能性を示す。さらに、陸上養殖を起点とした「陸から海を守る」海洋ガバナンスの展望を提示する。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所上席研究員◆屋繁樹

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Ocean Newsletter No.604発行 [2026年04月20日(Mon)]
No.604(特集:アジアの海)が完成いたしました。

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●渡り鳥が結ぶアジアの沿岸生態系と国際保全ネットワーク
北海道大学大学院博士後期課程(日本学術振興会特別研究員DC1/豪州クイーンズランド大学)◆清水孟彦

東・東南アジアからオセアニアにかけての地域は、多くの水鳥種の渡りルートになっている。しかし、20世紀以降の沿岸地域での開発など人間活動の影響により、生息地である沿岸湿地が失われ、水鳥の数は大きく減少している。こうした状況を受け、18カ国が連携し、政府や市民団体などさまざまな主体が協力しながら保全活動を進めている。それでもなお、失われた湿地や水鳥の回復には、さらなる取り組みが必要である。

●故郷の海からアジアの海へ
〜ユースの対話と実践がつなぐ海洋プラスチック問題への挑戦〜

九州大学大学院生物資源環境科学府1年、海洋環境学生団体maiPLA会員◆室原一仁

幼少期の原体験を起点に、九州北部を拠点に活動する海洋環境学生団体「maiPLA」での活動に至る歩みを紹介する。国境を越えて流れ着く漂着ごみを、漂着地が処理せざるを得ない構造的課題に向き合い、現場の清掃と東アジアのユースとの国際連携を展開。知識の共有に留まらない「国境を越えた信頼関係」の構築と、次世代への価値観の継承こそが、問題解決の鍵となる。

●アジアから世界へ:ANEMONE Globalの挑戦
東京大学大気海洋研究所准教授◆峰岸有紀

生物多様性の損失を止め、回復へ転じさせるという2030年目標まで、あと4年。私たちはいま、その達成の正念場を迎えている。自然資本を再生しながら成長するネイチャーポジティブ社会への変革を目指す上で、生物多様性情報は必要不可欠である。本稿では、その生物多様性情報を生み出す情報インフラの一例として、環境DNAによる生物多様性国際観測網「ANEMONE Global」を紹介する。

●編集後記
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所所長◆牧野光琢

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Ocean Newsletter No.603発行 [2026年03月26日(Thu)]
No.603(特集:南極の海・北極の海)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●氷の下に眠る未来の海:Antarctic RINGSが開く新たな世界
ノルウェー極地研究所主席研究員◆松岡健一

南極氷床の基盤の約半分は海面下にあり、温暖化に伴う氷床後退は新たな海域の出現をもたらす。しかし氷床下地形の大規模な空白が将来予測の最大の不確実性の一つとなっている。SCAR(南極研究科学委員会)とCOMNAP(南極観測実施責任者評議会)が進めるAntarctic RINGS(南極の輪)は、各国のもつ観測資源を有機的に組み合わせ、この欠落を埋め、未来の海を探る、国際的な枠組みである。

●南大洋の炭素循環研究と長年の宿題
東京大学大気海洋研究所教授◆原田尚美

第33次南極地域観測隊(1991〜1992年)で南大洋にてセジメントトラップ係留観測を行ったが、機器の亡失により成果を出すことは叶わなかった。34年後、研究費を獲得し、若手研究者らの協力の下、第66次隊(2024〜2025年)で、第33次は開発されていなかった新たなセンサー類とともにセジメントトラップ係留システムの設置に成功した。第67次隊(2025〜2026年)で回収されてくる予定であり、東南極南大洋の炭素循環の新たな描像を捉えることを目指している。

●北極域研究強化プロジェクトArCS III
東京大学大気海洋研究所教授、国立極地研究所客員教授、ArCS IIIプロジェクトディレクター◆羽角博康

日本における北極域研究のフラッグシップ・プロジェクトArCS IIIが2025年4月に開始した。本稿では、日本におけるこれまでの北極域研究プロジェクトの流れと特長を概観した上で、それらをArCS IIIにおいてどう発展させるか、そのためにどのような取り組みを実施するかについて紹介する。

●北極海航路の経済モデルの実現可能性
フリチョフ・ナンセン研究所上席研究員◆Arild MOE

北極海航路(NSR)は、航海日数を短縮できる潜在力を持つ一方、その経済モデルは深刻な課題に直面している。ロシアは資源開発と連動した航路整備を進めてきたが、西欧制裁や財政制約により投資の見通しは不透明となった。近年は中国との輸送が増えているものの、国際海運全体での利用拡大や持続的な資金確保は依然として困難である。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所研究員◆幡谷咲子

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Ocean Newsletter No.602発行 [2026年02月20日(Fri)]
No.602(特集:島、離島)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●太平洋島嶼諸国─地域連帯化組織PIFの行方
大阪学院大学国際学部教授、太平洋諸島学会会長◆小林泉

太平洋諸島フォーラム(PIF)は近年、組織運営や域外国との関係をめぐり不安定さが目立っている。本来PIFは、島嶼諸国が地域課題を協議し国際社会に発信する場として生まれたが、近年は豪州・NZの主導で「地域統合」が強調されてきた。しかし島嶼諸国の多様性を踏まえれば、統合よりも協議体としての存続こそが現実的である。

●東京大学海洋アライアンス 沖ノ鳥島・小島嶼国プログラム
東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻特任研究員◆茅根創

沖ノ鳥島と太平洋の環礁小島嶼国は、生物が国土を形成してきたという共通の基盤を持ち、海面上昇による水没の危機に直面している。国土を持続的に維持するためには、サンゴや有孔虫などの生物機能を活かす生態工学的対策が不可欠である。東京大学海洋アライアンスの沖ノ鳥島・小島嶼国プログラムは、産官学を横断する枠組みのもとで研究と行政の往還を図り、NbS(Nature-based Solution) を先取りする国土維持モデルの構築とその社会実装を目指している。

●離島航路の現状と課題
九州産業大学地域共創学部地域づくり学科准教授◆行平真也

離島航路は本土と離島、または離島相互を結び、住民の移動や生活物資の輸送を担う重要な交通手段であるが、航路利用者の減少や船員不足など、離島航路を取り巻く環境は大変厳しい状況にある。特に近年、航路運営事業者の撤退や航路の休止、減便など、その影響が顕在化している。

●琉球から東南中国へ、島の考古学の魅力
琉球大学国際地域創造学部教授◆後藤雅彦

琉球列島の南には台湾、その対岸の東南中国沿海地域にも多くの島々が存在する。これらの地域は、貝塚の継続期間が長く、稲作の導入と定着には地域によって時間差が認められる。「弥生時代の琉球列島はなぜ稲作農耕を受け入れなかったか」という問題に対して持続と再生の両側面を示す「島の生活誌」の中で捉えることが必要である。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所島嶼国・地域部部長◆塩澤英之

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Ocean Newsletter No.601発行 [2026年01月20日(Tue)]
No.601(特集:海ごみ)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●全球規模における海洋プラスチックの動態に関する研究
九州大学応用力学研究所海洋プラスチック研究センター教授◆磯辺篤彦

川を経て海に至ったプラスチックごみは、劣化と破砕を経てマイクロプラスチック(MP)へと変化する。海底底質コアからの検出は、海水よりも比重の小さな素材でも、生物膜の形成など生物過程を介して海底へ沈降することを示唆する。北太平洋の亜表層で多層採取した海水からは、長径が数百μm以下の微細MPが数千個/㎥のオーダーで検出された。生物過程で比重が増し中性浮力近くになったものは、長期にわたって海中を漂うらしい。

●瀬戸内海から世界へ〜海洋ごみ対策の羅針盤「瀬戸内オーシャンズX」〜
笹川平和財団海洋政策研究所上席研究員、前)日本財団・瀬戸内オーシャンズXプロジェクトリーダー◆塩入同

日本財団と瀬戸内4県による「瀬戸内オーシャンズX」は、日本最大級の閉鎖性海域を舞台に、実践に基づくエビデンスベースの海洋ごみ対策を展開し、知見を蓄積してきた。行政の縦割りを越え、専門技術と地域の連携により物理的・経済的・制度的課題を克服するそのプロセスは、総合的な管理が求められる海洋・沿岸域の問題に実効性ある解決策を提示し、世界の海が抱える課題解決への確かな針路を示すものと期待される。

●プラごみ汚染を減らすためのアプローチ
(国研)国立環境研究所資源循環社会システム研究室室長◆田崎智宏

プラスチックごみ汚染の国際ルールの交渉はなかなか進まないが、対策の手を緩めることは将来世代へのツケ回しとなる。対策は@消費を減らす、A流出抑制する、B代替する、の組み合わせになるが、AとBは政策と技術の役割が大きい。有効な@のために、「計る−気付く−減らす−みんなで取り組む」というアプローチを概説する。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所所長◆牧野光琢

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Ocean Newsletter No.600発行 [2025年12月22日(Mon)]
No.600(特集:気候変動と海)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●1.5℃と2℃の違いと気候変動の見通し
(公財)地球環境戦略研究機関研究顧問◆甲斐沼美紀子

気温上昇が1.5℃から2℃へ進むわずか0.5℃の違いが、社会や生態系に大きな影響を及ぼす。海は人間活動が生んだ熱の90%以上を吸収し、陸上の気温上昇をある程度抑えてきた。一方で、海洋循環の弱化や極域の氷床融解など、「海に潜むティッピング・エレメント」が相次いで指摘され、私たちの未来に深刻な警鐘を鳴らしている。

●日本の気候変動2025〜大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書〜
気象庁大気海洋部環境・海洋気象課大気海洋環境解析センター調査官◆笹野大輔

気象庁は文部科学省と共同で、最新の観測結果や科学的知見を取り入れた『日本の気候変動2025』を公表した。国や地方公共団体等の気候変動対策や影響評価において基盤情報(エビデンス)として利用されることを主な目的としたものである。本稿では、『日本の気候変動2025』の概要等に加え、今回新たに掲載した、海洋生態系への影響が懸念される「貧酸素化」に関する情報を紹介する。

●黒潮大蛇行終息が意味するもの
(国研)海洋研究開発機構アプリケーションラボ主任研究員◆美山透

黒潮大蛇行は日本南岸で発生する大規模な海流の蛇行現象であり、2017年8月から2025年4月まで約7年9カ月続いた。これは過去最長の大蛇行となった。大蛇行の発生は気候や海洋生態系、漁業に広範な影響を及ぼし、沿岸水温の上昇による海洋生物資源への影響が報告されている。また、海洋熱波による蒸し暑い夏や降水量増加など、天候への影響も確認された。大蛇行終息により、今後の生態系や漁業資源の回復が期待されるが、温暖化の進行で楽観はできない。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所海洋政策実現部部長◆渡邉敦

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Ocean Newsletter No.599発行 [2025年11月20日(Thu)]
No.599(特集:海洋汚染とジオエンジニアリング)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●ロンドン議定書における海洋地球工学に関する議論
日本エヌ・ユー・エス(株)環境事業本部環境調和ユニット◆大河内優美
日本エヌ・ユー・エス(株)シニアアドバイザー◆岸本幸雄

ロンドン議定書は廃棄物の海洋投棄を原則禁止しつつ、例外的に二酸化炭素(CO2)など特定の廃棄物については許可の下で投棄を認める国際条約である。本稿では、CO2の海底下地層への貯留および海洋地球工学(ジオエンジニアリング)に関する改正内容や近年の議論の状況について紹介する。また、これらの分野における今後の課題についても述べる。

●海洋の二酸化炭素吸収能力の強化技術とは
(国研)海洋研究開発機構地球環境部門上席研究員◆本多牧生

大気の約60倍の二酸化炭素(CO2)貯蔵能力をもつ海洋は、地球上のCO2濃度を調整する役割を果たしてきた。しかし、産業革命以降、自然の貯蔵力を超える量のCO2排出が続き、地球沸騰化とも呼ばれる状況を招いている。本稿では、積極的な温暖化緩和策の一つとして、もともと高い海洋のCO2吸収能力を人為的にさらに高めるための技術(mCDR)を紹介する。

●医薬品による河川・海洋の汚染〜生態系への影響は?〜
長崎大学海洋未来イノベーション機構 機構長/教授◆征矢野清

われわれは、日常の中で多くの医薬品を使用している。これらの医薬品は、下水処理場を通して水域に放出されており、そこに暮らす生物に影響を及ぼすことが明らかになりつつある。中でも神経系に作用する医薬品は、魚類の行動や繁殖に異常を引き起こす。医薬品は、人々の健康維持に欠くことができないことから、その生物影響を正しく理解し、共生のあり方を考える必要がある。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任◆藤井麻衣

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