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海洋政策研究所ブログ

海洋の総合管理や海事産業の持続可能な発展のために、海洋関係事業及び海事関係事業において、相互に関連を深めながら国際性を高め、社会への貢献に資する政策等の実現を目指して各種事業を展開しています。


Ocean Newsletter No.599発行 [2025年11月20日(Thu)]
No.599(特集:海洋汚染とジオエンジニアリング)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
海洋に関する総合的な議論の場を皆様に提供するものです。 
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●ロンドン議定書における海洋地球工学に関する議論
日本エヌ・ユー・エス(株)環境事業本部環境調和ユニット◆大河内優美
日本エヌ・ユー・エス(株)シニアアドバイザー◆岸本幸雄

ロンドン議定書は廃棄物の海洋投棄を原則禁止しつつ、例外的に二酸化炭素(CO2)など特定の廃棄物については許可の下で投棄を認める国際条約である。本稿では、CO2の海底下地層への貯留および海洋地球工学(ジオエンジニアリング)に関する改正内容や近年の議論の状況について紹介する。また、これらの分野における今後の課題についても述べる。

●海洋の二酸化炭素吸収能力の強化技術とは
(国研)海洋研究開発機構地球環境部門上席研究員◆本多牧生

大気の約60倍の二酸化炭素(CO2)貯蔵能力をもつ海洋は、地球上のCO2濃度を調整する役割を果たしてきた。しかし、産業革命以降、自然の貯蔵力を超える量のCO2排出が続き、地球沸騰化とも呼ばれる状況を招いている。本稿では、積極的な温暖化緩和策の一つとして、もともと高い海洋のCO2吸収能力を人為的にさらに高めるための技術(mCDR)を紹介する。

●医薬品による河川・海洋の汚染〜生態系への影響は?〜
長崎大学海洋未来イノベーション機構 機構長/教授◆征矢野清

われわれは、日常の中で多くの医薬品を使用している。これらの医薬品は、下水処理場を通して水域に放出されており、そこに暮らす生物に影響を及ぼすことが明らかになりつつある。中でも神経系に作用する医薬品は、魚類の行動や繁殖に異常を引き起こす。医薬品は、人々の健康維持に欠くことができないことから、その生物影響を正しく理解し、共生のあり方を考える必要がある。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任◆藤井麻衣

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Ocean Newsletter No.598発行 [2025年10月20日(Mon)]
No.598(特集:海洋生物)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●「知ること」からはじまる海の未来
〜深海洞窟から子どもたちへつなぐ、いのちの多様性〜

(国研)海洋研究開発機構地球環境部門臨時研究補助員◆鳴島ひかり

深海洞窟探査チーム「D-ARK(Deep-sea Archaic Refugia in Karst)」は、沖縄県大東諸島を舞台に、深海洞窟を探査し、その周辺に生息する生物多様性の調査に取り組んでいる。アウトリーチにも力を注いでおり、航海調査中の調査船と島の小中学校をオンラインでつなぐ特別授業や、水族館での展示企画を通じて、調査成果の発信に努めている。

●石灰藻サンゴモ類の研究最前線:生物多様性からブルーカーボンまで
広島大学瀬戸内CN国際共同研究センター准教授◆加藤亜記

サンゴモ類は、体を石灰質で石のように硬くする「石灰藻」の代表的な存在である。約20年前から、海洋酸性化の影響を受けやすい生物として研究が盛んになり、最近では主にサンゴモ類で形成される藻場が、生物多様性を維持し、ブルーカーボンとしての可能性を持つ重要な沿岸生態系の1つであることが理解され始めた。本稿では、サンゴモ類に関する近年の研究について概説する。

●水族館発、都市圏での里海づくりの挑戦
(一社)須磨里海の会会長◆吉田裕之

須磨海浜水族園で漁業者とともに2010年から始めた里海活動は、市民や地域の多様な主体との信頼関係を築く端緒となった。それは須磨里海の会の結成につながり、里海活動はアサリの再生や藻場づくりを通して、恵み豊かな海を目指している。また、里海で得た海の生き物や環境の情報が、市民への環境教育と啓発活動に活かされることで、養浜された須磨海岸の価値向上につながり、里海を長く続ける意義となっている。

●水産都市気仙沼の課題とデジタル化の取り組み
気仙沼漁業協同組合組合長◆齋藤徹夫

生産年齢人口が激減する地方の水産都市は近年、海洋環境の大きな変化の荒波にさらされている。不確実性を増す漁業、水産業の効率化、省力化、生産性の向上をデジタル化によって目指す取り組みが気仙沼で始まっている。

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●トランプ政権の外交政策の太平洋での航路
笹川平和財団海洋政策研究所 島嶼国・地域部客員研究員◆Jenna J LINDEKE

2025年1月の就任以来、米大統領は自国が直接的利益を得る「取引型外交」へと大きく方針転換した。新たな関税制度、米国国際開発庁(USAID)の解体、開発・気候関連予算の大幅削減が行われ、太平洋島嶼国では、国内バリューチェーンの損傷、信託基金の縮小、援助機関での大量解雇、緊急対応資金の大幅な制限を招いた。中国を含む他のドナーがこの空白を埋める可能性は低く、今後は創意と協調が不可欠である。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任◆藤井麻衣

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Ocean Newsletter No.597発行 [2025年09月24日(Wed)]
No.597(特集:アフリカの海)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●アフリカ開発会議と持続可能なブルーエコノミー
笹川平和財団上席研究員◆小林正典

日本財団とササカワ・アフリカ財団の協力のもと、笹川平和財団は、2024年の夏から日本の政府機関や民間企業の幹部等を交えたハイレベル専門家会議を計4回開催し、在京アフリカ外交団との協議を経て、提言書を作成した。この夏の首脳会議の議論を踏まえて、私たちが目指すべき連携のあり方を見極め、ブルーエコノミー分野での日・アフリカ協力の進展に繋げていきたい。

●アフリカ南部の脱炭素化の取り組み
南アフリカ国際海事研究所戦略プロジェクト・国際化担当ディレクター◆Nwabisa MATOTI

ナミビア、アンゴラ、モザンビーク、南アといったアフリカ南部諸国は、代替燃料と再生エネルギーへの移行策を進めている。脱炭素化への道のりは、化石燃料に大きく依存してきたアフリカ諸国にとってインフラ・資金・合意形成など多くの課題を伴い、アフリカと他地域の国際連携が気候変動緩和の鍵となる。

●西インド洋(WIO)の海洋食料危機回避に向けた協調
ネルソン・マンデラ大学(南アフリカ共和国)/サウサンプトン大学(英国)教授◆Michael ROBERTS

西インド洋では温暖化や海洋熱波により漁獲が各地で減少中で、海洋・沿岸生態系は15年以内に崩壊し、人が得られる海産食料は大幅に減少すると見込まれる。このような気候危機を防ぐには、国際的な注目とリーダーシップが欠かせない。今後、2回の国際サミット開催により、各国政府と国際機関へ科学的証拠を提示し、緊急実行向けの国際緩和行動計画の策定を目指す。

●セネガルにおけるJICA水産事業の軌跡とこれから
元JICA経済開発部農業・農村開発第一グループ第二チーム ジュニア専門員◆石井潤

(独)国際協力機構(JICA)は約50年にわたりセネガルで水産分野の協力事業を実施してきた。特に技術協力を通じた漁民と行政による共同管理において顕著な成果を上げており、周辺国にも展開されている。2024年に策定したJICAクラスター事業戦略「水産ブルーエコノミー振興」に基づき、2025年6月からは流通・販売面の改善を図り漁民の生計向上に資する新たな協力事業を開始し、セネガルを主とした西アフリカにおいて水産ブルーエコノミーの振興に取り組む。

●マダガスカルにおける環境意識の高まり
国立民族学博物館教授◆飯田卓

グローバルな気候変動や生活近代化による漁獲圧の高まりは、日本から遠いマダガスカルにも影響を及ぼしている。この国の村落部では、情報環境が日本などと異なるため、科学に対する信頼性が日本ほど高くない。しかし科学はおおいに期待されている。そのニュアンスを伝えるため、本稿では、マダガスカルの人々による環境保全の取り組みについて述べよう。

●事務局だより
瀬戸内千代

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第18回海洋立国推進功労者表彰

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Ocean Newsletter No.596発行 [2025年08月20日(Wed)]
No.596(特集:海底資源開発)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●深海底の鉱物資源開発における環境影響評価義務
法政大学兼任講師◆菅野直之

深海底の鉱物資源開発においては、開発と環境保護を両立させるための環境影響評価(EIA)が重要であり、その実施は国際法上の義務となっている。本稿は、深海底の鉱物資源開発を管轄する国際組織である国際海底機構(ISA)が定めたEIAの手続の概要を紹介する。また、BBNJ協定が深海底の鉱物資源開発におけるEIAに与えうる影響についても若干の検討を行う。

●国際海底機構による環境しきい値作成の取り組み
(独)エネルギー・金属鉱物資源機構金属担当審議役、神戸大学海洋底探査センター特命教授、国際海底機構法律技術委員◆福島朋彦

海底鉱物資源開発による環境影響の懸念からグローバル企業、科学者・専門家、保険会社そして一部の国から否定的な意見が示されている。一方で国際海底機構もさまざまな取り組みを通じて開発と環境の調和を図るために努力してきた。そのひとつが環境しきい値の策定である。環境しきい値は、実効性、具体性、透明性などの点で期待されているが、適切な値を生み出すのは容易ではなく、関係者が知恵を絞っているところである。

●日本のレアアース資源確保への挑戦
内閣府SIP第3期「海洋安全保障プラットフォームの構築」プログラムディレクター◆石井正一

内閣府のSIP第3期「海洋安全保障プラットフォームの構築」では、海洋国家である日本にとって安全保障上重要な海洋の保全や利活用を進めている。研究開発の成果を社会実装するとともに、海洋の各種データを収集し、資源の確保、気候変動への対応などを推進するプラットフォームの構築を図る。本稿では、3年目を迎えた同プログラムの取り組み状況を概説する。

●地球深部探査船「ちきゅう」が目指すもの
(国研)海洋研究開発機構研究審議役(COP3)◆江口暢久

地球深部探査船「ちきゅう」は、地球生命科学目的で海底下を深く掘削する大型探査船である。50年以上続いてきた国際海洋科学掘削に貢献し、多大な成果を上げてきた。また「ちきゅう」は科学掘削に加え、レアアース採取技術を開発し資源探査にも貢献している。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任◆藤井麻衣

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Ocean Newsletter No.595発行 [2025年07月22日(Tue)]
No.595 海の日記念号 (特集:SDG14)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●海洋科学と政策の結節点─国連海洋会議からその先へ
米国ウッズホール海洋研究所(WHOI)所長◆Peter B.de MENOCAL

ウッズホール海洋研究所(WHOI)は世界最大の民間海洋研究機関であり、基礎・応用の両面から海洋に関わる根本的課題の理解を深め、その知見をもとに喫緊の課題に挑んでいる。現在は、炭素循環の解明や海洋二酸化炭素除去(mCDR)といった課題の最前線で研究を進めている。

●東京科学大学が推進する「スマートオーシャン」の未来
東京科学大学副学長◆阪口 啓
東京科学大学特任専門員◆渡邉文夫

東京科学大学では、目指す社会変革の姿を「よき地球・よき社会・よき生活」の3つのビジョンで示している。「スマートオーシャン」では、漁業などのフィジカル空間とAI・デジタルツインのサイバー空間の連携により、地球環境・未来産業・食料安定供給・健康安心生活などが連鎖して「よき未来のオーシャン」に貢献できるエコシステムを超スマート社会推進コンソーシアムと共に構築することを目指している。

●ITで海洋ごみ問題に挑む〜データの可視化がもたらす変革〜
(株)ピリカ代表取締役◆小嶌不二夫

海洋ごみの問題は、ごみの流出経路や分布が十分に把握されていないことが課題である(株)ピリカではITを活用して、ごみの流出や分布を可視化し、国内外にて効率的かつ効果的なごみ回収とデータに基づく施策を促進している。収集データを公開することにより、地域住民の環境意識向上や環境教育プログラムの策定にも役立てている。企業・自治体・市民が連携して、それぞれの役割を果たすことが重要である。

●佐久島の海を守る〜子どもたちが主体で行うアマモの保全活動〜
愛知県西尾市交流共創部佐久島振興課 課長補佐◆三矢由紀子

愛知県三河湾に浮かぶ人口170人の佐久島では、本土側からの通学者が半数以上を占める小中一貫の義務教育学校「しおさい学校」において、子どもたちが主体となってアマモ再生活動に取り組んでいる。この活動は2025年度で23年目を迎え、海の保全・再生と学びの場を同時に創り出してきた。人口減少に直面する離島振興の柱の一つとして、この灯を絶やさず、共に歩み続けたい。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所所長◆牧野光琢

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Ocean Newsletter No.594発行 [2025年06月20日(Fri)]
No.594(特集:大阪・関西万博と海)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●「海の蘇生」を掲げる「BLUE OCEAN DOME」出展の経緯
認定NPO法人ZERI JAPAN理事◆竹内光男

認定NPO法人ZERI JAPANは、2019年のG20「大阪ブルーオーシャン・ビジョン」宣言を受けて、大阪・関西万博への参加を決めた。万博に出展中の「BLUE OCEAN DOME」は、民間で唯一、海をテーマとしたパビリオンである。「海の蘇生」を掲げ、さまざまな展示を通して、プラスチック海洋汚染の防止、海の持続的活用、海の気候変動の理解促進を目指している。

●里山・里海をフィールドとした大阪・関西万博に向けた阪南市の取り組み
大阪府阪南市未来創生部副理事(兼)まちの活力創造課長◆前田雅寛

阪南市はブルーカーボンを軸に生態系回復と持続可能な社会の実現を目指し、大阪・関西万博に向けてSDGs達成のための51件のプロジェクトを展開している。次世代の子どもたちが海洋教育を通じて環境保全に関心を持つことを促進し、ブルーエコノミーの推進と経済成長を図る。官民連携により、環境にやさしい生活の学習や体験を増やし、持続可能な地域の未来を目指している。

●水素燃料電池船の開発と社会実装
東京海洋大学学術研究院特任教授◆大出剛

カーボンニュートラル社会の実現に向け、海事分野でもゼロエミッション船の社会実装の加速化が求められている。2025年4月より大阪・関西万博で商業運航を開始した純水素燃料電池船「まほろば」とそのエネルギー供給システムは、国内初の社会実装である。水素燃料電池船は大型化や航続距離には課題があるが、水上バスなど近距離を運航する都市交通機関といった用途に適しており、製品や設備としての認証や検査といった分野についても普及に向けた取り組みが進むことを期待したい。

●事務局だより
瀬戸内千代

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Ocean Newsletter No.593発行 [2025年05月20日(Tue)]
No.593(特集:海洋デジタル化)が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
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●海の地図PROJECT─能登の復興に向けて
(一財)日本水路協会理事長◆加藤茂

日本財団と(一財)日本水路協会は、2022年より日本全国の海岸に続く浅海域を航空レーザ測量により地図化する「海の地図PROJECT」を推進している。その一環として、能登半島北部沿岸域において、2024年1月の能登半島地震の前後に調査を行うことができた。大きな隆起を伴う地震前後で沿岸浅海域の詳細な海底地形データ取得に成功したのは、本調査が世界初である。さらに同年9月の豪雨災害の後にも一部海域で追加調査を行った。これらの成果が、能登の復興の一助となることを期待したい。

●海洋可視化の現状と課題
いであ(株)上席研究員◆落合健

2001年、海の天気予報が始まり、それまで観測のみに頼っていた海洋の状況把握は大きく進展した。海の天気予報の精度を保つには観測データが必須であるが、政府機関が実施する海洋調査件数は減少傾向にある。海の天気予報の一層の発展により可視化を向上させるとともに、無人機を現業で常時運用することにより海洋調査を拡大することが望まれる。

●海のDXとその先へ
古野電気(株)経営企画部部次長◆永田靖徳

古野電気(株)が掲げる「Ocean 5.0」構想は、2050年頃の社会で「経済価値」と「社会価値」の両立を目指す未来ビジョンのコンセプトである。過去から未来への技術革新を「Ocean 1.0」から「Ocean 5.0」に分類し、持続可能な海洋社会の実現を目指す。志を同じくする他企業との共創にも積極的に取り組み、これまでにない新しい社会と新しい航海への貢献に努めたい。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所研究員◆田中広太郎

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Ocean Newsletter No.592発行 [2025年04月24日(Thu)]
No.592が完成いたしました。
※2025年度より月1回(20日)の発行となりました。

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●戸田漁港における海業の展開
静岡県戸田観光協会事務局長◆佐藤寿美

戸田漁港は駿河湾に面し、古くから漁業が盛んな地域である。近年、深海魚まつりやヨットレースの開催を通じて観光業を発展させ、地域経済の活性化を図っている。
特にタカアシガニを中心とした深海魚ブランドの確立が進み、持続可能な漁業の推進にも取り組んでいる。
ヨットの受け入れによる観光交流人口の増加や、漁業者・観光業者・地域住民の連携強化が、地域全体の収益向上と持続可能な共存共栄の実現に寄与している。

●「海釣りGO」が切り拓く海業の未来
静岡県西伊豆町役場産業振興課農林水産係係長◆松浦城太郎

「海釣りGO」は、漁協・(株)ウミゴー・行政が連携し、漁港を適正管理しながら釣り人と地域経済をつなぐデジタルプラットフォームである。
事前予約制と利用料徴収により、漁港の管理、環境保全、地域振興を実現し、水産庁が提唱する「海業の推進」にも貢献している。
導入後は漁業者と釣り人の摩擦が減少し、経済波及効果も向上した。今後は他地域への展開を視野に、持続可能な漁港運営と釣り文化の発展を目指す。

●くじらの町、太地町のまちづくり
和歌山県太地町役場総務課◆和田正希

古式捕鯨発祥の地である太地町は「過去・現在・未来永劫にくじらに関わり続けていく町」として、くじらを「捕る」だけでなく観光や学術研究など多角的に活用するまちづくりを進めてきた。
「太地町くじらと自然公園のまちづくり構想」や「森浦湾くじらの海構想」を踏まえ、町と太地町漁業協同組合が一体となって理想のまちづくりを進め、「くじらの恵み」を住民に還元していきたい。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所所長◆牧野光琢

●インフォメーション

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Ocean Newsletter No.591発行 [2025年03月21日(Fri)]
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【お知らせ】
これまで毎月5日と20日に発行しておりましたが、
来年度より毎月20日(月1回)の発行となります。
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No.591が完成いたしました。

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●国際航路標識機関(IALA)の誕生
〜世界の航路標識の発展のために〜

海上保安庁交通部企画課国際・技術開発室専門官◆有田真由美

2024(令和6)年8月22日、国際航路標識機関(International Organization for Marine Aids to Navigation 略称:IALA)という新しい国際機関が誕生した。
この機関は、航路標識に関する国際基準等を定める非営利団体として活動してきた国際航路標識協会が移行したものである。
本稿では、本機関の概要、設立の経緯と、海上保安庁での取り組みを紹介する。

●英国における海事政策と日本への示唆
〜自動運航船への対応と課題〜

海上保安大学校海上警察学講座講師◆鮫島拓也

英国の海事政策は、世界の海事分野における主導的地位を確立するという長期戦略のもと、技術革新の促進と社会的リスクの低減という二律背反的な政策課題の調和を実現している。
わが国においても、英国の政策的アプローチに示唆される規制の柔軟性を確保しつつ、相対的にリスクの低い領域からの段階的実証および官民連携によるアジャイル型政策形成プロセスの確立が不可欠である。

●船舶の安全運航を支える
(一社)海洋共育センター理事長◆畝河内 毅

(一社)海洋共育センターは、船員不足問題の解消に内航海運業界全体で取り組み、船員確保と船員の資質向上を通じて、安定的な内航輸送サービスの提供と日本の産業維持・活性化に貢献するため、2013年9月に設立された。今回、国に代わって「安全統括管理者試験及び運航管理者試験」を行うことになり、2025年春からの試験の開始に向けて鋭意作業を進めている。
本試験制度や講習制度により、旅客船の事故が大きく減少することを願う。

●沿岸域の安全について
〜仙台防災枠組から10年〜

高知工科大学工学研究科長◆佐藤愼司

東日本大震災後の津波対策では、「なんとしても人命を守る津波対策」が進んだ。
これは、津波レベルの二段階設定、浸水予測の公表、一時避難施設の設置、民間資本による盛土堤防の建設などにより実現したものである。
今後は、気候変動や人口減少がさらに進み、地方の沿岸地域で特に災害に対する脆弱性は増すことが想定される。
今後の沿岸防災は、これらの外的要因を内部に取り込んで統合的に検討することが重要となる。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所研究員◆田中広太郎

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No.590が完成いたしました。

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●中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)における資源管理の進展
水産庁国際課課長補佐(企画班担当)◆晝間信児

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は、カツオ・マグロ類の資源管理を行う地域漁業管理機関であり、日本を含む26の国・地域が加盟している。
一時は歴史的低水準まで減少した太平洋クロマグロ資源は、WCPFCでの保存管理措置の採択等を通じて資源管理を行った結果、順調な回復を見せ、2024年11月末からのWCPFC年次会合において小型魚1.1倍、大型魚1.5倍の増枠が正式に採択された。

●持続可能な水産業
〜「獲りながら」、「食べながら」の視点から〜

(一社)全国水産技術協会専務理事◆和田時夫

わが国周辺の水産資源の状態が比較的安定しているとみられる一方で、漁業生産量の減少が止まらない。
持続可能な水産業を達成し、レジリエントな水産物需給体制を構築するためには、最大持続生産量を基準とした「獲りながら」の資源維持に加えて、わが国漁業の多品種少量生産の特徴を踏まえた地産地消の意識的な取り組みによる「食べながら」の生産体制の維持が欠かせない。

●MSC認証とカツオ・マグロ類漁業
(一社)MSCジャパン代表理事◆石井幸造

持続可能な漁業の証しであるMSC漁業認証を取得するカツオ・マグロ類漁業は世界的に増えており、その背景にはMSC認証のカツオ・マグロ類の市場が世界的に拡大していることがある。
MSC漁業認証の取得・維持は地域漁業管理機関におけるカツオ・マグロ類資源の適切な管理措置の策定・導入にも関係しており、消費者がMSCラベルの付いたカツオ・マグロ類製品を選ぶことが将来にわたってカツオ・マグロ類資源を残していくことにつながる。

●IUU漁業の現状と日本
〜シャークフィニングから考える〜

(株)シーフードレガシー代表取締役社長◆花岡和佳男

IUU(違法・無報告・無規制)漁業の存在は、世界の海洋における水産資源の持続的な利用にとって大きな脅威である。
「フカヒレスープ」で知られるフカヒレはサメのヒレを使用しており、高級食材として世界的に珍重されてきた。
しかし、漁獲の際、ヒレだけを獲って魚体を海に投棄する「シャークフィニング」は、その残忍性や絶滅が危惧されているサメを保全する観点から、多くの国や地域で禁止されている。
これは、典型的なIUU漁業である。

●事務局だより
瀬戸内千代

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