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海洋政策研究所ブログ

海洋の総合管理や海事産業の持続可能な発展のために、海洋関係事業及び海事関係事業において、相互に関連を深めながら国際性を高め、社会への貢献に資する政策等の実現を目指して各種事業を展開しています。


Ocean Newsletter No.568発行 [2024年04月05日(Fri)]
No.568が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
海洋に関する総合的な議論の場を皆様に提供するものです。 
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●信頼醸成と武力紛争抑止の柱としてのシーパワー
海上自衛隊幹部学校長◆江川 宏

アルフレッド・マハンによって提唱されたシーパワーの概念は海上交通路や国益上あるいは作戦上で必要な海域を排他的にコントロールすることが目標とされていたが、現在は、国際秩序が維持された安全な公共財としての「自由で開かれた海洋」を維持するためのもの、即ち信頼醸成や武力紛争抑止に資する外交ツールへと変化している。
海洋秩序が揺さぶられている現代においてシーパワーはどのような影響力を有し、どのような戦略的役割を期待されているのか。

●日中海洋運命共同体構築のための基礎と保障
中国海洋大学国際事務・公共管理学院教授◆金 永明

海洋問題は日中関係に影響を及ぼす重要な問題の一つである。日中両国は多くの合意文書と共通認識を形成したが、これらの着実な履行ができれば、海洋問題の論争をコントロール可能な状態に置き得る。
従って、紛争の平和的解決と協力原則の堅持が日中関係に影響を与えずに海洋問題を処理する大原則となる。
その上で、海洋の恩恵を持続可能な形で享受し、時代の要請に合致した建設的かつ安定的な日中関係を推進する海洋における日中運命共同体の構築が重要となる。

●紛争抑止・対処のためのシーパワー
富士通ディフェンス&ナショナルセキュリティ(株)安全保障研究所所長、水交会研究委員会顧問(元佐世保・呉地方総監)◆池田徳宏

シーパワーは中国との紛争回避のための抑止力である。
中国は国連海洋法条約の解釈の違いなどの海洋における問題を法的手段によらずに解決し一方的に現状変更しようとする。
海洋におけるさまざまな問題をUNCLOSに基づいて解決することを可能とするめにシーパワーを活用する必要がある。
日本は中国との紛争を回避するために海洋秩序とは何かを示して、これを常識として顕示・伝承することに平和のための力である海上自衛隊を使用している。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所長◆阪口 秀

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Ocean Newsletter No.567発行 [2024年03月21日(Thu)]
No.567が完成いたしました。

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●性転換する海洋生物─性という戦略
岡山理科大学獣医学部教授◆岩田惠理

海洋生物の性決定のシステムは、XY染色体を基盤とした強固な性決定システムを持つわれわれヒトとは異なり多様である。
中でも魚類では、性転換する種が複数報告されている。
魚類の性転換は決して珍しい現象ではなく、彼らの生存戦略からすれば非常に理にかなったことである。

●男と女をつなぐ船〜南スラウェシにおける船づくりに見るジェンダー観〜
金沢大学人間社会研究域客員研究員◆明星つきこ

ブギス人は、その卓越した造船・操船技術や海域ネットワークを駆使して、歴史的に東南アジア海域世界で広く活躍してきた。彼らは船に「へそ」を作って魂を吹き込む。
ブギス人の家と船は、性観念を含めた彼らのコスモロジーを体現する象徴的空間として認識されている。

●ポリネシアにおける多様な性の共生〜マフとラエラエ〜
金城学院大学文学部外国語コミュニケーション学科教授◆桑原牧子

南太平洋にある仏領ポリネシアには、西洋文化接触以前から男性として生まれたが女性の役割を担って生きる人々がいた。
1960年にタヒチ島に空路が開かれると、外部文化の影響を受けて社会は大きく変容し、従来の「マフ」に加えて「ラエラエ」が現れた。本稿では、オセアニア島嶼部における多様な性の共生の一部を紹介する。

●事務局だより
瀬戸内千代

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Ocean Newsletter No.566発行 [2024年03月05日(Tue)]
No.566が完成いたしました。

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●海洋でのジェンダー平等への期待
帝京大学先端総合研究機構客員教授◆窪川かおる

ジェンダー平等の実現はSDGsの主要な目標でもある。
日本の海洋分野における女性ゼロの時代はいまや過去のものとなったが、依然として課題は多い。
『海のジェンダー平等へ』と題した本が、今春出版される。そこでは、性の多様性を基盤とする持続可能な社会で、海洋分野が発展していくために必要な提案と期待が語られている。そのあらましを紹介したい。

●スナメリを音響で追いかける
京都大学東南アジア地域研究研究所准教授◆木村里子

中国の長江では河川の環境悪化や漁業での混獲などを背景にヨウスコウイルカが絶滅した。
スナメリも個体数を減らしており、その調査には目視よりも有効な音響調査が利用されている。
近年ではサウンドスケープ調査も始まり、より包括的に生態系を理解できる可能性が見えてきた。

●タイのジュゴン保護区と漁民 〜アンダマン海の事例〜
京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻生物圏情報学講座博士後期課程院生◆阿部朱音

タイのタリボン島におけるジュゴン保全は成功例と言える。
豊かな海のシンボル・ジュゴンを守れば漁業も栄えるという考えから海洋保護区が設置され、地元NGOや民間団体も活躍した。
さらに幼いジュゴンの死により住民の意識は一層高まった。
しかし、住民の持続可能な生活の基盤となる海洋の実現には、まだ課題が残されている。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所長◆阪口 秀

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Ocean Newsletter No.565発行 [2024年02月20日(Tue)]
No.565が完成いたしました。

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●国際海底機構のこれまでの歩みと今後の展望
深海資源開発(株)海外業務部長、(兼)技術部次長(前国際海底機構法律・技術委員)◆岡本信行

国連海洋法条約に基づき、深海底の鉱物資源は「人類共同の財産」とされ、国際海底機構(ISA)が管理している。
ISAでは、1994年の設立以降、鉱物資源の探査規則等が策定されてきた。
現在は、2025年夏を目標として開発規則の策定のための審議が継続しているが、解決すべき問題は多い。

●気候変動に適応した水産業の新たな挑戦
(有)伊勢志摩冷凍代表取締役◆石川隆将

われわれが住む伊勢志摩地域では、気候変動による海の環境の変化によって、生態系にも変化が起きている。
この問題から目を背けるのではなく、正面から問題解決に取り組む必要があると考え、解決に努めてきた。
今はまだ少数派な漁法が、今後日本の水産業を救うかもしれない。
そんな気概で頑張っている。

●海と人とを学びでつなぐ3710Lab
(一社)3710Lab代表理事、東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター特任講師◆田口康大

海と人とのつながりを学び探ることは、魅力的で楽しい。
それ自体が私たちがあらためて海とつながっていく営みであり、海とどう生きるのかという問いへの答えを形成していく。
この営みを展開するために設立されたのが3710Lab(みなとラボ)である。

●事務局だより
瀬戸内千代

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Ocean Newsletter No.564発行 [2024年02月05日(Mon)]
No.564が完成いたしました。

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●離島の振興に関する法律と施策の現在
(公財)日本離島センター調査研究部長◆三木剛志

日本の離島は、離島振興法をはじめとする関係法によって社会資本整備を中心に振興が図られてきたが、近年はソフト支援施策に力点が置かれ、2023年度からの第8次離島振興では今日的な諸課題に対処するためのさまざまな配慮が明確化されている。
領域や排他的経済水域等の保全など、離島が多様かつ重要な役割を果たすためには、定住環境の条件不利性の改善に加え、雇用の拡充を図るなどの持続的発展が期される。

●離島医療のこれから
長崎大学病院総合診療科、長崎大学離島医療研究所教授◆前田隆浩

わが国の離島医療は、離島の人口規模や立地環境などにより多様である。
人口減少と高齢化が急速に進行し、地域のコミュニティ機能が低下していく中、これまでの医療を維持していく一方で、遠隔医療やドローン物流など新たなテクノロジーを導入することで効率的な医療提供体制の構築を目指した取り組みが進んでいる。
広域的な地域ヘルスケア全般を見据えながら、利便性と安全性のバランスを追求した進化が求められる。

●海洋温度差発電を核とした日本版「GX島嶼モデル」
佐賀大学海洋エネルギー研究所※1所長/教授◆池上康之

沖縄県久米島において2013年に実証研究に成功した海洋温度差発電を核とした海洋深層水複合利用による「久米島モデル」が、2023年に開催されたCOP28をはじめ国際的に注目されている。
この海洋温度差発電および海洋深層水利用の現状と展望を概説する。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所長◆阪口 秀

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Ocean Newsletter No.563発行 [2024年01月22日(Mon)]
No.563が完成いたしました。

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●プラスチック汚染対策と実態把握における日本の取り組み
環境省水大気局海洋環境課海洋プラスチック汚染対策室課長補佐◆長谷代子

プラスチック汚染ときいて何を思い浮かべるだろうか。
現在国際的に対策を話し合うため、条約策定の交渉が開始されている。
多くの取り組みが必要だが、例えば環境省では汚染実態の解明にむけて、環境中プラスチックの調査手法やデータ整備の国際的な調和に取り組んでいる。

●サンゴの海はいくらか?
〜沿岸の自然・環境資源を守ることの価値〜

高知大学大学院総合人間自然科学研究科黒潮圏総合科学専攻教授◆新保輝幸

サンゴの海は、水産資源涵養やレクリエーション資源として重要だが、開発や過剰利用により劣化する場合も多い。
環境保全を社会的な意思決定に組み込むために環境の価値を経済評価する研究が発展してきた。
その手法の一つである仮想評価法により、高知県柏島の海の生物多様性を評価した。
また、同様の手法でフィリピンの海洋保護区の管理に対する住民の労働意思量を評価した。

●サンゴ礁漁撈文化の知恵と物語を紡いで
琉球大学人文社会学部琉球アジア文化学科准教授◆高橋そよ

筆者は、沖縄県宮古諸島伊良部島の素潜り漁師に弟子入りをしながら、現代沖縄において、社会経済的な動態の周縁にある人々が、どのように自然と関わりながら生きてきたのかを調査研究してきた。
本稿では、地域文化の慣習や信仰との交渉を通して、漁師と同じまなざしから研究者がサンゴ礁の海を理解しようした試行錯誤の一端を紹介する。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所研究員◆豊島淳子

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Ocean Newsletter No.562発行 [2024年01月05日(Fri)]
No.535が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
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●海洋と気候変動
〜『IPCC第6次評価報告書』からの示唆〜

独・アルフレッド・ウェゲナー極地・海洋研究所、IPCC第6次評価サイクル第2作業部会共同議長◆Hans-Otto POERTNER
独・アルフレッド・ウェゲナー極地・海洋研究所◆Sina LOESCHKE

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の『第6次評価報告書』は、海での気候変動影響の深刻化を示す新たな証拠をまとめた。
温暖化進行にともなって増大する喪失の低減には、温室効果ガス排出の大幅削減と、変革的適応が必要である。
私たちの今の選択が未来を決める。

●資源管理と水産加工業の振興を通じた水産業の変革
〜函館市を例として〜

(公財)笹川平和財団海洋政策研究所研究員◆田中元

気候変動に対して人類社会が生き残るには、緩和策だけでなく、既存産業の緩やかな維持と新産業の育成という適応策が重要になる。
そして水産業の適応策において重要な役割を持つのが資源管理と水産加工業の促進である。
本稿では北海道函館市のスルメイカ産業とブリ産業を事例に、水産業の新たな環境への適応策を考察する。

●海の哺乳類にヒトが与えるインパクト
写真家◆水口博也

いま世界の趨勢は、野生動物と一定の距離をとりながら、穏やかに観察するという方向に向かっている。
一方、日本ではクジラを「愛する」と自称する人々によるハラスメントが横行するホエールスイムがにわかに盛んになっている。
多くの人びとが出かけるようになったホエールウォッチングからいったい何を学ぶべきか。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所長◆阪口 秀

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Ocean Newsletter No.561発行 [2023年12月20日(Wed)]
No.561が完成いたしました。

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●統制要領下での海上保安庁の安全は確保できるのか
上智大学教授・海上保安庁政策アドヴァイザー◆兼原敦子

自衛隊法80条のもとで、海上保安庁は防衛大臣の統制下に入る。
海上保安庁法25条により、海上保安庁は警察機関であり、国内法上では、武器使用にも制限がある。
しかし、国際法上で、諸外国、とくに敵対国との関係で、武力攻撃事態で防衛大臣の統制下にある海上保安庁が、非軍事機関として軍事目標とはならず、安全を確保するための万全な方策はあるだろうか。

●べっ甲細工の原材料安定確保とタイマイ陸上養殖技術開発
東京鼈甲組合連合会会長◆大澤健吾

日本伝統的工芸品であるべっ甲細工は、その原材料となるタイマイの甲羅を輸入に頼ってきたが、現在はワシントン条約による制限により、べっ甲業界は原材料確保の道を断たれた。
べっ甲細工を伝統的工芸品として次の世代に紡ぐため、業界の総力を結集してタイマイ養殖事業に取り組んでいる。
日本の古代から続く人と海の調和の象徴としてべっ甲細工を後世に伝えていきたい。

●おさかな小学校の挑戦〜島国だからこそ、海洋教育を子どもたちに〜
(一社)日本サステナブルシーフード協会代表◆鈴木 允

「おさかな小学校」は、(一社)日本サステナブルシーフード協会が提供する、小学生と保護者を対象としたオンラインの教育プログラムである。
毎月ひとつの魚介類をテーマに、実物の魚や工作・模型などを用いたわかりやすい授業を提供し、生態、漁業、食文化、環境問題などについて学習している。
学校教育における海洋教育は限定的であるが、おさかな小学校を通じて海洋リテラシーを高めることで、持続可能な海洋資源利用の推進を目的としている。

●事務局だより
公益財団法人笹川平和財団海洋政策研究所主任研究員◆小森雄太

Ocean Newsletter No.560発行 [2023年12月05日(Tue)]
No.560が完成いたしました。

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●東京MOU30周年とこれからの活動
(公財)東京エムオウユウ事務局理事長◆久保田秀夫

「アジア太平洋地域におけるポートステートコントロール(PSC)に関する覚書」が1993年12月に東京で採択され今年で30年。
東京MOUとは同覚書のことであり、同覚書に基づく国際的な地域PSC協力組織のことでもある。
東京MOUの設立背景およびこれまでの活動実績とともに今後の世界の海上安全、海洋環境保全および船員の居住・労働環境の向上にむけた取り組みについても報告する。

●沈没艦船の取り扱いをめぐる諸問題
防衛大学校防衛学教育学群統率・戦史教育室准教授(元1等海佐)◆相澤輝昭

海中探査技術の発展に伴い世界各地で著名な沈没艦船の発見が相次いでいるが、そのほとんどはNPOなどのボランタリーな努力により賄われているのが実態である。
今後、さらに増大していくであろう調査分析の所要や収集資料の整理、活用、慰霊・顕彰との関係や国際法上の諸問題への対応などにも鑑みれば、これらの取り組みについては海洋を巡る新たな課題の一つとして官民の組織的、分野横断的な対応へと移行していく必要がある。

●砂つぶの魅力と多様な相貌
(株)エウサピア代表取締役◆椿 玲未

砂つぶを顕微鏡でみてみると、想像以上に多様な姿に魅せられる。
砂つぶの生い立ちは、生物の活動によって作り出されたものや、火山の噴火で溶けた岩石が冷えて固まったものなどさまざまだ。
現在、日本の海岸線のほとんどは埋立や護岸で縁どられ、陸との健全なつながりを保っている砂浜はほぼ残っていない。
すっかり痩せ細った砂浜ではひっそりと絶滅してしまった種も少なくはないだろう。
瀕死の危機にある砂浜を後世に残せるかどうかは、今を生きる私たちの双肩にかかっている。

●事務局だより
瀬戸内千代

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Ocean Newsletter No.559発行 [2023年11月20日(Mon)]
No.559が完成いたしました。

『Ocean Newsletter』は、海洋の重要性を広く認識していただくため、
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●CITESにおけるサメの保全と持続可能な利用
酪農学園大学農食環境学郡環境共生学類教授◆遠井朗子/早稲田大学地域・地域間研究機構 研究院客員准教授◆真田康弘

ワシントン条約(CITES)では、2022年11月のCoP19でサメ・エイ類の附属書II掲載を決定し、規制が進んでいる。
わが国は規制の導入は漁業に悪影響をもたらすという反対の立場だったが、適切に制度設計が行われれば、持続可能な漁業を志向する漁業者と加工業者にとって規制のメリットは少なくない。
今後は国際的な科学者ネットワークの協力も得て、透明性の高いプロセスでCITESの実施と国内漁業法制との調和を図るべきだろう。

●鳥羽市がつくる「海のレッドデータブック」 〜地域の基礎資料として〜
ざっこCLUB代表◆佐藤達也

3年間のモニタリング調査や過去の資料調査等を経て、三重県鳥羽市役所観光商工課から『鳥羽市 海のレッドデータブック 2023』が発行される。
三重県内の市区町村でも初となるもので、豊かな自然環境とともに、日本の将来を背負う研究者らが寄って立つ地域の魅力を少しでもお伝えすることができればと願うとともに、地域の施策ひいては国の海洋政策へ資する一助となることが望まれる。

●幼魚文化を創る
幼魚水族館館長、岸壁幼魚採集家◆鈴木香里武

小さな体で大海原を生き抜くために、幼魚たちはさまざまな生存戦略を磨いてきた。
その多様性に満ちた生き様には、海の環境や生態系に関心を持つ入り口となり得るだけの魅力がある。
幼魚展示に特化した幼魚水族館の取り組みと、さまざまな分野の専門家と協力して目指す文化の創造、その先に期待する海への理解や関心の高まりについて紹介する。

●編集後記
(公財)笹川平和財団海洋政策研究所長◆阪口 秀

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