90周年を迎えた中国共産党
[2011年06月30日(Thu)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン6月30日付で、米ブルッキングス研究所のDavid Shambaughが、中国共産党は90周年を迎えたが、政治改革は逆行し、中国は昔の強硬路線に戻りつつある、と論じています。
すなわち、 今年、中国共産党は創立90周年を祝う大キャンペーンを行っているが、中国共産党はまだその忌まわしい「過去」と正直かつ全面的に向き合うことができず、そのことこそが現在の不安定の原因だ、
2009年秋のリーマンショック以降、中国では政治改革は停滞、中央政府の政策決定過程の透明性の拡大、汚職の撲滅、党内への民主主義の導入、報道の自由などに向けた改革努力は頓挫した。共産党は強硬路線を強め、改革から逆行している。90歳の共産党は90歳の老人のように、益々衰退し、恐れ、様々な延命策を講じているものの、その複雑さに圧倒されてしまっている、と言っています。
中国脅威論者が喜びそうな厳しい「中国共産党」論ですが、2009年の「リーマン・ショック」と2011年の「ジャスミン革命」などによって、近年中国共産党の諸政策が必要以上に保守化、強硬化しつつあると指摘している点は、極めて冷静な分析と言えるでしょう。
ただ、シャンボーはこの90歳の老人である中国共産党といかに付き合っていくかについて具体的な処方箋は示していません。老いて益々頑なになるだけなら、まだ対処の仕方もありますが、実際には中国は、来年、国家指導者が交代し、若い第五世代が政治権力を行使し始めます。この第五世代が、経験不足の官僚化した「二世政治家」のボンボン集団に終わるのか、それとも、これまでの硬直化した90歳の共産党を実質的に変え始めるのか。この点こそが、今年から来年にかけての中国共産党内ポリティックスの焦点となるでしょう。
シャンボーはおそらく「中国共産党はこのまま老化を続ける」と見ているのでしょうが、では中国とどう向き合うのか。対中強硬論だけでは中国は変わりませんが、下手に出れば、中国は逆に「つけあがる」だけでしょう。 米中の政治的、経済的、軍事的「覇権争い」が始まって久しく、この10年で米国知識人の中国理解はかなり向上し、基本的対中戦略についてもようやくコンセンサスらしきものが出来つつあるようです。しかし、具体的戦術についてはまだまだ議論は収斂していません。
すなわち、 今年、中国共産党は創立90周年を祝う大キャンペーンを行っているが、中国共産党はまだその忌まわしい「過去」と正直かつ全面的に向き合うことができず、そのことこそが現在の不安定の原因だ、
2009年秋のリーマンショック以降、中国では政治改革は停滞、中央政府の政策決定過程の透明性の拡大、汚職の撲滅、党内への民主主義の導入、報道の自由などに向けた改革努力は頓挫した。共産党は強硬路線を強め、改革から逆行している。90歳の共産党は90歳の老人のように、益々衰退し、恐れ、様々な延命策を講じているものの、その複雑さに圧倒されてしまっている、と言っています。
中国脅威論者が喜びそうな厳しい「中国共産党」論ですが、2009年の「リーマン・ショック」と2011年の「ジャスミン革命」などによって、近年中国共産党の諸政策が必要以上に保守化、強硬化しつつあると指摘している点は、極めて冷静な分析と言えるでしょう。
ただ、シャンボーはこの90歳の老人である中国共産党といかに付き合っていくかについて具体的な処方箋は示していません。老いて益々頑なになるだけなら、まだ対処の仕方もありますが、実際には中国は、来年、国家指導者が交代し、若い第五世代が政治権力を行使し始めます。この第五世代が、経験不足の官僚化した「二世政治家」のボンボン集団に終わるのか、それとも、これまでの硬直化した90歳の共産党を実質的に変え始めるのか。この点こそが、今年から来年にかけての中国共産党内ポリティックスの焦点となるでしょう。
シャンボーはおそらく「中国共産党はこのまま老化を続ける」と見ているのでしょうが、では中国とどう向き合うのか。対中強硬論だけでは中国は変わりませんが、下手に出れば、中国は逆に「つけあがる」だけでしょう。 米中の政治的、経済的、軍事的「覇権争い」が始まって久しく、この10年で米国知識人の中国理解はかなり向上し、基本的対中戦略についてもようやくコンセンサスらしきものが出来つつあるようです。しかし、具体的戦術についてはまだまだ議論は収斂していません。