北朝鮮危機への対応
[2008年09月15日(Mon)]
ハワイEast-West Centerの Steve Noerper教授が、北朝鮮に政変が起こった場合、いかに対処するかについて、Northeast Asia Peace and Security Network - Policy Forum Onlineに論文を発表しています。
ノールパーは、
@先ず必要なのは、核施設の管理であり、IAEAと六カ国協議参加国は、直ちに核物質の所在を確認、核の使用や事故が起きないよう確保しなければならない。
A政治情勢は、当面、集団的に、または個人が金正日の権威を引き継ぐ体制になるだろう。次の指導者に関与しておくべき時が来ている。
B避難民対策についても、国際的協議が必要だ。
C統一問題は、朝鮮民族主導で行われるべきだが、ドイツの場合よりも困難で経費もかかるので、国際的協力が必要だ。
D六カ国協議は、対象を、北朝鮮核問題から他の安全保障および経済問題へと拡大すべきであり、また、参加国にモンゴル、カナダ、豪州を加えるべきだ。北東アジアにはNATOもEUもないのだから、北朝鮮問題中心の協力機構を作ることは、北東アジアに強固な多国間協議の場を築く基礎になろう、と論じています。
誰が考えても、これぐらいしか言えないだろう、という程度の提案ですが、今までは、この程度のコンティンジェンシー・スタディーもほとんどなかったのが実情です。これは一つには、盧武鉉時代は、米韓政府間でそうした研究を行なう雰囲気ではなく、特に統一問題は、朝鮮民族内の問題であり、それについて韓国の協力なしに外部で検討することは憚られたからです。
かつて朝鮮半島有事と言えば、北朝鮮の通常兵力による韓国北部への大規模攻撃でしたが、もはやそれは問題とはされず、今最も緊急かつ重要な任務は、核物質と核施設の管理であり、これについての介入方法のコンティンジェンシー・スタディーや中国との協議が差し迫った問題となってきたようです。
なお、ここでも、六カ国協議を北東アジア安保問題全般の協議機関とすることが提案されていますが、そうなると、全てが米中の協議で決められてしまう今の体制が、北東アジア安保問題全般に持ち込まれることになります。その意味では、豪州、カナダ、モンゴルの参加は歓迎すべきものでしょう。
ノールパーは、
@先ず必要なのは、核施設の管理であり、IAEAと六カ国協議参加国は、直ちに核物質の所在を確認、核の使用や事故が起きないよう確保しなければならない。
A政治情勢は、当面、集団的に、または個人が金正日の権威を引き継ぐ体制になるだろう。次の指導者に関与しておくべき時が来ている。
B避難民対策についても、国際的協議が必要だ。
C統一問題は、朝鮮民族主導で行われるべきだが、ドイツの場合よりも困難で経費もかかるので、国際的協力が必要だ。
D六カ国協議は、対象を、北朝鮮核問題から他の安全保障および経済問題へと拡大すべきであり、また、参加国にモンゴル、カナダ、豪州を加えるべきだ。北東アジアにはNATOもEUもないのだから、北朝鮮問題中心の協力機構を作ることは、北東アジアに強固な多国間協議の場を築く基礎になろう、と論じています。
誰が考えても、これぐらいしか言えないだろう、という程度の提案ですが、今までは、この程度のコンティンジェンシー・スタディーもほとんどなかったのが実情です。これは一つには、盧武鉉時代は、米韓政府間でそうした研究を行なう雰囲気ではなく、特に統一問題は、朝鮮民族内の問題であり、それについて韓国の協力なしに外部で検討することは憚られたからです。
かつて朝鮮半島有事と言えば、北朝鮮の通常兵力による韓国北部への大規模攻撃でしたが、もはやそれは問題とはされず、今最も緊急かつ重要な任務は、核物質と核施設の管理であり、これについての介入方法のコンティンジェンシー・スタディーや中国との協議が差し迫った問題となってきたようです。
なお、ここでも、六カ国協議を北東アジア安保問題全般の協議機関とすることが提案されていますが、そうなると、全てが米中の協議で決められてしまう今の体制が、北東アジア安保問題全般に持ち込まれることになります。その意味では、豪州、カナダ、モンゴルの参加は歓迎すべきものでしょう。