米イラン交渉慎重論
[2008年09月29日(Mon)]
対イラン交渉は、オバマ、マケイン両大統領候補が選挙戦の中でその是非を論じ、さらに、キッシンジャーやパウエル元国務長官らが意見を表明するなど、大きな争点の一つとなっています。そうした状況の中で、ウォール・ストリート・ジャーナル9月29日付で、エルサレムのShalem Centerの主要メンバーであり、ベストセラーの著述家でもあるMichael Orenが、元米議会スタッフのSeth Robinsonと連名で、米イラン交渉に対して慎重論を唱えています。
オーレンらは、過去、西側が種々の交渉を試みていずれも成功せず、その間に、イランがヒズボラ、ハマス、イラク・シーア派の間に着々と勢力を伸ばしてきた状況を説明、アメリカがイランとの対話を受け入れれば、それは、中東ではアメリカの敗北と見なされてアメリカの威信の低下を招くだけでなく、イランが、交渉期間を利用して核開発を進めるか、あるいは、北朝鮮の例にならい、一時停止して再開する戦術を使う事態につながるかもしれない、と論じています。
その上で、次期米大統領は、結局は、対話を始めるかもしれないが、その場合は、目的をはっきりと核濃縮とテロ支援の廃止に定めた、そして、厳しい制裁と武力行使の有効な脅しの下に、時間を限った交渉であるべきだ、と言っています。
これは、大統領選の過程で、オバマは持論の対イラン交渉を維持し、共和党側も、危惧は持ちつつも、ある程度は交渉の有益さは認めざるを得ない状況になってきた中で、イスラエルの立場から危機感を表明した論説です。
たしかに、イラン側が、交渉期間中は武力攻撃が出来ないことを利用して、交渉を受諾しながら、核開発を進める可能性はありますし、米国が遂にイランとの対等の交渉に応じたという事実が、ヒズボラ、ハマス、そしてイラク・シーア派を勇気付けてしまうことはあるでしょう。
だからこそ、交渉は厳しく、かつ、時間制限を設けるべきだ、という議論になるわけです。交渉が不可避という情勢であるなら、イスラエルとしては、求めるのは最後通牒付の交渉だ、ということでしょう。
オーレンらは、過去、西側が種々の交渉を試みていずれも成功せず、その間に、イランがヒズボラ、ハマス、イラク・シーア派の間に着々と勢力を伸ばしてきた状況を説明、アメリカがイランとの対話を受け入れれば、それは、中東ではアメリカの敗北と見なされてアメリカの威信の低下を招くだけでなく、イランが、交渉期間を利用して核開発を進めるか、あるいは、北朝鮮の例にならい、一時停止して再開する戦術を使う事態につながるかもしれない、と論じています。
その上で、次期米大統領は、結局は、対話を始めるかもしれないが、その場合は、目的をはっきりと核濃縮とテロ支援の廃止に定めた、そして、厳しい制裁と武力行使の有効な脅しの下に、時間を限った交渉であるべきだ、と言っています。
これは、大統領選の過程で、オバマは持論の対イラン交渉を維持し、共和党側も、危惧は持ちつつも、ある程度は交渉の有益さは認めざるを得ない状況になってきた中で、イスラエルの立場から危機感を表明した論説です。
たしかに、イラン側が、交渉期間中は武力攻撃が出来ないことを利用して、交渉を受諾しながら、核開発を進める可能性はありますし、米国が遂にイランとの対等の交渉に応じたという事実が、ヒズボラ、ハマス、そしてイラク・シーア派を勇気付けてしまうことはあるでしょう。
だからこそ、交渉は厳しく、かつ、時間制限を設けるべきだ、という議論になるわけです。交渉が不可避という情勢であるなら、イスラエルとしては、求めるのは最後通牒付の交渉だ、ということでしょう。