CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
日米韓安保協力 [2008年02月27日(Wed)]
ウォール・ストリート・ジャーナル2月27日付でAEIのアジア専門家、Michael AuslinとChristopher Griffin が日米韓安保協力論を展開しています。

オースリンとグリフィンは、アメリカは従来アジアでは、米中心の二国間同盟を束ねたhub-and-spoke方式で安保政策を運用してきた。そうなった主たる理由は、日本に対して地域諸国が警戒心を持っていたからだが、今回韓国に新政権が誕生したことで、日韓の和解が進み、日米韓三国が協力する可能性が生まれてきた。具体的には、これら三国の防衛相レベルの三国安全保障委員会を作ることが考えられる、と論じています。

以前にも指摘したように、李新政権の誕生により、日米韓協力の展望が開けてきました。特に、これまでは北朝鮮問題で米国務省が独走しても、盧武鉉政権では協議しても仕方ないということでそのまま通ってきましたが、日韓の間で政策調整が出来るようになれば、当然米国も、同盟国である日韓の意向は尊重せざるを得なくなるでしょう。その意味で、日本外交には、日韓政策協調という新しい可能性と課題が見えてきたということになります。

さらに言えば、韓国の反日感情が外交に影響を及ぼすのも、そろそろ終わりではないかと思われます。1998年の金大中訪日でいったん収まった反日感情が再燃したのは、日本のマスコミが公表前の「新しい教科書」のテキストを韓国側に示して反発を誘ったからでした。

しかし、両国の民間交流はその間も進んでおり、一般の人々の間では、相互不信や嫌悪はかなり解消され、日本のマスコミが、もう一度、日韓の離反を促す画策を繰り返す雰囲気はないように思われます。

もしそうであるなら、手放しの楽観は許されないにしても、1980年代初めの中曽根訪韓以来、ほぼ30年ぶりに日本の対韓外交に希望の光が見えてきた、と言えるでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:55 | 東アジア | この記事のURL | コメント(6) | トラックバック(0)
プーチン主義の将来 [2008年02月27日(Wed)]
ウォール・ストリート・ジャーナル2月27日付で、同紙欧州版社説編集者Matthew Kaminskiが、プーチン主義は結局のところロシアを不安定化させるのではないかと論じています。

それによると、カミンスキーは、プーチンは自信満々に見えるが、その行動は不安感を示している。確かにロシア経済は高成長を続け、金持ちも中産階級も収入が増えているが、プーチン自身は自分の人気に幻想を持っていない。

なぜならロシア経済の好調は石油高騰のためであり、よほど無能でなければ何らかの実績は挙げられただろう。プーチンが実際にしたことは、経済改革の凍結とエネルギー部門のクレムリン化(ユーコスの接収など)であり、メディア、ビジネス、野党、外国・ロシアのNGO、議会、地方政府から自由を奪う、抑圧と中央集権化された統制だった。また官僚出身のプーチンは、大統領になってからも人心や票を獲得する政治家としての能力を身に付けず、サンクト・ペテルブルグ以来の小さな、緊密に結び付けられた側近に頼っている。

そしてプーチン主義はその核心において不安定だ。なぜならプーチンも歴代のロシア皇帝と同様、ロシアの開放と近代化を目指す一方でロシアを抑圧する矛盾、また西側に対して大国主義を振り回す一方で西側からの尊敬を勝ちとりたいという矛盾を抱えているからだ。

プーチンに権力が集中し、成熟した国家を支える制度(議会、独立した司法、強い政党)が破壊される中で、ロシアの将来は予見不可能だが、今のロシアは繁栄するダイナミックで複雑な社会であり、こうしたプーチンの支配に飽きて、何か事を起こそうとするかもしれない、と言っています。

この論説はプーチンとその時代をよく観察しており、プーチンの遺産は安定よりも不安定である可能性を良く描き出しています。ロシア経済が良くなったのは主として石油価格の高騰のおかげであり、一方、政治面では、プーチンが民主主義を破壊したおかげで、独裁制に特有の不安定さがロシアに持ち込まれたと言えます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:52 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
台湾新総統 [2008年02月26日(Tue)]
ニューヨーク・タイムズ3月26日付の社説は、台湾の新総統選出を論じています。

社説は、前日25日付のワシントン・ポストやウォール・ストリート・ジャーナル社説と同様、新総統の馬英九のプラグマティズムに期待し、中国がチベット弾圧のようなことをしている限り、統一などあり得ない。中国は、馬英九のリードに従って、台湾海峡のミサイル削減も含む、現実的で安定した台湾との関係を持つべきだ、と言っています。

これで、アメリカの主要紙の論調が、今回の選挙結果を歓迎し、今後中国が馬英九と現実的な関係を持つのを期待していることが確定した、と言ってよいでしょう。

翻って中国は、かえって今後、台湾政策の重要な岐路に直面せざるを得なくなったと言えます。

まずそれは、中台間の長期的戦略的問題よりも、もっと卑近な問題――例えば馬英九の訪米――として現れてくるでしょう。訪米した馬は当然、母校ハーヴァードを訪問しようとするでしょうが、現役の総統のこうした行動には抗議するというのが、これまでの中国の方針です。しかしそれでは台湾の国民党支持者まで反中国にしてしまいます。

更に重大なのは、胡錦濤が提案し、馬英九が応じた中台和平協定です、両国元首が対等の資格で会うことを中国が許すとなれば、それは重大な決断です。

また対日関係では、駐日代表の問題が先ずあるでしょう。民進党時代の歴代大使は、国民党の弾圧を避けて日本に永く在住した「台湾独立支持派」系統の人物であり、日本国内各界との関係はきわめて密接でした。それを続けさせるほどの度量が新政権にあるのか、またもし新たに国民党系の人物を任命するとなれば、対日外交をどこまで推進できるか、という問題が出てくるでしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:42 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
韓国新大統領 [2008年02月25日(Mon)]
ウォール・ストリート・ジャーナル[アジア版]2月25日付は、李政権の誕生を歓迎する社説を載せています。

社説は、李が選挙で圧勝したのは、韓国国民が盧武鉉政治――ワシントンを苛立たせ、北京と平壌に迎合し、富の再分配を目指した――からの変化を望んだことを示している。新大統領は、7%成長、1人当たり所得4万ドル、GDP世界第7位を目標に掲げ、外国投資や労働市場の規制を緩和して、効果的政府と大きな市場を作るとしている。

外交政策も大きく変わるだろう。米ロ中日に早速特使が派遣されており、また李は米軍のプレゼンスを評価し、4月にはブッシュと会談して関係を修復したいとしている。日本にも接近しようとしている。最大の課題である北朝鮮については、李は、軍事的対決はしないだろうが、核放棄の証拠なしに経済援助をすることはないだろうし、人権問題でも発言していくだろう。

韓国人は分裂した政府を望む傾向があり、4月の議会選挙でそれを選択する可能性はあるが、リベラリズムの10年が結果を出せず、今は変化の時だと考えているのは明らかだ、と言っています。

これは、盧武鉉政権を批判し、それと反対の立場をとる李大統領への期待を表明したものです。盧政権は左派でしたが、新政権は保守派政権であり、WSJの考え方に沿う政権が生まれたことを歓迎する気持ちがよく出ています。

李大統領がこれまで発言してきたことを実行すれば、米韓、日韓関係は顕著に改善されるでしょう。場合によっては、国務省主導のアメリカの対北融和政策を韓国が批判する状況も出てきますが、これは悪いことではありません。むしろ、韓国に保守政権が成立したことで、北朝鮮の核についての日米韓の協議がより大きな役割を果たす状況が作られると思われます。

日本も李政権に期待し、同政権との協力を重視していくべきであり、福田総理が大統領就任式に出席して首脳会談を行い、シャトル外交で合意したことは歓迎されます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:26 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
イラク、アフガン戦争と米次期政権 [2008年02月24日(Sun)]
ワシントン・ポスト2月24日付で、戦略国際問題研究所のAnthony H. Cordesmanがイラクとアフガンの戦争について論じています。

それによると、コーデスマンは、これらの戦争は、アメリカ対アルカイダやタリバンの戦い以上のものであり、軍事的勝利が、政治的勝利と効率的な統治及び開発につながってこそ、意味のある勝利となる、とした上で、

イラクでは、アルカイダが劣勢となり、治安状況の改善が見込まれる一方、アフガンでは、タリバンが支配地域を広げており、今後より多くのNATO軍とISAFが戦闘に加わらなければ勝利はおぼつかない、と米司令官が警告するように、双方の軍事情勢は異なる。

しかし、次期政権も含めてアメリカが、この戦いは長期にわたるものだという現実を直視し、受け入れ、戦い続けるか否かで勝敗が決まるという点では、双方は共通している。軍や警察は短期間には育成できないし、米軍のプレゼンスはかなり長期間必要だろう。早急な兵力削減や不十分な兵力投入は事態を悪化させてしまう。

そして最も深刻なのは、統治と開発の問題であり、これの解決には忍耐が必要だ。つまり、アメリカに要請されているのは、長期のコミットメント、長期の資源投入、そして戦略的忍耐であり、これらが欠ければ、敗北を招くことになろう、と言っています。

コーデスマンはイラク、アフガンで勝つために長期戦を覚悟せよと説いているのであり、これはその通りでしょう。問題はアメリカが政治的にそうした長期戦に耐えられるか否かです。状況が改善に向かう、また犠牲者の数が減っている場合は耐えることができ、イラクについてはその方向が見えてきたように思われます。しかしアフガンは、パキスタンのムシャラフが力を失う中で、より困難な状況になってきています。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:14 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
アメリカの偵察衛星破壊 [2008年02月23日(Sat)]
米国は先月、制御不能になった偵察衛星を破壊しましたが、そうした中で中国とロシアが宇宙兵器禁止条約案を国連軍縮委員会に提出したことに対し、カーネギー財団のAshley J. Tellisがウォール・ストリート・ジャーナル2月22日付で、こうした提案にうっかり乗ってはならない、と警告しています

それによると、テリスは、近い将来、宇宙に配備される兵器が現実に出現する恐れはなく、また出現しても今の技術では監視・特定はできないから、禁止は無意味だとした上で、中ロがこの時期にこうした提案をしたのは、第一に、単純に米国の宇宙兵器配備を恐れ、条約を通してこれに抵抗しようとしたからであり、第二に、米国を新たな軍拡の主導者に、そして中ロを軍縮の提唱者に仕立てて外交上のイメージ・アップを図ろうとしたからだ。また、軍縮を提唱することで、中国自身の宇宙兵器計画への国際社会の懸念を緩和する狙いもあった、と指摘しています。

今回の米国の偵察衛星破壊が持つ意味は大きく3つあるでしょう。一つは、米国の圧倒的な技術的優位が明らかになったことです。中国は弾頭を爆発させて衛星を破壊したのに対し、米国の場合は、弾頭が衛星を直撃しており、米国のある種の技術的抑止力は確固たるものになったと言えます。

またこの高度技術を一定の範囲で日米が共有していることにも注目すべきです。つまり今回使用された弾道ミサイル迎撃システムは海上自衛隊にも導入されています。

さらに、昨年の中国に続く今回の衛星破壊で、国際社会の注意が喚起され、安全保障上の新しい問題が提起されたと言えます。これはつまり軍備拡張競争の新たな分野が顕在化したということであり、日本も関連システムを装備していることから、この問題と無関係ではいられません。日本も宇宙に関わる問題を安全保障上どう扱うか、再整理する必要があるでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:20 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
セルビア情勢   [2008年02月23日(Sat)]
ワシントン・ポスト2月23日付の社説は、セルビアでコソボ独立に反対する暴徒が米大使館に放火、他の大使館を襲撃したのに、コシュトニツァ首相は事態を放置したとして、セルビア政府を非難しています。

社説は、コシュトニツァのやり方はミロセヴィッッチと同じだ。彼の行動は、セルビアのヨーロッパからの孤立と近代化の凍結を招く。そうなって喜ぶのはロシアであり、ロシアはセルビアを白ロシアと同様に孤立した貧しい従属国にするだろう。しかしセルビアは、2週間前の選挙で親欧派のタジッチを大統領に選出したばかりだ。タディッチ大統領はセルビアをEU加盟に導くよう国民から付託を受けたのだから、多数派を率いてコシュトニツァのような民族主義者を抑えるべきだ、と論じ、セルビアがEUとの統合に向かうこと、そしてタディッチ大統領がそれについて指導力を発揮することに期待を表明しています。

コシュトニツァ首相はコソボ独立宣言後に議会で演説し、武力行使はしない、国民も独立反対を非暴力的な形で表明するよう訴えていたので、今回の対応は少し理解に苦しむ行動です。

おそらくセルビア国内で、タディッチとコシュトニツァの路線の違い、EUとの統合支持派とロシアとの友好重視派の対立が激化しているのでしょう。この国内闘争の行方が、セルビアの今後進む方向を決めていくことになると思われます。

米・EU諸国は、既にコソボ独立を承認した以上、どんどん既成事実化を図り、セルビアとロシアに現実を受け入れさせるしかありませんが、セルビア内でEU統合を希望する人が多数を占めていることから、その実現の見込みは相当あります。

ただ、コソボでセルビア人弾圧などが起きると、政治的雰囲気は急変します、ロシアのプーチン政権は、種々の対セルビア人工作をしているものと思われますが、コソボや西側がロシアの挑発に乗せられないことも重要です。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 12:07 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ムシャラフ後のパキスタン [2008年02月21日(Thu)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン2月21日付で、クリントン政権時に国防次官補だったGraham Allisonハーバード大学教授が、民主化したパキスタンは、アメリカの利害に適うようには行動しないだろうと指摘しています。

アリソンは、パキスタン人の64%がアメリカを最大の脅威とみなし、83%が米軍のアフガン駐留に反対、80%がアメリカがアルカイダやタリバンを自国内で追跡することに反対、そしてビン・ラディンはブッシュの4倍の人気がある等の数字を挙げています。

その上で、パキスタン政府がこの数字に示される国民の意思に従った政策をとれば、アメリカの対テロ戦争には、部分的に協力するどころか、反対することになるだろう。パキスタンで真の民主化が進むほど、少なくとも近い将来は、アメリカの利害に沿うような行動は取らなくなる、と警告しています。

ここで挙げられた数字を見れば、誰が大統領や首相であろうと、アメリカとの協力は命取りになりかねないのは明らかであり、その意味ではムシャラフは良くやっているという判断もあるでしょう。

しかし国民の政府への憤懣の原因は、「イスラムの敵アメリカ」との協力だけではなく、食料価格が高騰し、電力が十分供給されないひどい経済状況や、軍にばかり多額の予算が回るいびつな経済構造にもあると思われます。教育費の割合はアジアの中で飛びぬけて低く、成人識字率は5割しかありません。アメリカの対パキスタン経済支援のほとんどが軍関連費用というのも、このいびつさに拍車をかけています。子を養えない親が、子供をマドラッサ(イスラム宗教学校)に送り、そこで過激派が養成されることは、よく知られています。

結局、予測よりもはるかに公正な選挙が実施され、一部の裁判官や弁護士やジャーナリストが勇敢に政府に立ち向かっても、経済インフラや教育制度が改善されない限り、パキスタンは安定した国家への道は歩めないでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:24 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
コソボ独立の波及効果 [2008年02月19日(Tue)]
ワシントン・ポスト2月19日付でコラムニストのAnne Applebaumがコソボ独立へのロシアの反発について論じています。

それによると、コソボ独立で、グルジアのアプハジアや南オセチア、スペインのバスクやカタロニア地方などの独立運動に火がつくことが懸念される。特に、コソボ独立へのロシアの声高の反発は、かえってアプハジアや南オセチアの独立を煽ることになるかもしれない。また米国は大統領選に気をとられ、国際社会もグルジアに全く注意払っていない中で、権力に執着するプーチン一派は、グルジアで戦乱を起こしたがっているが、そんなことをすれば、20年前のミロシェヴィチと同様、予期せぬマイナスの結果を自らに招き寄せることになるかもしれない、言っています。

この論説は、コソボ独立についてロシアに静かな対応を求めるとともに、グルジアのアプハジアや南オセチアの独立を煽動しないよう牽制しようとするものです。

第一の問題については、ロシアもコソボ独立が既成事実となった今では、振り上げた拳の下ろし方を考えねばならないでしょう。

第二については、昨年中頃、ワシントンの一部で、「クレムリンは、グルジアで戦争を起こしてプーチン大統領の延命を図るだろう」という観測が流れましたが、3月2日にメドベジェフがロシア大統領に選出されるのはほぼ確実となっています。またプーチンの延命を画したと見られる側近一派も、最近はほとんど動きを見せていません。

一方、反ロシアだったグルジアのサーカシヴィリ大統領は、先月の大統領選の結果が振るわなかったことから、対ロシア姿勢を転換し、現在両国関係は改善に向かっています。また4月のNATO首脳会議でもグルジアのNATO加盟について具体的措置は用意されていません。

これらを総合すれば、今はコソボ独立に関してロシアの傷に塩を塗るようなことは控え、静かに対応をしていくべきではないかと思われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:57 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
コソボ独立と中台関係 [2008年02月18日(Mon)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン2月18日付で、ニクソン・センターのDrew Thompsonとナショナル・インタレスト誌編集長Nikolas Gvosdevが、中国はコソボに関するセルビアの対応を教訓にすべきだ、と論じています。

それによると、トンプソンたちは、中国が台湾独立に反対しているように、セルビアもコソボの一方的独立に反対はしているが、「国際社会の責任あるメンバーとして交渉によって平和的解決を図る」とも表明している。中国は台湾に対して経済的相互依存関係など多くの手段を持っているのだから、セルビアの教訓を学んで武力の行使は差し控えるべきだ、と言っています。

前に紹介したように、この二人は、コソボ独立前は、台湾のコソボ独立承認が、中国のコソボの独立承認の障害になることを懸念して、台湾の行動を制約することを提言しています。しかし、いったんコソボが独立を宣言し、西側諸国がこれを承認して既成事実となった現在は、中国は中台関係について、武力行使を抑制しているセルビアの例に見習うべきだ、との論を展開しています。

彼らは共に、保守系の論者であり、キッシンジャーなどのパワー・ポリティックス派に対して、価値観を重んじるニュー・リアリストと位置づけられています。

独立前の論説では、コソボ独立に注意が集中し、台湾の立場など考慮していないようでしたが、コソボ独立後は、「反対はするが武力行使はしない」コソボ方式を中国が見習うことで中台関係を解決することを提案しているわけです。

単なる思い付きの議論と言えばそれまでですが、国際政治の先例に基づく、一つの現実的解決の示唆とも言えるでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:55 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
| 次へ