CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
民間コントラクターが見たイラク情勢の好転 [2007年08月28日(Tue)]
ウォール・ストリート・ジャーナル8月28日付で、イラク治安部隊の訓練・警備、兵站、建設を請け負う民間コントラクター、American-Iraqi Solutions Groupの社長Carter Andressが、イラク情勢は好転してきた、と言っています。

アンドレスによれば、イラク人は叛乱側の暴力にはもううんざりしており、また叛乱側も疲れて来ている、またシーア派対スンニー派の内戦が起きる可能性も今年になってから減ってきており、毎日自動車でイラク国内を走り回っている自分にしても、実際に内戦のような状況を見たことはない、それに今はアメリカの庇護以外に選択肢がないことも皆わかって来ている、敵が敗北しつつあるこの時にアメリカは撤退してはいけない、と言っています。

これはアンドレスの立場上、当然の主張とは言えますが、彼が言っていることの中には、相当の真実も含まれているように思われます。

イラクの民衆が暴力にうんざりしているというのは、本当でしょうし、宗派間の殺し合いや自爆テロなどが永久に続くはずはなく、イスラムのジハードの伝統にしても、確固としたものではないでしょう。

かつて岡本公三らがテルアビブの空港でテロ事件を起こした時、あるイスラエルの新聞が、「アラブは卑怯者だ。自ら死ぬことが出来ないので、神風特攻隊の伝統のある日本人を使った」、と評した記憶があります。そのアラブ人が今は毎日のように自爆攻撃をしているのは、時の流れとしか考えようがなく、従って、時の流れが変わった時に、自爆テロも終わるでしょう。

叛乱への反感がどこまで国民全体のコンセンサスになっているのか、またそれがどういう形で叛乱勢力側に撥ねかえるのかは、現時点ではわかりませんが、その傾向が生じているという指摘には真実があると思われます。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 13:41 | イラク | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
アフガニスタンを見捨てるな [2007年08月27日(Mon)]
ロサンジェルス・タイムズ8月27日付の社説は、イラクとアフガンを対比させ、イラクは希望が持てないが、アフガンはまだ救済可能であり、しかもアフガン戦争はイラク戦争と違い、9.11テロとの戦いとして国際的な承認の下に始められたのだから、アフガンにもっと努力を傾注すべきだと論じています。

社説は、アメリカがタリバン敗走後に十分な軍事力と資金を注ぎ込まなかった結果、アフガンではタリバンが復活し、米軍の死傷者数が急増、またアヘン密売組織のボスたちが政治と経済を支配し始めている、

しかしイラクと違い、アフガンには全国的な「宗派抗争」はなく、正統な政府も存在している、問題はアフガン=パキスタン国境地域のパシュトゥーン人の反乱だが、これはパキスタン領内のアル・カイダの聖域に圧力を加えるなどの取り組みや、経済発展で解決できるだろう、と言っています。

そしてイラクから撤退しようという今、敢えてアフガンに力を入れるのは、イラクに続いてアフガンでも失敗すれば、アメリカは弱いと見られて危険になるからだ、しかし成功すれば、西側の国が石油等の資源を持たないイスラム教国の友になれることを示せる、それにアフガンに対しては、国家建設を約束している、として、

年間100億ドル程度の援助を行い、西欧諸国軍の役割を強化し、民間人の犠牲が多く出る空爆依存の戦術から、援助が成果を上げるまで一定地域を保持する戦術に転換すること等を提唱しています。

この社説は、アフガン戦争が国際的な正当性をもって始められたことを重視しすぎています。戦争開始の正当性と、戦争がうまくいかない場合の影響とは、分けて考えるべきです。米軍がイラクで失敗すれば、それが及ぼす影響は、アフガンにタリバンやアル・カイダが残存することが与える悪影響をはるかに超えます。国際政治においては、ある事態がどのような経緯で出現したかより、出現した現実の事態にどう対処するかが重要な場合が多いのです。

ただアフガン戦争は、米国では保守のみならず、このロサンジェルス・タイムズなどリベラルからも支持があり、国際的にも幅広い支持があることは注意しておく必要があります。日本では、今後テロ特措法の論議が行なわれることになりますが、その際もこれは十分考慮すべき点でしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 17:03 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
フランスはイラクで何が出来るか [2007年08月26日(Sun)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン8月26日付にイラクを訪問してきた クシュネル仏外相が寄稿、フランスはイラク問題で貢献する用意があると述べています。

クシュネルは、これまでフランスはイラク問題を無視してきたが、安保理常任理事国としてフランスには特別の責任がある、イラクの危機は、宗教的狂信や文明の衝突など現在世界の諸問題の核心に関わるものであり、イラクだけでなく、地域全体、ひいては世界に影響があり、それに背を向けている訳にはいかない、

それにフランスは、2003年の侵攻には参加していないし、イラクとは長年深い関係を保ってきている、その上アメリカとは同盟国であり、イラク問題に新しい視点を提供し得る、

具体的にはフランスは、国民和解政府の樹立のために仲介者としての役割を果たし、国連や周辺諸国にはイラクの安定化のためにより大きな役割を果すよう求めていく、また、米軍の即時撤退は求めない、と言っています。

フランスはサルコジ政権になってから、対米政策、そして対イラク政策を変更して来ており、今回のクシュネル外相のイラク訪問はその一環です。このクシュネル論説は、フランスがシラク時代とは違い、イラクに関して対米非難をするのではなく、出来れば協力する用意があることを示しています。

フランスがイラクでいかなる有効な役割を果たしうるのか、難しい点もありますが、米仏協力が行なわれるのは良いことです。イラク情勢がここまで来た以上、開戦時の決定の正しさなどを云々するのではなく、現在のイラク問題に取り組む必要があります。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:30 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
イラク後のアメリカの中東戦略 [2007年08月26日(Sun)]
ワシントン・ポスト8月26日付でコラムニストのDavid Ignatiusが、ブッシュ政権はイラクで失敗する可能性を前提に、イラン封じ込めをアメリカの中東政策の最優先政策にしようとしている、と論じています。

イグネイシャスは、ブッシュ政権は主要スンニ派アラブ、特にサウジとの政治軍事同盟強化を中核に、イラン封じ込めに重点を置こうとしているが、こうした政策転換は、イラン革命後の1980年代の米戦略に酷似しており、一種の「未来への回帰」だ、と言っています。

そして、ブッシュ政権は、安保理で3度目の対イラン制裁決議を採択させ、イランの革命防衛隊をテロ組織に認定する準備を始めている、革命防衛隊がテロ組織と認定されれば、防衛隊所有の銀行や商社、核計画に関わる技術系企業は締め上げられ、革命防衛隊が基盤のアフマディネジャド大統領と穏健多数派との間にも楔が打ち込まれることになろう、

しかし、「未来への回帰」ということは、すでに経験したことの繰り返しということであり、過去にそうだったように、サウジに武器供与しても恒久的安全は保障されないし、アメリカが専制的スンニ派政権を支持しても、イスラム過激派の魅力が減じることにはならない、ただ、この新しい政策は、イラクについて最悪を想定するという現実主義の美徳は備えている、と言っています。

今後、アメリカの中東政策の中心がイラン封じ込めになるというのは、イグネイシャスの指摘の通りであり、彼が示唆するように、アメリカがイラクで失敗すれば、アメリカの足元を見たイランとアメリカが対話する可能性は一層低くなるでしょう。

ただイグネイシャスは米国の対中東政策の転換を、イラン革命後の米政策の変更との比較で、「未来への回帰」と言っていますが、決定的に違うのはサダム・フセインの不在です。1980年代のイラン封じ込めの最前線にはサダム・フセインがいましたが、彼が消え、イラクにシーア派政権が樹立された現在、イランの戦略的地位ははるかに強化されています。つまりイラン封じ込めはそれだけ1980年代よりも困難な課題となっています。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:28 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
超大国になる条件を欠く中国 [2007年08月24日(Fri)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン8月24日付でコラムニストのWilliam Pfaffが、今の中国は超大国になるために必要な条件を欠いている、と論じています。

パフは、米国は中国が軍事的・経済的超大国になると思い込んでおり、ヨーロッパは中国との経済競争を心配するというように、世界中が中国の経済成長に幻惑されているが、中国が本当に超大国になるには、自前の技術が不足しているし、産業の高度化も進んでいない、外資が入っていない産業分野では、今でも毛沢東時代の尊大さと無責任がはびこっている、

またそれよりもなお深刻な問題は、膨大な後進的農村人口の存在であり、農村部の貧困をこのまま放置しておくと、近い将来革命が起こる可能性もある、と言っています。

パフはヨーロッパに住む評論家であり、ヨーロッパ的なシニカルで冷静な判断をする人です。今の中国は、まだ皆が言っているほど立派な国ではない、という彼の判断はおそらく正確なのでしょう。

近い将来、中国で政治革命が起きるのは、彼の考えでは、可能性があるというよりも確実だ、とまで言っているのは、現在の中国情勢の分析に基づくというよりも、彼の直感でしょうが、国内に鬱積している不満を考えると、あながち根拠のない直感とは言えません。

ただ、中国がこの十数年、経済成長を続けてきたことは事実です。中国経済が自壊する可能性を否定するわけではありませんが、情勢判断というのは、心配すべきことを心配すればよいのであって、心配不要のことは後回しにしてよいのです。中国経済の自壊は中国の人が心配すべきことであり、日本が心配することではありません。

日本が真に心配すべきは、中国の経済成長と軍備拡大が今のまま続き、東アジアの安定を脅かし、日本の脅威となることです。中国が国内にいかに矛盾を抱えていても、それを上回って中国の成長が持続する可能性がある、ということから目をそらさないことが肝要です。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:25 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(1) | トラックバック(0)
テロ組織が仕掛けるサイバー戦争 [2007年08月22日(Wed)]
米ボストン・グローブ8月22日付で、米軍情報部出身の情報専門家だったJim Meinickが、過激イスラミストやテロ支援組織の反米ウェブ・サイトの急成長と跳梁ぶりを指摘し、彼らが仕掛けるサイバー戦争の危険を警告しています。

メイニックは、最近エストニアで対独勝利記念碑の撤去問題をめぐって、親ロシアのハッカーがサイバー戦争を仕掛け、エストニア政府や銀行のサイトが麻痺してしまったことや、フロリダで禁止されたイスラム過激派のサイトがマレイシアに移り、マレイシアで禁止されると、再び装いを変えてフロリダに舞い戻った例を挙げ、

テロ支援組織やイスラム過激派はたゆみなく技術を高めており、今や、サイバー空間を介して反米、反イスラエル感情を煽り、破壊活動に必要な情報や技術を集積し、ハッカーやジハーディストの訓練を行ない、さらには本来テロに無関心なサイバー犯罪者を金で雇ってサイバー戦争を仕掛けさせることまでしている、と指摘しています。

そして、過激派の動向を知るために、この種のサイトは野放しにしたほうが良いという主張もあるが、彼らの跳梁ぶりはすでに情報入手のメリットを超えている、
 
米議会はこの問題に関心を示しているが、今後は、国際的な協調の下に、相当な努力を傾注して対処しなければならない段階にきている、と結んでいます。

この論説は貴重な視点を提供してくれています。

言論の自由を標榜する米国にとり、言論統制は常に厄介な問題です。イラク占領直後、米軍は武力では勝ったが言論では負けたと言われたように、アル・ジャジーラなどのアラブメディアは反米一色でしたが、もし、当時米軍が日本占領時のような厳しい言論統制を行い、サダム・フセインの悪と、民主主義の善以外の一切の報道、特にアラブ・ナショナリズムを鼓舞する言論を禁じていたならば、サドル派の反米活動は起きなかったかもしれません。

しかし、今となっては反米言論を封じることは不可能でしょう。言論が、犯罪か、公序良俗の違反に関わる場合にしか、言論統制を行なえないのが、アメリカの苦しいところです。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:30 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ロシアのナショナリズム政策 [2007年08月20日(Mon)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン8月20日付で、歴史家のPaul Kennedyが、ロシア情勢について論じています。

ケネディは、ロシアが石油価格の高騰という事情の下に自信を取り戻し、拒否権を持つ安保理常任理事国として、コソボの独立を阻止し、イランや北朝鮮に対する安保理の行動に制約を加え、「パイプライン外交」で近隣国を脅すなど、強権的な対外姿勢を示すようになったが、これは敗北と屈辱を味わった伝統的なパワー・エリートがその経済力・権威・脅しの能力を回復しようとしているのであり、特別異常なことではない、むしろ今のロシアは帝政時代やソ連時代を知る者にはなじみの言動をしている、

それよりも不安を感じるのは、プーチン政権が民族的・民族主義的な誇りを強めようとして行っている政策の方だ、一つは、祖国愛・伝統の尊重・外国嫌悪を標榜するナーシという青年団体の育成であり、もう一つは高校の歴史教師のための新指導要領の作成だ、

プーチン政権はこれによって次世代を「超ロシア主義者」に育て、また、政府の見解に沿って歴史を書き直そうとしているが、これは21世紀がどう展開するかに大きな影響があるだろう、と言っています。

これは、ケネディの歴史家としての見識に裏付けられた論説です。彼が言うように、ロシアにおける歴史の書き直しやナーシの活動は懸念を呼び起こすものです。ロシアが自国の歴史、伝統、文化に誇りを持つのは良いのですが、他国に対して自国の優越性を誇示するようになると、ファシズム化の懸念が出てきます。

ロシアはなかなか変わらない、プーチン時代はロマノフ朝・共産主義時代とつながっており、民主化が試みられたエリツィン時代というのは、ロシア史における逸脱だったと捉え、対ロ政策もそうした前提で考えていくべきではないかと思われます。




Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:38 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
中東和平会議成功の条件 [2007年08月20日(Mon)]
ワシントン・ポスト8月20日付で、前イスラエル国防副大臣のEphraim Snehが、ブッシュ大統領の提唱する中東和平国際会議の成功は、参加国が十分な準備をして臨むかどうかにかかっている、と論じています。

スネーは、イスラエルとパレスチナの両当事国が最終的地位について合意に至るには、イスラエルはイスラエル主権下の統一エルサレムを諦めること、パレスチナは難民の帰還権を諦めることが条件になるが、両国民は指導者らが考えるよりも、賢明でプラグマティックだからこれは可能だ、

また援助国は、アラブ諸国も含め、アッバス政権に具体的な支援を約束する準備をして会議に来るべきだ、とした上で、

今回の会議に最小限必要とされる条件--例えば、最終的地位合意のための原則の承認や、この合意の詳細な取り決めについて18-24ヵ月という現実的な時間割の設定、さらに西岸の開発計画やガザ再建計画など--を列挙しています。

そして、この種の会議は、実感できる結果が出ないと失望につながり、そのことがさらなる暴力と破壊につながる、だからこそ真剣な準備、コミットメント、大胆なリーダーシップが不可欠だと結んでいます。

この論説はブッシュ政権が推進している中東和平会議の成功を願い、そのための必要条件を書いたものです。しかしスネーが正しいことを期待したいところですが、この時期の中東和平国際会議が成功する可能性は少ないでしょう。

オルメルトもアッバスも指導者として弱すぎますし、パレスチナは西岸とガザに分裂しています。スネーがイスラエル・パレスチナ両国民は賢明でプラグマティックだというのは、その通りでしょうが、アッバスやオルメルトがそうしたプラグマティズムを体現し、大胆な決断ができるかというと、アッバスはアラファトではなく、オルメルトはシャロンやラビンの器ではありません。

ただこの論説は、和平プロセス前進のための条件を示したものとしては価値があります。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:49 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
上海協力機構の演習 [2007年08月15日(Wed)]
ウォール・ストリート・ジャーナル8月15日付で、アメリカの保守的軍事専門家であるRichard D. Fisherが、8月8日から17日まで行なわれる上海協力機構の演習について論じています。

フィッシャーは、今回の共同演習は、中国やロシアからの兵員4000名と航空機100機を含み、2005年の演習の三倍の規模になっていること、目的はテロリストや過激イスラム主義者対策とされているが、民主主義推進者も警戒すべき対象としていること、また、小規模ながら、中国が長距離投入能力、つまり、台湾介入能力も示したことを指摘した上で、

この演習は、1956年のハンガリーや1968年のチェコのような、崩壊寸前の独裁政権を支持する作戦遂行能力に似ている側面がある、上海協力機構も内部は一枚岩というわけではないが、こうしたことを見ても、中国の能力と野心には端倪すべからざるものがある、と言っています。

軍事専門家として、上海協力機構の動きを良く見ている論説です。

1996年の上海協力機構の発足時にすでにそういう構想があったのかどうかはわかりませんが、現状は確かに、民主化の波で崩れそうな独裁政権の支持が、表向きのスローガンである対テロ対策やイスラム過激主義者対策に加えて、十分に参加国を結束させる共通関心事となり得る状況になっています。それは中国が元々と希求していたものであり、中国の思う壷となってきたとも言えます。また、中国の長距離投入能力が、台湾侵攻と、崩壊しそうな政権支持の両用に使えるという観察にも鋭いものがあります。




Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:14 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
サルコジ大統領の快挙 [2007年08月14日(Tue)]
英サンデーテレグラフ8月14日付は、フランスのサルコジ大統領が、夏休みを米東海岸で過ごしてブッシュ家の接待を受け、大きな話題を呼んだことを取り上げています。

記事は、ブッシュ家の別荘に近い場所を休暇先に選んだサルコジは、パリ市大司教の葬儀参列のためにいったんパリに帰る羽目になったが、トンボ帰りしてブッシュ家との昼食の約束を守り、米仏関係改善に真剣であることを示して大変な効果をあげた、ブッシュ大統領はイラク問題では合意できないが、サルコジ氏は正直に会話をかわせる友だと述べ、サルコジも戦時中にアメリカがフランスのために払った犠牲に感謝の意を表明して、シラク時代に冷え切った両国の関係が上昇機運にあることを示した、と言っています、

就任後3ヶ月のサルコジは、米仏関係改善以外にも何かと話題を呼び、しかも成功をおさめてきています。中でも快挙は人事であり、15人の閣僚の内7人に女性を選び、野党からも実力者を何人も引き抜いていますが、これらは単なる政治戦術ではなく、実際の政策に大きな影響があるでしょう。例えば外相に「国境なき医師団」の創設者クーシュナー氏を起用していますが、同氏は「医師団」の仕事を通じて、中東やアフリカの紛争地域の政府や反政府勢力にも顔がききます。さらに、欧米の金融界を驚かせたのはIMF人事で、次期専務理事に社会党の大物ストラウス・カーン氏を推しています。これはほぼ実現するものと思われ、そうなると、フランスは欧州中央銀行総裁、WTO事務局長、そして欧州復興開発銀行総裁に加えて四つ目の国際機関のトップの座を獲得することになります。

サルコジ氏の強引で目立ちたがり屋的な手法に対しては、勿論批判もありますし、失業対策、EUの今後の方向性、フランス経済の復興、国際紛争問題解決など、抱える課題は大きく、どこまで成果を上げられるかはまだわかりません。

しかし、党派に関係なく実力者を周囲にそろえる自信、そして彼らを使って自分の方針を推進し、フランスの威信を拡大しようとするサルコジ大統領の動きに、欧米の指導者たちは注目しています。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:51 | 欧州 | この記事のURL | コメント(5) | トラックバック(0)
| 次へ