中国の協調外交
[2007年06月28日(Thu)]
6月28日付のワシントン・ポストで、元米国務長官補佐Richard Holbrookeが、中国の北朝鮮、ダルフール、ミャンマーに関する政策が最近変わってきたことをとりあげ、これが中国の外交政策の変化、ひいては米中協力関係の拡大につながるかどうかが注目される、と論じています。
ホルブルックは、六カ国協議で合意が成立したのは、昨年北朝鮮が核実験を行い、これに対して中国が隣国の核武装は許せないとして圧力をかけたからだ、またダルフールについては、中国はスーダン支援で北京オリンピックが「民族虐殺オリンピック」となるとの国際的批判に直面し、スーダンにも圧力を加え始めた、さらにビルマについても、中国はアメリカ代表とビルマ政府関係者が北京で会談できるよう仲介しており、これをきっかけに中国はミャンマーに対しても圧力を加えていくかもしれない、と言っています。
ホルブルック自身、中国外交が変わったとは断定していませんが、これら3例はそれぞれ吟味する必要があります。まず中国が北朝鮮の核の廃絶を求めているかどうか定かではなく、むしろ中国は北京オリンピックまでは北朝鮮情勢の混乱を避けたい、つまり核廃絶を北に迫って混乱を起こすようなこと避けるだろうと思われます。そうだとすれば、米中の戦略的利害は必ずしも一致しないことになります。
ダルフールについても、スーダン政府に圧力を加えるのは人道的見地からではなく、北京オリンピックに傷をつけないためでしょう。ビルマについては、未だ材料不足であり、今後の推移を見るしかありません。
要するに、北京オリンピックが中国の当面の外交政策の重要な要素になっているということであり、何としても北京オリンピックを成功させたい中国は、少なくともオリンピックまでは、東アジア情勢の安定を望むと共に、国際的に非難されるような外交政策はとらない、ということでしょう。
ホルブルックは、六カ国協議で合意が成立したのは、昨年北朝鮮が核実験を行い、これに対して中国が隣国の核武装は許せないとして圧力をかけたからだ、またダルフールについては、中国はスーダン支援で北京オリンピックが「民族虐殺オリンピック」となるとの国際的批判に直面し、スーダンにも圧力を加え始めた、さらにビルマについても、中国はアメリカ代表とビルマ政府関係者が北京で会談できるよう仲介しており、これをきっかけに中国はミャンマーに対しても圧力を加えていくかもしれない、と言っています。
ホルブルック自身、中国外交が変わったとは断定していませんが、これら3例はそれぞれ吟味する必要があります。まず中国が北朝鮮の核の廃絶を求めているかどうか定かではなく、むしろ中国は北京オリンピックまでは北朝鮮情勢の混乱を避けたい、つまり核廃絶を北に迫って混乱を起こすようなこと避けるだろうと思われます。そうだとすれば、米中の戦略的利害は必ずしも一致しないことになります。
ダルフールについても、スーダン政府に圧力を加えるのは人道的見地からではなく、北京オリンピックに傷をつけないためでしょう。ビルマについては、未だ材料不足であり、今後の推移を見るしかありません。
要するに、北京オリンピックが中国の当面の外交政策の重要な要素になっているということであり、何としても北京オリンピックを成功させたい中国は、少なくともオリンピックまでは、東アジア情勢の安定を望むと共に、国際的に非難されるような外交政策はとらない、ということでしょう。