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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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金融制裁の効果 [2007年02月28日(Wed)]
2月28日付けのワシントン・ポストでコラムニストのDavid Ignatiusが、これまで経済制裁は効果がないと思われてきたが、最近のイランや北朝鮮に対する金融制裁は効果を発揮しており、経済制裁には効力なしとの通説は間違っているかもしれない、と論じています。

イランや北朝鮮に対する金融「制裁」は、米国の愛国者法の規定に基づくもので、特定の金融機関を「資金洗浄の懸念先」と指定できます。そして指定された銀行は、米の金融システムから切離され、ドル決済が出来なくなります。

イグネイシャスは、こうした措置がとられると、今のグローバル化された世界では、アメリカだけでなく世界の主要銀行すべてに影響していく。マカオのバンゴ・デルタ・アジアが2005年9月にブラック・リストに載ったとたん、そこの北朝鮮口座がマカオ当局によって凍結されただけでなく、他のアジアの銀行も北朝鮮との取引に注意するようになった。イランの場合も、昨年9月と今年1月に2つの主要銀行がこうした措置の対象となった結果、欧州や日本の銀行もイランとの取引を控え始めている、と報告しています。

イグネイシャスによれば、レヴェイ財務次官はこの措置の目的を、「国連決議を無視することがいいのかどうか、当事国内部で議論を喚起する」ことにある、と述べたそうです。

この論説は、金融がグローバル化し、かつドルが基軸通貨という状況の中で金融制裁がもち得る大きな威力を指摘したものです。国際政治の中で使える軍事力以外の一つの良い手段が見つかったと言えます。今後、乱用を慎みつつ、上手く使って行くべきでしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 10:20 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
イラン少数民族への支援 [2007年02月27日(Tue)]
米戦略国際問題研究所のEdward Luttwakが2月27日付のウォール・ストリート・ジャーナルで、米国はイランに関しては、交渉や共存策ではなく、イラン国内の民族解放勢力を支援していくべきだと論じています。

ルトワックは、イランは、隣接するアフガニスタンで敵対してきたタリバン政権が倒され、イラクも仇敵サダム・フセインが排除された後、親イランの政府が出現したことから、その立場は著しく強くなった、そうしたイランに対し、アメリカではイランとの交渉やさらにはデタント(平和共存)すら議論されているが、イランは多民族国家である上に宗教的対立もあり、また現過激派政権への国民の反発も強く、脆弱な要素がたくさんある、そうしたイランに対しては、デタント策ではなく、イラン国内の民族解放勢力を支援する外交を行うべきだ、と主張しています。

イランが多民族、他宗教国家で、国家の統一維持について様々な問題を抱えていることは、ルトワックの指摘の通りです。イランは国内のクルド人の分離運動が刺激されないためにも、イラクの分裂は望まないとも言われています。

しかしイラン国内の少数民族を支援するというルトワックの提言は、現実的とは思えません。イラン人は少数民族も含め反米的であり、彼らといえどもアメリカのあからさまな支援は望まないでしょう。むしろ、アメリカがイランの少数民族支援という内政干渉を行えば、イランは強く反発し、ナショナリズムが高まってかえって逆効果になりかねません。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:14 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
イランに軟化の兆し? [2007年02月23日(Fri)]
イランは安保理決議の受け入れを拒否しましたが、その一方で、2月23日付のワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは、イランの態度軟化の可能性を指摘する論説を載せており、注目されます。

ワシントン・ポストのコラムニストDavid Ignatiusは、欧州とイランの間で昨年9月に成立したと称される「紳士協定」なるものをイランが回覧させていると報じ、イラン側は対話の再開を求めている、これは安保理決議に中国やロシアまでが参加したことや、米財務省による金融締め付けがイランにショックを与えたからだろう、と観察しています。

またイラン専門家のAbbas Milaniもニューヨーク・タイムズで、イラン内部で様々な妥協的動きがあることを報じ、イランは、アメリカが艦隊をペルシャ湾に派遣したことや石油価格の下落、そして国連決議に中国、ロシア、そしてEUまでが参加したことに脅威を感じている、と指摘し、米欧が毅然とした態度を続ければ問題解決のチャンスがある、と論じています。

北朝鮮の場合と同じように、金融制裁は非常に効果があるもののようです。また空母機動部隊の派遣も効果があったようです。

そしてイグネイシャスやミラニの観察が正しいとすると、北朝鮮に次いでイラン問題についても、妥協の可能性が出て来たということになります。米外交が持ち直すことは、同盟国日本として歓迎すべきことであり、その成功を期待したいものです。











Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:31 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
英軍のイラク部分撤退 [2007年02月22日(Thu)]
イラクに駐留する英軍の一部撤退が発表されましたが、2月22日付のニューヨーク・タイムズでイギリスのProspect誌国際版編集長Bartle Breese Bull が、英軍が一部撤退しようとしているイラク南部の情勢について論じています。

ブルは、英軍の占領でこの地域の情勢が好転し、住民の支持も得ていることを報告した上で、イラク軍に任せて米軍が撤兵できるような状況にはないバグダッドなどと違い、ここは、外国軍がいつまでも駐留を続ければ、かえってイラクの自立を阻害するという論が成り立つ地域かもしれない、と言っています。

このブルの論は、元々イラクは歴史的に対立や暴力の絶えなかった地域であり、従ってそうした地域は、比較的ましになって、外部に脅威を与えず、ある程度民主的な政府を持つようになればそれで良いのであって、あとは成り行きに任せれば良い、とするイギリス的な現実主義の考えに立つものです。

その結果は、おそらくイラク南部はシーア派勢力圏として確立され、治安はシーア派民兵が維持するということになるでしょう。それを統一イラク全体の観点からどう扱うかは、今後の政治の問題です。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:30 | イラク | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
対イラン圧力強化論  [2007年02月21日(Wed)]
2月21日付のウォール・ストリート・ジャーナルで米AEIのMichael RubinとDanielle Pletkaが、対イラン関与の考えを批判し、イランが安保理決議に従わないのなら圧力を強化すべきだ、と論じています。

ルービン等は、イランとの直接交渉を促す声が各方面から上がっているが、イランは「関与」を西側とは異なる捉え方をし、やりたいことをやるのに悪用してきた。また西側はイラン政治の本質を誤解している、大統領は単なるお飾りであり、ハメネイが最高指導者だという土台は揺るぎない、また核やテロについてイラン指導部内で(レトリックの違いはあっても)本質的な見解の相違はない、西側が「関与政策」によって「穏健派」を元気づけられると考えるのは自己投影にすぎない、と言っています。

そして西側は既にウラン濃縮の全面停止から一時停止へと要求を下げており、安保理も態度を明確にした以上、関与への路線変更はイランに西側の決意が揺らいでいると思わせるだけであり、今は圧力を強化すべきだ、と言っています。

イランとの直接交渉を促す圧力が強まっていることを危惧した論説です。この中で、穏健派に期待をかけることや、イラン指導部内に意見の対立があると見るのは間違っている、というのはおそらく正しい指摘でしょう。しかしだからと言って、イランとの直接交渉を排除する考えには賛成しかねます。

安保理は決議を無視された以上、更なる制裁を目指して団結すべきですが、それでイランがウラン濃縮を停止するとは思えません。結局イランの問題は、イランの安全保障上の懸念とイランが欲する中東での役割にどこまで配慮するかという、より大きな問題に取り組むことなしには、解決しえないでしょう。

そうしたときに、外交上の主要な手段である米・イラン間の「直接対話」を排除するというのは、賢明な策とは思えません。





Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:27 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ブッシュのプーチンへの思い入れ [2007年02月20日(Tue)]
コラムニストのAnne Applebaumが2月20日付けのワシントン・ポストで、米首脳はロシア首脳への妙な思い入れの習慣を止めるべきだ、と論じています。

アップルバウムは、アメリカを強く非難したプーチンのミュンヘン演説に、ライス国務長官をはじめ、多くの人が驚きを表明したが、今さら驚くこと自体が驚きだ、プーチンがKGB出身で、アメリカに対する偏執狂的猜疑心をもち、西側の諸団体をスパイと見なすようなメンタリティの持ち主であることは周知の事実のはずだ、

ところがブッシュ大統領はプーチンの目を見て、「率直で信頼に値する」人物と判断し、自分の牧場に招待した。またクリントン大統領は、エリツィンの当選を後押しするためにロシアを訪問した。米大統領は、他の国の指導者に対してはこうしたことは全くしないのに、なぜかロシアの指導者に対しては正常なバランスを失しがちだ、と指摘しています。

そして、米ソ首脳同士の個人的友情で世界を核戦争の破局から救う可能性があった冷戦時代の首脳会談の光輝をまだ引きずっているのかもしれないが、こういう習慣はもう止めるべきだ、と提言しています。

米大統領がロシア首脳に対して持つ複雑な心理の一端を描いた論説ですが、ここで指摘されるような現象は確かにあります。ロシアという国の神秘性、異質性の意識がこうした対応に表れるのでしょう。ロシアとも普通につきあい、物事をあるがままに見るべきだ、というアップルバウムの提言は留意に値します。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 10:40 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
北朝鮮の取り得? [2007年02月18日(Sun)]
米BloombergのコラムニストWilliam Pesekiが、今回の六カ国協議で、よく北朝鮮が重油5万トン(1400万ドル相当)という廉価な見返りで妥協したものだと述べ、その理由を分析しています。

ペセキは、北朝鮮は高度な偽札製造技術を開発したので少しぐらいのドルの多寡は気にしなくなっているか、それとも本当に困って金正日がキャビアやコニャックを買えなくなっているか、そのどちらかだろうと、ユーモアを交えて推察しています。

確かに、重油5万トンというのは、これだけの交渉を妥結させる報酬としては、いかにも少ないものです。しかし北朝鮮側が払う代償はというと、これはゼロに等しい。黒鉛炉の運転停止と査察などは、1994年から2002年までやっていたことであり、もう一度やるのは何でもない。また原爆製造用のプルトニウムはおそらく既に蓄積があり、この先交渉が進展しなければ、いつでも理屈をつけて製造を再開できるから、全く痛痒を感じない。つまり重油5万トンは丸儲けというわけです。それで一応中国の顔も立ち、アメリカの顔も立たせて恩を着せられるならば、こんなうまい話はないのです。

逆に言うと、今回の合意は、重油5万トンと引き換えに、黒鉛炉の運転を一定期間停止し、査察を受け容れるという初期段階の取り決め以外は、ほとんどが実現しない可能性があるということです。シニカルにも聞こえる悲観的観測ですが、そうなる可能性は半ば以上あるかもしれません。





Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:18 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
イランのイラク介入 [2007年02月18日(Sun)]
イラン製の強力な武器が見つかるなど、イランがイラク紛争に介入していることがイラク駐留米軍から指摘され、アメリカではイランにどう対処すべきかについて議論が起きています。そうした中で、ジョージタウン大学のDaniel L. Byman教授が2月18日付のワシントン・ポストで、イランのイラク介入は今さら驚くことではない、と冷静な論を展開しています。

バイマン教授は、イランはもともと反米的であり、またこれまでも周辺諸国に介入し、ボスニア、レバノン、パレスチナ等、遠隔の地でもテロリストやゲリラ組織を訓練してきた、

しかしイラクにおけるイランの利害関係は多岐に渡っており、イランは米軍への直接攻撃を扇動するよりも、クルドやスンニ派地域を巻き込んだ混乱を利用することに利益を見出している、むしろ米国が撤兵すると、イラクの混乱はイランの手にあまるようになり、かえってイランの立場は弱まるかもしれず、それは米国にとってチャンスとなるかもしれない、と言っています。

これはアメリカによるイラン攻撃に反対する立場の論説であり、イラク戦がすでにアメリカ国民の支持を失い、イランに対してイラク戦の過ちを繰り返すのは愚の骨頂だという、アメリカの知識層に広がる雰囲気を反映しているものでしょう。

こうした雰囲気は、今後の事態の変化によっては変わる可能性があります。ただ、バイマンのように、事態をイランの側に立って冷静に分析することは、それ自体価値があります。










Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 11:42 | イラク | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
対北朝鮮信頼醸成措置 [2007年02月15日(Thu)]
元米国務省職員Bennett Rambergが、2月15日付けのインターナショナル・ヘラルド・トリビューンで、北朝鮮が誤解や誤認から核ミサイルを発射することがないよう、アメリカは北朝鮮との信頼醸成に取り組むことが必要だと主張しています。

周知のように、今回の六者協議合意は、北朝鮮が既に保有している核兵器や密かに進めてきたウラン濃縮計画については全くふれていません。そこでランバーグのように、北朝鮮の核保有をやむを得ない現実と認め、アメリカの当面の目標を、核の拡散防止と使用阻止におこうという主張が出てくることになります。そして北朝鮮の核攻撃は、アメリカの抑止力で阻止できるとするなら、唯一の危険は、アメリカが先制攻撃をしてくると北朝鮮が誤認して、核ミサイルを発射してしまうことであり、それを回避するには、かつて冷戦下で行われたように、北朝鮮との信頼醸成に取り組むべきだということになります。

北朝鮮による核の保有は仕方がない、とする見方がワシントンで広がりつつあることを良く示している論説です。北朝鮮の核はアメリカの抑止力で対応できると考えるなら、誤認による危険を防止するための信頼醸成が必要だというのはそれなりに論理的です。しかし、これは一方で、今後の北朝鮮との交渉で、既得の核兵器の所在とその破棄、そしてウラン濃縮計画の問題を真剣に追求しない態度につながりかねない雰囲気を感じさせる論調です。アメリカのこうした傾向について、今後注意していく必要があるでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:32 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
六者協議合意 [2007年02月14日(Wed)]
2月14日のウォール・ストリート・ジャーナルの社説は、六者協議合意について一応評価しながらも、北朝鮮が核を廃棄するまでには、まだ多くの交渉が必要であり、楽観はできないと論じています。

社説は、1994年の「枠組み合意」と比較して、良い点として、「枠組み合意」と違って軽水炉の提供はなく、また重油も北が当初手にできるのは5万トンだけで、残りの95万トンは、北が合意の約束――60日以内に核計画の全容を明らかにし、最終的に核計画を破棄する――を守れば提供されることになっていること、また、中国が参加して合意の成功を重視していることを挙げています。

その上で社説は、合意にはあいまいさがあり、約束が実行されない恐れがあること、金が今回の合意を、ミサイル発射や核実験強行という瀬戸際政策の成果として国内で誇示する可能性があることを指摘し、さらに、マカオの銀行にある北朝鮮資金の凍結解除は金政権の強化につながると言っています。
 
社説が指摘するように、今回の合意は、中国が参加したという点に大きなメリットがあります。中国は議長国として面子がかかっているので、合意の実施にある程度責任を持ち、北朝鮮の勝手にはさせないだろうと期待できます。

また次回の会合が3月19日と決まっているのもよいことです。今後合意に沿って事態が順調に進むかどうかは、これまでの経緯を振り返ると、この社説と同様、悲観的にならざるを得ませんが、とりあえずは一歩を踏み出せたということでしょう。

なお、社説には、拉致問題のために最初の支援には加わらないとしている日本の姿勢についての言及はありません。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:51 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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