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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イラク増派の必要 [2006年12月29日(Fri)]
10日間の中東訪問から帰った米民主党系の上院議員Joseph Liebermanが、12月29日付けのワシントン・ポストで新たな戦略の下の米軍増派の必要を説いています。

リーバーマンは、イラクは、イラン支援の過激派やテロリストと、アメリカが支持する穏健派や民主主義者との戦いの主戦場であり、そこでの勝敗は世界的な影響を及ぼすと見ています。従って、イラクで勝利することが絶対必要であり、それには、まずバグダッドの治安を回復させ、穏健派に自信を持たせることが先決で、そのために新戦略の下に増派を行うことが必要だ、と言っています。

またリーバーマンは、自分がイラクで接触した米軍の佐官級は、兵力を増強すればこの戦いは勝てる、と言っていることも報告しています。

たしかに、イラク人の中でも、民主主義を支持する穏健な人々が、米軍の勝利を願っているだろうことは想像にあまりあることであり、現地の米軍中堅幹部としても、とうてい彼らを見捨てられない心境であることもよくわかります。

リーバーマンのような民主党系の戦略家がイラク増兵論を支持しているところを見ると、イラク早期撤兵は、民主党支持者でも、少なくともインテリや戦略家の間では、コンセンサスとはならないと思われます。

 

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:41 | イラク | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
台湾国民党の課題 [2006年12月25日(Mon)]
今回の台湾地方選における国民党の不振を反省して、国民党議員の程詩郁と焦鈞が12月25日付の台北タイムズで国民党の将来を論じています。

論説は、民進党の評価が最低だった時期にあってなお国民党が勝てなかったのは、台湾人が民進党に対する期待を棄てていず、国民党には期待していないからだ、とはっきり認めています。

そして、国民党は若返らねばならないが、若返りしようにも旧世代の二世議員しか人がいなく、彼らはいざ改革となると尻込みをする、と歎いています。しかし特に具体案は示さず、国民党は民主主義と地方分権を中心にすべきだと言っているだけです。
 
国民党は、陳水扁の再選で一時は将来への希望を失いましたが、その後、立法院選挙に勝ち、また中国の平和攻勢と馬英九の人気で志気を回復していました。しかし、今回の地方選で、台湾人の民進党支持に抜き難いものがあるのを知り、再びペシミズムが戻って来たことが、この論説から感じられます。

台湾意識の向上という長期的トレンドを考えれば、このペシミズムは当然のものであり、おそらく過去二年間の国民党の行け行けムードの中にも、将来への一抹の危惧は常にあったと思われます。

先の事はわかりませんが、台湾問題が将来安定するとすれば、このあたりに一つの解決の鍵があるかもしれません。それは国民党が民主主義政党として脱皮することであり、民主主義が民意の尊重ということであるならば、国民党の台湾化ということです。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:57 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ソ連崩壊15年 [2006年12月24日(Sun)]
12月24日付けのワシントン・ポストは、ソ連崩壊15年を記念して、複数のロシア専門家の論説を載せています。その中で、スタンフォード大学フーバー研究所研究員Michael McFaulは、ソ連崩壊が相対的に平和裏に行なわれ、ハルマゲドンが回避されたことは、何よりも評価すべきだと論じています。

その上でマックファールは、ソ連崩壊後のロシアは、@国境の画定(旧ロシア共和国の国境を尊重するのか、あるいはロシア人が居住した地域をロシアに取り込むのか)、A命令経済から市場経済への転換、そしてB新しい政治体制の確立という3つの大仕事を一挙に成し遂げなければならなかった、と指摘しています。

マックファールはこれら3課題について、国境は旧ロシア共和国の国境が採用され、経済は(問題はあるものの)市場経済になったことを高く評価しています。他方、政治面では、ソ連の専制的制度はなくなったが、それに代わって民主的制度が確立されたわけではない、と言っています。

そして今のロシアは、偶然大統領になったKGB出身者とその取り巻きが、7年の間に国家の主要機構と主要資産を支配するようになった状況にある、国家は市場を導く「見えざる手」ではなく、「略奪する手」になっている、と評しています。

ロシア人は今なおソ連時代に郷愁を持っていますが、20世紀の世界政治で、ソ連の崩壊は大変良かったことです。そしてマックファールが言うように、「ハルマゲドン」がほぼ回避された意義は、過小評価すべきではありません。相対的に平和裏に大帝国を解体したのは、ロシアの英知の現れです。恐れられた巻き戻しはもう起きないでしょう。こうした事態を先導したエリツィンの功績は高く評価されるべきです。

ただロシアの民主化は今の段階では失敗したようであり、現在のロシアは民主主義とは程遠い、権威主義の国となり、KGB的手法が幅を利かせています。ソ連崩壊とともに起きた民主革命は不成功に終わったということでしょう。

こうした事態に至った責任をエリツィンの政策に求める議論がありますが、民主主義の息の根を止めたのは、主としてプーチンの政策です。エリツィンに責任があるとすれば、KGBメンタリティを持つプーチンというKGB上がりの人物を後任に取り立ててしまったことにあります。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:31 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
北朝鮮の民族主義 [2006年12月22日(Fri)]
韓国の東西大学で研究中のB.R. Myersが、今の北朝鮮は戦時中の日本のような民族主義国家だから、国際的圧力は効力がなく、韓国は逆に北を支持することになる、とする論説を、12月22日付けのウォール・ストリート・ジャーナルに寄せています。

マイヤースは、北朝鮮をスターリン主義国家と考えて、冷戦時の対ソ外交をモデルとするのは誤りであり、30年代の日本のような国粋主義国家と考えるべきだ、そして韓国は、経済繁栄のために国粋主義を棄てたコンプレックスがあるので、北朝鮮に貢ぐのだ、と分析しています。

確かに、北朝鮮の体制は1940年代前半の日本(たとえば、「欲しがりません、勝つまでは」のスローガンの下の国民生活)が保存され、更に極端となり、徹底されている、という判断には一面の真理があります。

ただ、戦時中の日本と違うのは、金正日を支える支配階級の権力壟断と栄耀栄華がある点です。つまり金は、特権と物質的見返りを与えることで支配階級の忠誠心を確保しているのですが、北朝鮮の脆弱な経済基盤を考えれば、そこには常に体制崩壊の可能性があるということになります。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:31 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
米韓同盟強化論 [2006年12月21日(Thu)]
元韓国首相でハンナラ党の党首でもあった李会昌が、次期大統領選挙スローガンの宣言とも言うべき、米韓同盟強化論を12月21日付けのウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿しています。

李は、北朝鮮の核実験という新たな事態に対処するには、北朝鮮制裁を強化し、韓国が支援している金剛山や開城などのプロジェクトを中止し、しばらく前から進められてきた有事の際の指揮権を米軍から韓国軍に委譲する計画を延期し、米韓同盟の堅持を図るべきだ、と論じています。

特に注目されるのは、将来、強大化した中国に対して日本1国ではバランス出来なくなり、米国にとって韓国の戦略的重要性が増す、と指摘していることです。これは、暗に、極東における中国対米日韓という図式を示唆しています。そして来年の選挙で選出される政権が、米韓同盟を再強化することを期待しています。

李の姿勢は、金大中から盧武鉉へと続いた太陽政策に真っ向から反対するものであり、日本の安全にとっては、李の提案の方が望ましいと言えましょう。対立大統領候補が堂々とこの種の宣言をしたことに心強いものを感じます。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:15 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
日本改憲の条件 [2006年12月20日(Wed)]
12月20日付けのロサンジェルス・タイムズが日本の改憲を容認する社説を掲載しています。

社説は、北朝鮮の核実験は、米国の譲歩を引出す代わりに、日本の軍事的自立を促す皮肉な効果があったと述べています。そして、そうした中で日本の憲法が改正されれば、それは米国の安全にも寄与するだろう。ただし、安倍政権が、国家主義的な表現を抑え、過去の日本の侵略について謝罪する姿勢を明確にすれば、もっと周囲に受け入れられ易くなるだろう、と言っています。

従来、ロサンジェルス・タイムズは、地元カリフォルニアの中国や韓国系勢力への配慮と、さらには、日本の左翼と結託した勢力との関係もあり、日本の保守化、軍国主義化に反対する態度をとってきました。

しかしそのロサンジェルス・タイムズでさえも、日本の今の憲法が、「全く老朽化」していること、そして改憲はアメリカにとっても利益にもなることは認めざるを得ないことを、ここで明白に表明しています。

もはやアメリカには、日本の右傾化を嫌う左翼リベラルの思想は残っても、憲法改正そのものへの反対は無い状況になっていると考えて良いでしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:17 | 日本 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
駐米サウジ大使の辞任 [2006年12月16日(Sat)]
駐米サウジ大使のトルキ王子が、先日、赴任後わずか15ヶ月で突然帰国してしまいました。「公務を離れて家族と過ごしたい」、というのが表向きの理由ですが、12月16日のウォール・ストリート・ジャーナルは、その裏に何があるのかを様々に推測する社説を載せています。
 
実は少し前に、トルキの顧問だった人物が、個人的意見として、サウジ政府は、イラクのシーア派民兵によるスンニー派虐殺を見殺しにできず、イラクへの大規模介入を考えている、という論説をワシントン・ポストに寄せています。社説はこの件を取り上げ、これは、かつてトルキがアフガニスタンのムジャヒディーンを支援したことに似ている、と指摘しています。もっともサウジ政府はイラク介入を直ちに否定しています。

また社説は、トルキが兄のサウド外相の後継になるかもしれないと噂されていることを紹介し、さらに、サウジの砂漠の中に石油関連施設と称するパイプのない建造物があり、そこで北朝鮮人が目撃されたことを挙げて、サウジは核武装も考えているかも知れない、と言っています。

このように、社説は、トルキ辞任をめぐる様々な断片的情報を紹介していますが、これは、サウジの思惑や行動は一部の王族以外には絶対に分からないシステムになっているため、外部は、断片的情報に基づいて憶測をする以外にないからです。

そして石油高がこれだけ続いた結果、サウジの腕力は格段に強くなっており、さらに、石油収益の使い道を決めるのは王族のトップだけですから、彼らが既存の利益を守ろうとして、種々な形のイラク介入を検討していることは、十分考えられます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:03 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
米戦力海上待機論 [2006年12月12日(Tue)]
12月12日付のニューヨーク・タイムズは、湾岸地域における米国の本来の利益を軍事的にいかに守るかを論じた、Eugene Gholz(米テキサス大教授)、Daryl G. Press(米ダートマス大教授)、そしてBenjamin Valentino(米ダートマス大教授)による連名の論説を載せています。

論説は、過去30年間、湾岸に関するアメリカの主たる目的は、ここの産油地帯がソ連、イラク、イランのような敵対勢力の手に落ちること、そして、ホルムズ海峡の交通が阻害されることを防ぐことにあった、としています。

その上で、これら二つの目的を追求するには、中東自体に基地を置く必要はなく、洋上あるいはインド洋のディエゴ・ガルシアに配備した海空軍兵力があれば、それでこと足りる。今すぐイラクから全て撤兵すべきだとは言わないが、米国はこれらの基地を確保しながら、その本来の利益を守るという戦略に立ち戻るべきだ、と言っています。

これは、アメリカが過去5年間標榜してきた理念などとは無関係な、単純明快な戦略論です。アメリカには、帰るべき最低線の戦略があるということでもあります。

ただ、この論説自身も認めているように、アメリカはイラクからそう簡単に全面撤退することはできないでしょう。この理論は、湾岸地域に迫る軍事的脅威に対抗する戦略としては有効でしょうが、イラク国内の政治状況の結果、米国の利益を脅かす政権や状況が現出してしまった場合には役に立ちません。またそうであるからこそ、米軍は容易に撤兵できないわけです。




Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:28 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
台湾二大市長選 [2006年12月11日(Mon)]
12月11日付けのウォール・ストリート・ジャーナルが、先日行われた台北と高雄両市長選挙について、アジア版編集者Dana W. Whiteの論説を載せています。

今回の選挙では、高雄は民進党が辛勝して保持、台北は国民党が大差で獲得するという、民進党と国民党にとって一勝一敗の結果になりました。ホワイトはこれについて、台湾の民主主義が成熟してきていることを示すものだ、と言っています。

そして、強大な共産主義中国の圧力を受けつつも、台湾は民主主義的に発展してきており、その中で国民党も民進党も自己改革をとげつつある、と評価しています。その上で、元々、民主主義を台湾に勧めたのは西側であり、従って西側は、民主化されたとはいえ、台湾が、今も、強大な中国と西側の間に挟まれた微妙な立場にあることを忘れてはならない、と言っています。

これは、台湾の民主主義的発展を評価し、支持する論説です。

そして今回、結果は民進党と国民党の一勝一敗でしたが、民進党は、陳水扁の周辺のスキャンダルの中でよく善戦したと言えるでしょう。民進党への支持には根強いものがあります。

また、民主化した台湾では、民意を無視して政権をとることはできず、その民意は現状維持ですから、民進党も国民党もその方向に行かざるを得なくなるのではないかと思われます。「国共合作」など、民意を無視した工作が成功する余地は少なくなるでしょう。






Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:42 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
カーターが訴えるパレスチナ問題 [2006年12月08日(Fri)]
カーター元大統領が、11月に、『パレスチナ:アパルトヘイトではなく平和を』(仮題)と題し、かつての南アフリカのアパルトヘイトになぞらえて、パレスチナがいかに差別的な扱いを受けているか、その事実関係を米国の読者に紹介する著書を出しました。それに関連して、12月8日付のロサンジェルスに論説を寄せています。

それによると、米国の多くの評論はこの本を出したカーターを反ユダヤ主義と批判し、ぺロシ次期上院議長は、カーターの言っていることは、民主党のイスラエル政策を代表するものでないという声明を出したそうです。しかし一般の反響は良く、5ヶ所で行われた著者のサイン会にはそれぞれ千人以上が参加した、と言っています。

そしてカーターは、従来米国では、パレスチナ問題を論じることに対して強い制約があり、イスラエルとパレスチナの関係を公平に見ようとするのは、国会議員にとっては自殺行為だ、と率直に指摘しています。

言論の自由な米国にも、何らかの言論の制約や偏向があるとすれば、それは親イスラエル偏向かもしれません。これを敢えて正面から批判したカーターの勇気には驚きます。

カーターの思い切った言動を見ると、彼が、核危機を回避しようとして1994年訪朝し、金日成と会談したことも、単なる思い付きや自己顕示でなく、相当の見識に基づいた行動だったのかも知れないと思えてきます。最近は、また、カーター訪朝の噂が聞こえてきています。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:09 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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