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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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アフガン問題をめぐる対仏批判 [2006年11月29日(Wed)]
11月末にラトヴィアの首都リガでNATO首脳会議が開かれました。11月29日付けのロサンジェルス・タイムズ社説は、その際のシラク大統領の振る舞いを取り上げ、手厳しくフランスを批判しています。

社説の主旨は、NATOがアフガニスタン対策で協力できなければ、アフガニスタンはテロリストの聖域となってしまうし、NATOの無力さを露呈することにもなる、という警告にあるのですが、挙げられた事例は、全て、シラクの行動に対する批判であり、その調子は罵詈雑言に近いものです。

曰く、フランスはアフガンに派遣した1,900名の部隊に制約を課し、本当に必要な地域への移動を妨げている。曰く、NATOの戦略予備部隊の配備にも反対している。さらに、アフガン問題以外にも、2005年にイラク安定化に協力すると大々的に宣伝しながら、実際は、ブラッセルに訓練指導の士官を一名送っただけだった。またレバノンの平和維持部隊にも、200名の技師を送っただけだ、云々。

そして、来年シラクは引退するので、今回の会議は、NATO首脳たちがシラクをブーイングできる最後のチャンスだった、と言っています。

ここに表れているように、ドゴール以来、アメリカとフランスの間の愛憎関係には激しいものがあります。半世紀も前、ドゴール時代にパリで、あるアメリカ人が言った、「フランス人はなんて不愉快な連中だろう。どうして、俺たちは、フランスでなく、日本やドイツと戦争をしてしまったのだろう」、という言葉が思い出されます。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:46 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
米中間選挙結果の台湾への影響 [2006年11月29日(Wed)]
在米の台湾人評論家、Li Thian-hok(李天福)が、11月29日付けの台北タイムズで、中間選挙の結果はアメリカの台湾政策には影響しないだろう、と言っています。

李は、中間選挙で民主党が勝ち、中国に批判的なペロシが下院議長になることは、台湾にとって朗報だとしながらも、アメリカの場合、外交は行政府が決めるものであり、その上、従来から台湾支持は超党派なので、実際はアメリカの台湾政策はあまり変わらないだろう、と言っています。

そして米台関係改善の鍵は、むしろ台湾自身がしっかりした政策を実施できるかどうか、すなわち、国防を強化し、中国から独立した台湾経済を維持し、台湾に忠誠な野党を育成していけるかどうかにある、と言っています。特に、野党については、台湾存続のために与党と協力すべきだと強調しています。

たしかに、米国の外交は本来超党派であり、台湾政策にもさほど党派性はなく、民主党の勝利後も基本的に米国の台湾政策は変わらないでしょう。

ただ下院議長として影響力をもつペロシは、これまでも中国の人権抑圧や貿易慣行、軍事技術の取得などを強く批判する一方、台湾の自由民主主義を積極的に支持してきた人物です。従って、米国が台湾支持の姿勢を強化する可能性はあります。

米台関係の鍵は台湾自身の舵取り次第だというのもその通りです。特に、台湾の野党が、今後、中国の干渉をいかに排除し、台湾のアイデンティティ維持を貫けるのか、注視する必要があるでしょう。








Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 13:09 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
米撤退後のサウジ [2006年11月29日(Wed)]
サウジ政府の顧問Nawaf Obaidが、11月29日付けワシントン・ポストで、アメリカがイラクから撤退して、イラクのスンニ派が壊滅的打撃を受ける恐れが出てきた場合、サウジは軍事的に介入することになろう、と言っています。

Obaidは、サウジのアブドラ国王は、イラクのスンニ派とシーア派の和解に努めていたことや、イラクには干渉しないとブッシュと約束したこともあって、今まではあえてイラク・スンニ派を助けることはしなかった。しかしここにきてアメリカがイラクから撤退する可能性が高まってきたため、方針を変えて軍事支援を考え始めている、と言っています。

つまり、米軍が撤退すれば、イラクで暴力が劇的にエスカレートするのは不可避であり、そうなれば、スンニ派イスラムの盟主たるサウジは、イラクのスンニ派を見殺しにはできず、イラクに軍事介入せざるを得なくなる。もっともそうなれば、混乱はイラクを越えて拡大する危険がある、と言っています。

これは非常に深刻な話であり、Obaidの地位からいって、単なる脅しとは考えられません。

サウジがイラクに介入するのは、単にスンニ派の盟主としての義務や面子だけでなく、戦略的考慮もあると思われます。イラクがシーア派に制圧され、イランの影響下に入るのは、サウジにとって悪夢であり、これはサウジとして何としても防がなければなりません。

しかしサウジがイラク・スンニ派を全面的に軍事支援すれば、Obaidが指摘する通り、湾岸地域全体が大動乱に巻き込まれる恐れがあります。米国もそうした結果をもたらすかもしれない撤退は、出来ないでしょうし、また絶対に避けなければなりません。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 13:09 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ロシア敵視 [2006年11月28日(Tue)]
欧米ではプーチンの強権政治に対する失望感が高まっており、特に今回ロンドンで起きた元ロシア・スパイ暗殺事件を契機に、ロシアはしょせん西側の友人ではない、という見方が広まっています。そうした中で11月28日付けのウォール・ストリート・ジャーナルは、ついに、ロシアを敵と断ずる論説編集委員Bret Stephensの論説を掲げています。

スチーブンスは、自らの勢力圏を広げたいロシアは、イランを支援するなど、アメリカの世界政策を妨害するようになってきた。WTOにも加盟することになっているが、国内で法の支配を尊重しないロシアがルールを守るという保証はない。また元々成熟した民主国家の集まりであるG8にロシアをこれ以上参加させる必要などない、プーチンは「文明人の信頼に値しない人間だ」と言っています。

欧米の論調から見る限り、西側のロシア離れは顕著です。これが米国やEUの政策にどう反映されるかは、まず来年のG8にロシアを引き続き招待するかどうか、またより長期的には、ロシアを刺激しないよう先延ばししてきたウクライナやグルジアのNATO加盟問題を議題とするかどうかで決まってきます。いずれも、冷戦終了後の国際政治の枠組みに大きな影響を与える問題であり、今後大いに議論されるでしょうが、簡単に結論が出せる問題ではありません。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:48 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
NATOのアフガンへの取り組み [2006年11月28日(Tue)]
11月28日からラトヴィアの首都リガでNATOサミットが開催されましたが、それを前に、アフガン派兵をめぐってNATO諸国の足並みが揃っていないことを、ウォール・ストリート・ジャーナルとニューヨーク・タイムズが社説で批判しています。

両紙の論旨は同じで、元々現地では兵員が足りず、NATOからの増援が望まれる上に、治安の悪い南部で戦闘に従事しているのは、もっぱらアメリカ、イギリス、カナダ、オランダ軍に限られている。他の諸国、特に兵員の多いドイツは自軍に様々な制限を設けて、比較的安全な北部に留まり、なかなか南部に派兵しようとしない、と批判しています。

そして、NATO諸国はテロとの戦いにもっと真剣な姿勢を示すべきだ、と強く主張し、特に、ニューヨーク・タイムズは、ブッシュ大統領は増派と自主制限の廃止をNATO諸国に求めるべきだ、と言っています。
 
自主制限という言葉を聞くと、サマワの自衛隊のことが思い出され、感慨深いものがあります。勿論、この種の海外派遣は、日本の自衛隊にとって初めてのことであり、国内でも様々な障害を突破しなければならなかったことを考えれば、国際的にもある程度認めて貰って当然だったかもしれません。

しかし、その任務、行動、地域の中途半端さを咎められることなく、終始アメリカから感謝を表明され、アメリカ国民の日本に対するイメージの改善に役だったのは、ブッシュ大統領と小泉首相の信頼関係、それに当時のホワイトハウスの中の親日派の庇護のおかげです。自衛隊が厳正な規律の下に、イラクでの任務を何の批判も生じさせることなくきちんと遂行し、無事に帰国できたことは、日本外交にとって実に幸いなことだったと言うべきでしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:30 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
対北朝鮮金融制裁 [2006年11月24日(Fri)]
アメリカが北朝鮮に対する金融制裁を一部解除する動きがある、と報道される中で、11月24日付けのウォール・ストリート・ジャーナルは、それに反対する社説を掲載しています。

社説は、金融制裁の問題は、六カ国協議の場で、アメリカと北朝鮮の二国間だけでなく、同じく被害を受けた中国、韓国、日本、ロシアも加わって議論されるのが望ましい。北朝鮮は、金融制裁が発動される以前の状況に戻してもらおうとするだろうが、紙幣偽造、密輸、非合法薬物取引などの不法行為を止め、核計画を放棄するまでは、制裁は中止すべきではない、と主張しています。

北朝鮮に対する金融制裁は、核実験後にさらに強化されましたが、実はその前から事実上の資産凍結が行われていたようです。というのは、信用を重んじる銀行は、アメリカ政府による公式の規制はなくても、北朝鮮との取引きを避けるようになっていたからです。従って、アメリカが部分的に制裁を解除したとしても、国際金融界で北朝鮮が村八分にされる状況は、あまり変わらないのではないかと思われます。

また、この種の問題を多数国間で議論するのは良いことです。北朝鮮としては、アメリカとの二国間協議で、多数国間の席では話にくい偽札製造中止などもテーブルに載せて取引したいでしょうが、敢えてそれを公開の席で議論させれば、今後の歯止めとして有効でしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 13:56 | 東アジア | この記事のURL | コメント(4) | トラックバック(0)
インドの人権抑圧 [2006年11月22日(Wed)]
インドの評論家Pankaj Misharaが、11月22日付けのインターナショナル・ヘラルド・トリビューンで、インド政府のチベット人活動家に対する政治的弾圧を非難しています。

Misharaは、これまで中国の要人がインドを訪問するたびに、反対示威行動をしてきたチベット人活動家Tenzin Tsundueが、今回11月の胡錦濤訪印では、インド警察の監視下に置かれた上に、移動を禁じられてデリーに来られなかったことを取り上げ、政治活動への弾圧だ、と批判しています。

そして、インドと中国は新世紀に超大国となっていくのだろうが、こういうことをするようでは、どのような倫理価値を持つ国になるのか、これでは、アメリカの偽善的な人権外交にさえノスタルジーを感じてしまう、と嘆いています。

この論説は、世界最大の民主国家を自負するインドの人権抑圧を論じているのですが、ここから感じられるのは、むしろ、アメリカの権威の失墜の著しさです。しかしまた、それと同時に、自由と人権は、アメリカの権威がどうなろうが、今の世界で普遍的な価値として広く受け入れられており、今後も生き続けていくだろう、ということも窺われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:31 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
イラン問題・キッシンジャー [2006年11月19日(Sun)]
イラク問題打開のために、イランとの交渉が言われ始めていますが、キッシンジャーは11月19日付けのサンデータイムズで、その重要性は認めながらも、アメリカの対応次第で地域の構図が崩壊する可能性がある、と警告しています。
 
キッシンジャーはイランが今非常に優位な立場にあること、つまり、イラクが崩壊し、イランからレバノン、サウジ北東、そして湾岸地域へとシーア派の一帯が伸び、エジプト、ヨルダン、サウジアラビア等のスンニ派国家がパニックに陥り始めていることを指摘しています。

そこでキッシンジャーは、アメリカは、イランとの交渉の一方で、スンニ派諸国を味方に取り込まないと、これらの国は恐怖のあまりイランと妥協してしまうだろう、と言っています。その上で、アメリカはイランに上手をとられないためにも、また地域の安定のためにも、中東で政治的・軍事的プレゼンスを維持しつづけ、必要とあればイランを攻撃する覚悟もあることをはっきり示すことが肝要だ、と述べています。

ところが中間選挙の勝利で、議会の過半数を握った民主党は、アメリカはこれまで十分犠牲を払ったのであり、とにかく早く撤退を、という姿勢であり、撤退の結果、中東全体が大混乱に陥り、テロが一層拡大する可能性については、議論を避ける傾向にあります。つまりイラン接近は、アメリカの撤退を可能にするための単なる手段となる可能性があります。キッシンジャーは、まさにこうしたアメリカの逃げの姿勢が、中東の既存の構図を崩壊させる、と強く懸念しているのです。

そうなった場合、紙面には書いていませんが、中東の構図の崩壊は、まずイスラエルで現実化するだろうとキッシンジャーは恐れているようです。



 




Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:23 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
イランをめぐる空爆論と封じ込め論 [2006年11月19日(Sun)]
11月19日付のロサンジェルス・タイムズは、イラン空爆を主張するAEI研究員Joshua Muravchikの論説と、イラン封じ込めを主張する米外交問題評議会研究員Ray Takeyhの論説を同時に掲載しています。

まずムバラチャックは、イランの台頭を、かつてのソ連やナチス・ドイツの台頭と比較しています。そして、核武装したイランは、テロの根拠地となり、またイスラム勢力の盟主となって、東南アジアやアフリカにもその影響力を広げ、米国と「文明の衝突」を引き起こすだろう。それを防ぐには、国連による努力は無駄だということがはっきりする、そして、まだイランが核爆弾を獲得していないだろう来年に、空爆によってイラクの核関連施設を破壊すべきだ、と言っています。

それに対し、タケイは、イランの強硬姿勢は今に始まったわけではなく、以前から続いてきたものだ。アフマディネジャドも、発言は過激だが、実際の行動は結構慎重であり、過激発言は国内向けと考えるべきだ。米国はこれまで敵対する国を封じ込めて冷戦に勝ち抜いてきたのであり、イラン程度の二流国を抑止することは可能なはずだ、と言っています。

このように、非常に見方が異なる論説が並列されていることからも、アメリカはまだイランにどう対処すべきか暗中模索で、はっきりした結論が出ていないことが判ります。

この封じ込め論と空爆論の違いは、世界戦略論の視点から見ると、結局は、核武装したイランはどの程度の世界的脅威となるのか、という長期的な見通しの違いに行き着きます。

しかしこれは今の時点では何とも言えません。イランの国力や技術力、そしてイスラム圏内でのイランの影響力は、イランと同じシーア派(世界のイスラム教徒の10%以下)に限定されることを考えると、ナチス・ドイツやソ連のような脅威となるとは思われません。ただし、もしイランが中東の産油地帯、特にシーア派に偏っている湾岸産油地帯の覇権国となるようなことがあれば、相当重大な事態にはなると思われます。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:54 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
韓国のPSI不参加を批判 [2006年11月17日(Fri)]
11月17日付のウォール・ストリート・ジャーナル社説が、韓国が拡散防止構想(PSI)に参加しないことを強く批判しています。

社説は、韓国の朴外務次官が、朝鮮半島で武力衝突が起きるのを避けるためにPSIに参加しないと表明したことを取り上げ、PSIは参加国の国内法と国際法に枠内で実施されるものであり、この説明は納得できない。不参加の真の理由は、北朝鮮を宥和しようという太陽政策にあるのだろう、と指摘しています。

そして理由は何であれ、韓国のこうした姿勢は、アジアで核拡散を防止しようとしている米国の足を引っ張るものであり、韓国に米国を支援する意志がないのなら、米国の同盟国たる資格はない、と言い切っています。

韓国には同盟国の資格がない、とまで述べているのは、廬武鉉大統領の北朝鮮政策に対する米国のいらだちの強さを表しています。

実は、廬大統領は18日にハノイで行われた米韓首脳会談で、大量破壊兵器関連物資の移転阻止に全面的に協力すると述べ、PSIに正式には参加しないものの、協力する意向は示しています。廬大統領としても、米韓関係を基本的に損なうのは避けたいのでしょう。

しかし問題は、PSIがどの程度実施されるかではなく、北朝鮮の脅威について、米韓の間で大きく認識がずれていることにあります。従って、米国が納得するようなPSIへの協力を韓国に期待することは、難しいと思われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:51 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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