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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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チーム安倍 [2006年09月30日(Sat)]
イギリスのエコノミスト誌(9月30日ー10月6日号)が、安倍内閣の組閣ぶりを論評しています。

一見、改革の後退を示すような人事がある一方で、要所には改革派を配置していることや、官邸主導型のスタイルを目指していることが好感をもって受け止められています。安倍首相を「ナショナリスト」と位置づけて論じる安直な記事が多い中で、多少は日本の政治を知る記者が書いたものと思われます。(もっとも、巻頭の論説は「強気の安倍」と題するその手の記事ですが。)

エコノミストが指摘するように、安倍内閣は、アメリカの国家安全保障会議や国家経済会議などを念頭において、官邸主導型の政策運営を志向しています。こうした動きに対し、一部では、「議院内閣制のわが国には馴染まない」といった批判がありますが、実は議院内閣制のイギリスでも同様な動きがあり、官邸機能の強化はむしろ世界的な潮流であると考えた方が良いでしょう。

もっとも、ホワイトハウスの体制は、非常に柔軟性があり、その時々の大統領の個性によってさまざまに変化します。例えばレーガン政権では、首席補佐官がコントロールセンターになって全体に睨みを利かせていたため、全体的に秩序だってはいたものの、大統領にアクセスすることが非常に難しくなりました。逆にケネディ政権では、大統領自らが直接指示を下していたために、熱気はあったものの、全体を把握している人がいないという弊害がありました。

安倍首相が目指しているのはケネディ型のようですが、その場合は、大臣や補佐官がそれぞれに「総理の意思」を体して動いてしまうので、あちらこちらで衝突が起きる可能性があります。そうなると、首相自身の調整力が重要になることはいうまでもありません。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:42 | 日本 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
中国上海トップの汚職摘発 [2006年09月29日(Fri)]
上海の中国共産党トップ、陳良宇が汚職容疑で解任された事件について、ウォール・ストリート・ジャーナルは9月29日、中国専門ジャーナリストWilly Lam の解説を掲げています。

Lam は、汚職摘発が過去に権力闘争に利用されてきたように、今回の事件も、北京と上海の間の政治権力闘争の手段に利用されたというのが真相だ、と述べ、最大の問題は、摘発したのが、正式の司法機関でも、行政機関でもない、汚職調査中央委員会だったことだ、と言っています。

汚職調査中央委員会は、党幹部も取り締まることができる大きな権限を有しながら、その行動は秘密にされ、共産党政治局にのみ直接報告する機関です。Lamは、こうした機関が摘発したということは、中国政府が確立に努めていると称する「法の支配]が、実際は全く無視されていることを示している、と言っています。

中国で汚職の摘発が行なわれたと聞くと、中国をよく知る人々は、汚職など中国のどこにでもあることだと言い、また、摘発の背後には権力闘争があると推定するものです。この論説もその一つであり、結論は必然的に、中国が一党独裁制を続ける限り、問題の根本的解決はないということになります。

そこで今回の権力闘争について、興味の焦点は何かと言えば、これが江沢民系の上海閥の全面的な粛清と胡錦濤体制の強化につながるかどうか、ということでしょう。おそらく事態はその方向に向って動くものと思われます。ただ、それはあくまでも共産党一党支配体制内部の問題であって、外部への影響は、特定の関係者とのつながりが重要である人々を除いては、局限されたものになるでしょう。





Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:44 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
安倍新首相 [2006年09月27日(Wed)]
安倍新政権が発足し、ニューヨーク・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナルが正反対の立場から、全く対照的な社説を9月27日に出しています。

NYTの社説は、小泉政権の最大の失敗は、日本の過去の過ちを賛美して、中国の術中――国内問題から国民の目をそらすためにナショナリズムを煽る――に陥ってしまったことであり、安倍総理はともかくまず靖国参拝中止を言明すべきだ、と言っています。

他方、WSJの社説は、中国も日本との経済関係は重視しており、安倍総理はアジアの民主主義諸国と連携を深めることで周辺国との関係の安定化を図ることが出来る、さらに中国や北朝鮮を抑止できる唯一の国であるアメリカとの関係も一層深めるだろう、と期待しています。そして靖国については、安倍は現実主義者だから当面は参拝を控えるだろう、言っているだけです。

ところでWSJは、同じ日にエール大学の歴史学助教授Michael Auslinの論説も掲載しています。Auslinは、日本が強い外交姿勢をとるようになったのは、小泉や安倍がどうだということでなく、日本自体がそういう国に変わったからであって、問題は、むしろ中国がこの現実にどう直面するかだろう、と論じています。

このように、安倍政権について、予想通りNYTとWSJの意見は真っ二つに割れています。ただNYTの方は、日本は過去を美化すべきではない、という感情的な反発であるのに対し、WSJの方は、アメリカの国策と戦略に基づいた議論なので、現実の日本の政策もこの線に沿ったものになっていくでしょう。

また、Auslinのように、日本と中国のいずれにも肩入れしないで、「これが日本を含む東アジアの新しい趨勢であり、中国はそれを直視しなければならない」、という醒めた観察は、中国の指導者にとって良い忠告になるでしょう。


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:56 | 日本 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
米シンクタンクがイラン大統領を招待 [2006年09月23日(Sat)]
イランのアフマディネジャド大統領が、国連に出席するために9月にアメリカを訪問した際、有力民間シンクタンク、外交問題評議会がアフマディネジャドを同評議会に招待しました。そのことについて、同評議会のハース(Richard N. Haass)会長が、9月23日付のロサンジェルス・タイムズに論説を寄せています。

ハースは、外交問題評議会でも当初は、アフマディジャネドの反イスラエル姿勢への反発や、どうせまともな議論は出来ないから招待しても無駄だという意見もあり、相当反対があった、と言っています。

しかし、同評議会は、これまでもカストロなど、問題の渦中の人物を招いたことがあり、また孤立しがちな指導者に外部の意見を聞かせること自体有意義だろう、それに対話が失敗しても、アメリカがイランの指導者に働きかけたという実績は作れる、ということで招待に踏み切ったと言っています。

ところが会って見ると、アフマディジャネドは、集まった20数名を相手に2時間近く活発に議論を展開し、アメリカの交渉相手に必要とされる意志と能力を、これまでのイランのどの指導者よりも持った人物であることを示した、と言っています。

また、アフマディネジャドは発言の中で、1)イランはイラク安定化に協力する気持ちはある、2)イランにはウラン濃縮の権利はあるが、宗教的理由から核兵器を持つことは禁じられている、3)米政府がイニシアチブをとる用意があるなら、イランは米国と関係を再開する意思はある、と述べたと報告しています。

会って見れば、鬼でも蛇でもなく、普通の話合える人間だということを発見したと言っているわけで、言わば当然のことなのですが、こうしたことが対話の発端になるのかもしれません。アメリカ側の反応に、逆に、イラン人質事件以来のイランに関わるアメリカのトラウマを見る思いもします。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:55 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(1)
タイのクーデター [2006年09月20日(Wed)]
タイのクーデターについて、米各紙が批判の社説を出していますが、その中で ニューヨーク・タイムズの社説をとりあげてみます。

社説は、タクシンが傲慢で腐敗しており、報道機関にも圧力をかけ、さらにタイ南部のイスラム教徒による分離主義の動きへの対応でも、1000人もの民間人死者を出したとされるなど、首相として問題は多かった。しかし、タクシンを辞めさせるかどうかは、有権者が決定すべき問題であって、将軍たちが決定することではない。それにこの秋には新しい選挙が行われる予定で、その準備も進められていた。クーデターを主導したソンディ将軍は、かつて、「政治問題は政治家が解決すべきである。クーデターは過去のものだ」と発言したことがあるが、その発言を思い出して、憲法上正統な文民指導者に権力を返すべきだ、と言っています。
 
米国の新聞の社説としては、当然の内容ですが、実はタイの事情を知っていると、それほど簡単には言い切れないものがあります。

これはいわゆる軍事クーデターというものではなく、タイ特有の政権交代とも考えられます。そしてタイの国民、特にタイの都市生活者、知識階級、メディア、そして国王は、この夏以来、もうタイにはクーデターしか道が残されていないとして、それを待ち望む気持ちだったと思われます。

民主主義の本来の目的は、政府権力の行き過ぎを抑えるチェック・アンド・バランスを確保することにあります。議会や選挙はこのチェック・アンド・バランスを達成する手段であって、それ自体が目的ではありません。タイの人々は伝統的な政治的英知を持っていて、独自のチェック・アンド・バランス機能を働かせたと言えます。

今回のクーデターで、まず懸念されたのは米国の反応で、米国は建前上、軍事クーデターには反対せざるを得ません。しかしすでにタイは(若干の軍事援助を除いては)被援助国ではありませんし、今のところ米政府は強い非難声明も出していませんから、大きな影響はないでしょう。

また今後の見通しですが、タイからの資本引き上げは起こらず、観光ビジネスもすぐに復活して、国内の騒乱や経済的不安は起こらないでしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:32 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
アフガン経済好調 [2006年09月19日(Tue)]
アフガニスタン研究者のアン・マルローが、9月19日付けウォール・ストリート・ジャーナルで、アフガニスタンの経済が急成長していることを報告しています。

マルローによると、アフガン経済は3月までの1年間に14%成長し、今年度も同程度の成長が見込まれるそうです。

そして、例えばカブールでは自動車の数がタリバン時代の1000台以下から今では40万台に増えたこと、以前は泥レンガの家しかなかった場所に3階建てや4階建てのビルが建ち始めたこと、携帯電話の加入者が150万人もいることを紹介しています。

マルローは、しかし、西側企業はこうした経済成長の潮流に乗ろうとしていない、携帯電話事業に参加しているのはアフガン系米人や地元の企業であるし、今まさに離陸しつつある金融業に参加しようとしているのも、パキスタン、インド、イラン、ア首連の銀行や地元の銀行だけだ、つまりビジネス・チャンスがごろごろしているのに、西側企業はアフガニスタンへの投資を躊躇して、みすみす金儲けの好機を逸している、と言っています。

これは大変面白い記事です。アフガニスタンについては、これまでタリバンの再台頭やテロの頻発など、悪いニュースばかりが入ってきているため、経済の急成長というのは意外な気がしますし、成長率14%などという統計数値も正確かどうか疑問がありますが、アフガニスタンにビジネス・チャンスあり、という判断は正しいようです。

アメリカも国際社会も少なくとも当面はアフガニスタンを見捨てないでしょうから、これもアフガニスタンの経済にとってはプラス要因でしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 11:25 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
中東和平停滞 [2006年09月18日(Mon)]
9月18日付のワシントン・ポストでコラムニストのディール(Jackson Diehl)が、中東和平が行き詰っており、この状況を打開する良い案が出てくる展望もないと嘆く論説を出しています。
 
ディールは:
○イスラエルのオルメルト首相は、レバノン攻撃でヒズボラを弱体化させることに失敗し、兵士を無駄死にさせたと国内で批判されて、政権としての生き残りに精一杯、とてもイスラエル全体を率いて和平に向って進める状態ではない。今年の初めにオルメルトが提案した西岸からの一方的撤退案も、今では死んだのも同然である
○ブッシュ政権もイラク問題で手一杯で、中東和平に正面から取り組むことは期待できない
○シラク仏大統領、アナン国連事務総長、そしてアラブ連盟も、和平案を出しているが、いずれも小粒でしかもあまり有効なものではない、
と言っています。

中東和平はディールが指摘するように、行き詰まり状況にあります。

こうした状況をもたらした責任は、アメリカとイスラエルにもあります。選挙で選ばれたハマスをつぶそうとあらゆる圧力をかけた結果、パレスチナは一部無政府状態になってしまいました。そのため、パレスチナ自治政府は交渉の主体となる力も余裕も失くしてしまい、交渉どころではなくなってしまいました。

そうした中で、パレスチナでは最近、挙国一致内閣を作ることで合意が生まれています。こうした挙国一致内閣が成立したら、それを良い機会に、とにかくパレスチナ自治政府が機能するように持っていき、イスラエルとこのパレスチナ自治政府が話し合う以外、道はないのではないかと思われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:49 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ブッシュのイラン政策に変化? [2006年09月15日(Fri)]
9月15日付けのワシントン・ポストで、コラムニストのDavid Ignatiusがブッシュ大統領との単独インタビューについて報告し、ブッシュはイラン核問題の外交的解決と米イランの関係構築を真剣に模索していると感じた、と言っています。

それによると、イラン国民と直接話す機会があったら何を言いたいかと聞かれたブッシュは、
〇イランの歴史と文化を尊敬し、イランの主権を認め、イランが誇り高い国民であることを認める
〇イランが原子力発電を推進する権利を有することは理解する、ただイラン政府の一部に核兵器の開発の意図があるのを深く懸念している、原子力発電については、イラン国民の願望を満たすような解決策を見出したい
〇アメリカはイランとの紛争は望んでいない
〇イランとの意思疎通を図るために、文化交流を促進したい
と述べたそうです。

またブッシュはインタビューの最後で、米政府の真の意図をイラン国民に示すことができれば、問題の外交的解決の可能性は高まるだろうと言ったそうです。

イグネイシャスはこうしたブッシュの発言について、イラン核問題を外交的に解決するという方針を明示したものであり、イランの核武装は許せないが、原子力発電を推進し、中東で重要な役割を果たす先進国になりたいというイランの野心を認めようというものだ、と言っています。

ブッシュの発言はアメリカのイラン政策の変更を示唆するものとして非常に興味深いものです。イラン核問題の外交的解決を志向するのみならず、イランを中東の重要な国として認めようとしており、イランを「悪の枢軸」ときめつけ、テロ支援国家として敵対してきたアメリカのこれまでの姿勢とは大きく異なります。

アメリカとイランの関係は、アメリカ大使館人質事件が起きた1979年以来、こじれにこじれて外交関係すらなく、そうしたイランとの関与には時間がかかると思われます。しかしブッシュが方向性を明らかにしたことで、アメリカのイラン政策も徐々に変わっていくことが期待されます。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 18:27 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
ロシア国営企業による企業買収 [2006年09月14日(Thu)]
今ロシアは、石油高騰で得た資金を使って、ヨーロッパで盛んに企業買収を進めています。これに関連して、9月14日付けのウォール・ストリート・ジャーナルの社説は、クレムリンはガス、石油、金属、航空機などを、単なる商品ではなく、政治権力の道具、安全保障上の梃子と考えているので、注意すべきだと論じています。

その例として、ロシアの国営銀行がエアバスの親会社である欧州航空防衛宇宙会社の株の5.2%を取得したこと、ロシア国営ガスプロムがイギリス最大のガス・電力会社セントリカを買収しようとしたこと(これは結局断念)、さらに今年の春、ロシアの鉄鋼会社セベルスタールが、当時世界第2位だった鉄鋼会社アルセロールとの統合を、プーチンの同意を得て進めようとしたこと(結局、ミタル社がアルセロールを合併したため、これも挫折)などを挙げています。

そして社説は、欧州航空防衛宇宙会社の株取得は以前から噂されていたが、9月になってから初めて、ロシアの外国貿易銀行が12億ドルの株を買ったことが明らかにされたことや、買われた株はいずれロシアの国営航空機会社のものになると言われていることを指摘して、ロシアのやり方は不透明だと言っています

その上で、欧州航空防衛宇宙会社は防衛産業であり、米国への進出も考えていることから、ロシアの動きは全く無害なものかもしれないが、意図がはっきりしないのは心配だ、と言っています。

これは問題提起をしている社説です。ロシアがヨーロッパで企業買収を行うこと自体は問題にする必要はないと思われまずが、防衛関連産業については、技術や情報が流れてしまわないよう、一定の防衛策をとることは必要でしょう。

より一般的に言えば、欧米日は基本的に政経分離ですが、ロシアは今どんどん逆の方向に進んでいます。そうした非対称性がある中で、ロシアに対して他の市場経済諸国と同様な接し方をしていいのかというのは、検討を要する問題でしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:35 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
米韓関係 [2006年09月12日(Tue)]
ノムヒョン大統領の訪米を前にした9月12日、スタンフォード大学のダニエル・スナイダーがワシントン・ポストで米韓関係について論じています。

スナイダーは今回のノムヒョン訪米は、「米韓同盟の危機を憂う機会になる」、と言って、実質的な進展はないと見ています。

しかしスナイダーは、米韓同盟はこれまでも幾多の危機に直面してきており、これまでは上手く行っていたのに、ここに来て危うくなったかのように考えるのは間違っている、と主張しています。

つまり韓国には何十年も前から反米感情があり、また両国は、対北朝鮮政策や人権問題をめぐってこれまでも何度も衝突してきたと指摘し、李承晩が対北朝鮮戦争を再開する気配を見せたことや、ベトナム戦争後に朴政権が北朝鮮に急接近し、核開発にも踏み切ろうとしたこと、さらにはその後の光州事件などを事例に挙げています。

その上でスナイダーは、米韓両国の政策担当者は、米韓同盟がこうした多くの危機を乗り越えてきたことに思いを致し、両国間の違いに拘泥することなく、依存関係を脱した、長期的な安定関係の構築を目指すべきだ、と提言しています。

ノムヒョン政権の政策には、理解しがたい点が多くあります。特に米韓の間では、対北朝鮮政策についての見解の相違は、橋渡しできないほど開いてしまっているのではないかと思われます。案の定、今回の訪米では、北への締め付け強化を言う米国と、融和を説く韓国との亀裂が露呈する結果になりました。そして今後も調整がつく見通しは小さいと思われます。結局、米国としては、ノムヒョン政権の政策が一時的現象に終わることを期待しつつ、とりあえず関係を続けていくしかないのではないかと思われます。





Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:37 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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