CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
タイの政情とタイ王室 [2010年03月25日(Thu)]
エコノミスト誌最新号の社説が、タイ政情とタイ王室について論じています。

それによると、今のタイは、@タクシンに人気があり、赤シャツ組が北東部の貧民層のみならず広く支持されている、A現政権は選挙で選ばれたものではなく、その正統性は少なからず国王の支持に支えられている、Bその国王は高齢で、王位継承の問題がある。Cアビシット政権が選挙で負けても、軍部やエリート層は敗北を受け入れない可能性があり、選挙は解決をもたらさない、という四つの深刻な問題を抱えている、

国王が亡くなれば、妥協しがたい政治的対立を抑えてきた影響力が失われてしまう。ところがタイでは不敬罪もあって王室のことは公に議論できない。こうした中で、タイが今の政治的泥沼から抜け出すのは不可能のように思えるが、解決の方法はある。それは早期に選挙を実施し、正当性ある政府を樹立し、さらに、権力をバンコクから地方に分散し、北東部などの市民が抱く中央の支配者からの疎外感を減らすことだ。真の「タイ式解決」は王室が政治に全く介入しないことだ、と論じています。

エコノミスト誌はタイ政情を論じるにあたり、タイ王室の役割を重視しながら相反する評価を下しています。つまり、国王は、「妥協しがたい政治的対立を抑えたてきた」が、「その国王が舞台から去りつつあるので、国民が争い始めた」として、国王が国民の和解に重要な役割を果たしてきたとする一方で、「現政権の正当性は少なからず国王の支持によっている」、「真のタイ式解決は王室が政治に全く介入しないことだ」と述べ、今の政治混乱の責任の一端は王室にあると示唆しています。

しかし、過去を見れば、国王がタイ社会の安定剤の役割を果たしてきたのは明白であり、今の混乱の責任の一端を国王に帰すのは酷でしょう。

そしてタイの今の政情の最大の問題は、タクシン派と反タクシン派の対立ですが、この社説ではタクシン論が欠落しています。

タクシンは、選挙で買収なども行ったにせよ、東北タイなどの貧困層を政治的に覚醒させたのは確かであり、都市部と農村部の貧富の格差を是正する社会改革がなされない限り、対立の根は除かれません。しかしタイは階級社会であり、社会改革を行うには、贈与税の導入など、有産階級が既得権益の一部を手放す必要がありますが、これは容易なことでは実現しないでしょう。従って、タイ社会の対立は当分続くと見なければなりません。

もっとも、タイの有識者の中には、タクシン人気を支えているのは結局は金であり、金がなくなればタクシン支持もかげる。しかも今アビシット政権は、農村部でタクシンと同様の経済政策を実施している、と指摘して、こうした見方に異論を唱える人もいます。彼らの観察が正しければ、アビシット政権の政策が効果を上げ、反政府デモが下火になる可能性もあることになります。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:30 | 東南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント