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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イスラエルに求められる民主的正統性 [2010年02月23日(Tue)]
ファイナンシャル・タイムズ2月23日付で、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院のHenry Siegman客員教授が、2国家解決を不可能にすることで、イスラエルはパレスチナ人を差別するアパルトヘイト体制になってしまう、と批判しています。

それによると、オスロ合意後、イスラエルは入植地を作って2国家解決を難しくしてきたが、その上に、イスラエルに入植地撤退を迫ると期待されたオバマ政権が、ネタニヤフの抵抗を受けて後退してしまったために、2国家解決の見通しは無くなりつつある、

2国家解決の消滅は、イスラエルを民主国家からアパルトヘイト国家に変貌させよう。イスラエルはユダヤ人には民主主義を提供するが、それ以外の者については、人権を否定し、検問・鉄条網・分離壁で閉じ込めている。こうした状況の中で、パレスチナ人の絶望は怒りに変わり、イスラエルの正統性は世界的に疑問視されるようになり、これまで非現実的とされた方策を再検討する動きが起きている、

すなわち、パレスチナ人を無権利状態におくことに怒った国際社会は、国連総会で1967年ラインを国境とするパレスチナ国家宣言を受け入れるかもしれない。国連の承認を拒否することはイスラエルの正統性を脅かすので、あるいはこれが、イスラエルに対して2国家解決の受け入れを促す唯一の方策かもしれない、と言っています。

ジーグマンはユダヤ人であり、一貫して中東和平の推進、2国家解決、そしてユダヤ人の民主主義国家としてのイスラエルを支持してきた人物です。カーター元大統領が「平和かアパルトヘイトか」と言う本を書いて、ユダヤ・ロビーから袋だたきにあいましたが、ジーグマンもそれなりの覚悟をもってこの論説を書いたと思われます。

2国家解決をしない以上、イスラエルには、アパルトヘイト国家となるか、ユダヤ人の民主主義国家としてのイスラエルの消滅しか選択肢はありません。現在、西岸やガザではパレスチナ人の方がユダヤ人より数が多く、その差は両者の出生率の差によって開くばかりです。民主主義の原則である一人一票制であれば、この地域の政権はパレスチナ人のものになりますが、それを拒否すれば、パレスチナ人を無権利状態に置くアパルトヘイトしかなく、その意味でジーグマンの論は筋が通っています。米国が入植地問題でネタニヤフに押し返される中で、国連総会が1967年のラインを国境とするパレスチナ国家の承認を決議することは一つの選択と言えるでしょう。

なお、今のイスラエル政府の政策は批判せざるをえませんが、ユダヤ人にはこのジーグマンのように正義について鋭い感覚を持ち、それを頑固に主張する人もいます。それがユダヤ人の良さでしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:40 | 中東 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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