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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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パックス・アメリカーナの黄昏 [2009年09月29日(Tue)]
ロサンジェルス・タイムズ9月29日付で、テキサスA&M大学教授でNational Intelligence Council顧問のChristopher LayneとThe Atlantic誌編集長のBenjamin Schwarzが米帝国衰亡論を展開しています。

すなわち、問題は中国の勃興と米国の財政破綻だ。中国はドルに代わる国際通貨を言っているし、日本の鳩山総理は、アジアの経済的統一と共通アジア通貨を支持している。こうした中で、米国は財政を立て直すためには、予算削減か、増税か、高利子に訴えることになるが、後の二つは景気に悪影響を与えるので、予算を削減するしかない。しかし、それは軍事費の削減につながり、米国の国際的影響力は減じることになろう。こうして、全世界の資金源であり市場であった米国の役割と米国の軍事的優越が失われていく、と述べ、

そうなると、各国がそれぞれsphere of interest(影響範囲)を確保しようと動き出し、日本も、今までは米国に抑えられていた国家主義的方向に向かうことになるだろう。その結果、世界は重商主義と国家主義の場となり、パックス・アメリカーナの長い休日を享受してきた世界は、また元の状態に戻ることになる、と言っています。

Foreign Affairs 9-10月号で独ツァイト紙編集発行人のJosef Joffeが、10年に一度は必ず米国衰退論が表れる、と言っていますが、これもその一つかもしれません。そうだとすれば、パックス・アメリカーナに代わる新たな体制が出現しないままに、やがて米国が自信を回復するというパターンが繰り返されることになります。

ただ、この論説は、財政悪化の影響を強く指摘しているのが特色です。確かに、ベトナム戦争の頃は、米国があまりに富んでいるので刺絡(静脈から悪血を抜き取る中世医術)が必要だと言われ、濫費も美徳のように言われましたが、もうそういう時代ではなく、その意味では、今はベトナム戦争の繰り返しでなく、新しい事態とも言えます。アフガン戦争もベトナム戦争より長く続いています。

しかし、米国は冷戦をGDPの6%支出で乗り切りましたが、現在はアフガン、イラクの戦費を入れても軍備支出は4%程度です。歳入の増加が見込めないので危機感はありますが、帝国の維持費としてはそう高いわけではありません。今後とも、現在の米軍事力の圧倒的優勢を維持できるだけの予算を維持できれば(平時ならば3%で十分でしょう)、パックス・アメリカーナは何とか続くと想定して良いのではないかと思われます。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 12:21 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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