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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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東アジア共同体 [2009年09月27日(Sun)]
中国の勃興にいかに対処するかについてのCNASの研究報告の第5章で、Ikenberryプリンストン大教授は、東アジア国際機構を提案したものとして、田中均・元外務審議官の論文――日本国際交流センターが2008年3月に刊行したEast Asia at a Crossroadsの第6章に掲載――にも言及しています。

それによると、田中氏は、正式の「アジア共同体」は究極目標としては維持されるべきだが、アジアの多様性を考えると、当面はそれを築こうとする努力の過程そのものに意味がある。そうした努力の第一は、経済成長と政治自由化の好循環であり、それが東アジアの長期的安定に貢献する。第二は、共通の価値観よりも共通の規範の上に立って、大国の支配によらず、各国の自発的参加による包括的多国間主義を追求する、つまり、各国の共通利益である具体的な問題について、共通の規範の下に積極的に取り組もうとする行動重視の地域主義を追求することだ、と述べ、

懐疑的な意見もあるが、共通の規範は世界の平和と繁栄にとって重要だ。中国のWTO加入は、国内の政治自由化を実現していない国でも、規範に基づく開放された制度に参加できることを示している。そして加盟国が、透明性の拡大等に関する国際規範に従い、多国間による問題解決を求めるようになれば、国家間の摩擦減少にも貢献するだろう、

現状では米国を中心とする安全保障体制は不可欠だが、それだけでは東アジアの長期的安定には不十分だ。最終目標は、東アジア・サミット構成国とASEANで作るTreaty of Amity and Cooperationに加入した米国をフル・メンバーとして、東アジア安全保障フォーラムを設立することだ、と言っています。(ただし、米国は2009年7月にTACに加入したので加入の障壁は無くなったわけです)

緻密でソフィスティケイトされた提案であり、提案それ自体は結構なことと言えるでしょう。ただ、地域の最大課題である台湾海峡問題と、その背後にある中国の軍事態勢の透明性や政治的自由化の問題は、高度の政治的解決を要するものであり、こうした機構的な手段で解決される性質のものではありません。そのため、全体として、これは、中国問題を中心とする21世紀の大問題ではなく、ASEANを中心とする問題意識から出た発想のような感があります。

実は、東アジア共同体の発想は元々中国から出たもので、中国は北京にASEAN10カ国と日韓の首脳を集めてアジア共同体を宣言することを狙っていました。つまり春秋時代の覇者が会盟の牛耳を執ったのと同じ発想です。これに対し、日本とASEAN諸国は、構成国がASEAN+3と同じであり、屋上屋を重ねるとして、豪州やインドの参加を求め、更に最初の開催地をクアラルンプールとしたため、中国は急速に東アジア・サミットへの熱意を失い、その後は単なる付き合い程度の態度になったという経緯があったようです。



Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:36 | 東アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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