CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
米国とUBSの争い [2009年07月16日(Thu)]
独ツァイト7月16日付で解説記事が、米政府とUBS(スイス連合銀行株式会社Union des Banques Suisses AG)間の争いを取り上げ、一方は世界最強国、他方は欧州の一銀行だから、勝負は見えていると思うかも知れないが、実は米側が最小限面子を護るために示談を求めている、と言っています。

記事は、米側が脱税を疑って米人預金者の氏名開示を迫ったのに対し、UBS側は、スイス政府の強力な支援の下、同国の銀行秘密保護法を盾に抵抗、米側は訴訟を起こしたが、これが突然延期され、両者は舞台裏で示談を図ることになった、

実は、オバマ政権はUBSを追い詰め得ない。UBSの従業員への懸念や、UBSが米連銀との公的証券の取引を許された特別な銀行だからではなく、「第二のリーマン・ショック」が引き起こされることを危惧するからだ、

UBSも世界金融市場を維持してきた体制の一部であり、米政府はCitigroupやBank of Americaを解体できないのと同じ理由で、UBSを国外追放する勇気がなかったのだ。これら二大銀行には、既に900億ドルの資金が注入されたにも関わらず、米財務省は経営陣の交代すら強制出来ないでいる。議会でいかに銀行首脳陣が叩かれようと、現実の力関係には何の変化もないということだ、と述べ、

UBSも同じであり、この件はおそらくUBSが巨額の罰金を払い、形式的譲歩の声明も出して終了することになるだろう。このことは米政府だけでなく、われわれ全員に問題を提起する。即ち、いかに金融規制を厳しくしようが、巨大金融機関はその巨大さゆえに、「免除」が与えられるということだ、と言っています。

この件は、いわゆるtoo big to failのまさに好例であって、昨年の金融危機以来、欧州諸国が米国に規制強化を求め、米国も若干それに応じたものの、抜本的銀行管理体制は、欧米でも日本でも実現されませんでした。

現状をみると、米国の住宅金融二社やAIG救済は当然とされ、「投資銀行」も、不動産や資源投資が行きすぎて救い難くなったリーマンは破産させられたものの、残りの四大投資銀行は生き延びています。結局、悪者はいい加減な基準を流布した格付け会社だったと言わんばかりの説が横行し、大銀行のモラル・ハザードは不問に付されたような感すらあります。今回の経験で、銀行経営はより慎重になるでしょうが、オバマ政権の財務・金融関係者の顔ぶれを見ていると、やがて金融工学なるものを駆使した取引が吹き返し、第二の金融危機が再び訪れるのではないかという気さえしてきます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:56 | 米国 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント