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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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中国の米国債購入 [2009年05月29日(Fri)]
ウォール・ストリート・ジャーナル5月29日付で、評論家のZachary Karabellが、中国が大量の米国債を保有していることについて論じています。カラベルは企業エコノミストの出身で、歴史家、金融専門家、経済学者としても多くの著述があります。
 
カラベルは、世上、中国が大量の米国債を蓄積していることで、中国の発言力が増し、米国は金融だけでなく、外交面でも中国の言うことを聞かざるを得なくなるのではないかと心配する声が大きい。しかし、「銀行から百万ドル借りれば、借り手の立場は弱いが、千万ドル借りれば、銀行の方の立場が弱くなる」と俗に言われるように、中国としては米国との相互依存以外に繁栄を続ける方法は無いだろう。21世紀は20世紀と違い、米経済と中国経済が一体となっていくだろう、と言っています。

たしかにカラベルも言うように、中国が貯めこんだ一兆ドルの米国債を売りに出しても、今はそれを買って、米経済とこれ以上深く関わろうとする国はないでしょう。また、現在の米中経済関係は、単に米国が中国の安い製品を買うという状況から進んで、様々な投資貿易の局面でも複雑に絡み合ってきているようであり、簡単に関係が切れるような状況ではなくなっているようです。

おそらくは、日本にとっても、多かれ少なかれ状況は同じ(あるいは日本の方が先輩)でしょう。中国や日本が多額の米国債を抱えているのも、他に選択の余地が少ない環境の中でなるべくしてなった結果であり、このことを経済的影響力として、まして政治的影響力として使うのは、簡単に見えても実際は難しいのでしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:04 | 中国・台湾 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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