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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イラク撤退とその課題 [2009年02月25日(Wed)]
オバマがイラク政策(撤退期限の3ヶ月延長を含む)を発表したのを機に、ニューヨーク・タイムズ2月25日付で、民主党系の評論家の中で最も軍事的造詣が深く、現実的思考をする、ブルッキングス研究所のMichael E. O’Hanlonが、Kenneth M. Pollackと共にイラク戦略を論じています。
 
オハンロンらは、イラクはまだ難問山積であり、撤退期限前に全てが解決すれば良いが、成功しなかった場合は、オバマ政権は撤退期限の再調整も含めて現実的に対処すべきだ。また、撤退と言っても、対テロの特殊部隊や訓練教育のための部隊が残ることに希望がある、と述べ、

今後大きな問題として浮上して来るのは、これまではシーア派対スンニー派の争いの影に隠れていた、クルド地域の問題だ、と指摘しています。

その上でオハンロンは、イラクの戦略的重要性を考えれば、イラク戦争はもはや「選択できる戦争」ではなく、米国にとってイラクの安定を目指す以外に選択肢はない、メソポタミアが安定して、初めて周辺のアラブ諸国も中東和平について米国と対話するようになろう、と言っています。

この論旨には全面的に賛成であり、また、オハンロンとしてもこれ以外に書きようがなかったでしょう。オハンロンも、本来は、期限付き撤退のような軍事的合理性を欠く政策は到底支持できないと思っていますが、既に路線として決まった以上は、撤退期限に柔軟性を持たせること、そして、種々の口実で残留米軍の規模と行動範囲をなるべく大きくすることに希望を託しているわけです。

またオハンロンは、イラクの戦略的重要性について確固たる判断を表明しています。確かに、チグリス、ユーフラテス河の合流点にある肥沃な土地であり、ほとんど無尽蔵な石油資源と高度に教育された国民を持つメソポタミアに、米国と友好関係を持つ安定した国を築くという努力は、米国にとってそれこそ選択の対象となる政策ではなく、必ず達成しなければならない政策でしょう。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:03 | イラク | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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