• もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
アフガン問題と印パ関係 [2008年10月28日(Tue)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン10月28日付でMaharaja Krishna Rasgotra元インド外相と、安全保障問題に関する米財界のシンク・タンクBusiness Executives for National Securityの創立者、Stanley A. Weissが、インドはアフガン問題の解決に寄与できる、と論じています。 

2人は、パキスタンは西部国境地帯に送る十分な兵力がないと言うが、東部のインド国境には大規模な兵力を配備しており、またインドのアフガン問題関与を、インドによる包囲網の形成と解して危惧している、

しかしパキスタンの対インド脅威感は、米国がパキスタンに安全保障の約束を与えることで緩和させられるだろう。そうなれば、インドは、アフガニスタン、米国、そして国連の共同の要請があれば、要員を派遣してアフガン軍・警察の強化に重要な貢献をすることが出来る。これは夢のような話に思われるだろうが、パキスタンに民主政権が誕生したことから、期待が持てる、と言っています。

イラク戦争の初期、インドは米国からのイラク派兵の要請を断っています。これは当時、インドにまだ非同盟中立の思想が根強く残っているためだと解されました。ところが今回は、政府の提案ではないものの、インド側からこうした提案がなされたわけです。咽喉から手が出るほど兵力の増強が欲しい、現在のアフガン情勢においては、結構なアイディアと思われます。

ただ、カシミールで対峙している印パ両軍を本当に削減できるのか、パキスタンがインドを信頼して、アフガン軍の養成にインドが参加するのを歓迎するのか、さらには、インドは本当に非同盟中立の伝統を離れて、米NATOと協力関係に入るつもりなのかどうかは、現時点では何とも判断がつきません。

また、ここに言うアフガン派兵が、戦闘部隊でなく訓練要員であることは、NATO軍の戦力補強にとって大きな助けにはならず、アフガン軍におけるインドの影響力増大を図っているにすぎない、という疑惑を招くものであり、ここに、インドの利益増進の下心が見えなくもありません。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 22:43 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント