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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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米印原子力協定 [2008年09月22日(Mon)]
フィナンシャル・タイムズ9月22日付で、コラムニストのGideon Rachmanが、米印原子力協定は核不拡散の多くの専門家から強く批判されたが、実際には正しい決定だった、と論じています。

ラックマンは、米印原子力協定は、@インドは核兵器を保有しており、放棄はしない、そしてAインドは大国だ、という現実を認めたものに過ぎない。米国など西側が、核を放棄させようとインドに制裁を課すのは無駄な努力であり、それを止めたのは理に適っている。締結後にインドが親米になる保証はないが、ブッシュが正しいことをしたことに変わりはない、と主張しています。

そして、核兵器と大国の地位が密接に結びついているのは不幸だが、両者の関連性は明らかであり、NPT(核不拡散条約)が認める核兵器国5カ国は安保理の常任理事国でもある、と指摘、さらに、

米印協定はNPT体制に穴を開けるから危険だ、という主張があるが、元々NPTは抜け穴だらけだ。また、イランにはNPTの遵守を要求しているのに、インドに甘いのは偽善だ、とも言われるが、インドがNPT非加盟国であるのに対し、イランは加盟国であって、核兵器計画を推進しない義務がある。それにインドはすでに核兵器を保有しており、それを放棄する可能性はないのに対し、イランは未だ核兵器を保有していず、従って、イランの保有は阻止する意味がある。その上、インドは安定した民主主義の現状維持勢力であるのに対し、イランはそのいずれでもない、と反論しています、

ラックマンの主張には賛同せざると得ないでしょう。インドがNPTに加盟する(つまり核兵器を放棄する)ことはありえず、NPTに非加盟だとの理由で、原子力取引をしないという制裁を課すのは、ラックマンの言う通り無駄な努力です。それよりも、インドが核兵器国であるという事実を認め、それを踏まえた上でインドに核技術の拡散防止について協力を求める方が現実的です。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:57 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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