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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ロシアは超大国? [2008年08月24日(Sun)]
ニューヨーク・タイムズ8月24日付で、南カルフォルニア大学のRonald Steel教授がグルジア問題に関連し、ロシアは超大国であり、そうした存在として扱わなければならない、と論じています。

スティールは、ソ連は冷戦で敗北し、東欧を手放すなどしてきたが、現在のロシアは超大国であり、いずれ反撃してくるのは不可避だった。サーカシビリは格好の口実を与えてしまったのだ、と指摘し、

強国は弱小国とは違うルールで生きている、というのが古くからの地政学的真実であり、強国は弱い隣国から尊敬と服従を要求するものだ。米国も米州でそうしてきたし、モスクワもその「勢力圏」を死活的利益として守っている、

米国は、ロシアの死活的利益などないと決め付けず、希望的観測を排し、冷静に権力政治の現実に立脚して、モスクワとの間でモーダス・ヴィヴェンディ(暫定取り決め)を作るべきだ。具体的には、@モスクワと対話する、Aウクライナ、グルジアのNATO加盟は中止する、BNATOは民族分離主義について共通アプローチを作る。つまり、ライスはトビリシよりもモスクワに行くべきだったし、ウクライナやグルジアのNATO加盟はロシア自身をNATOに加盟させられるようになるまで待つべきだ、それに、米国は今二つの戦争に関わっており、ロシアと喧嘩を始めるのは賢明ではない、と言っています。

これは、超大国としてのロシアの立場も尊重すべし、という論であり、ロシア批判が米メディアで満ち溢れている中で勇気ある主張と言えます。しかし勇気は評価しても、その内容は賛成できません。なぜなら、@今のロシアは経済的には石油で潤っていますが、それはサウジも同じであり、核を除けば軍事力も米国に大きく劣り、超大国の資格はないからであり、また、Aロシア民族主義は共産主義のような普遍性をもつイデオロギーではなく、他の国にシンパを作りえないからです。従って、こうしたロシアの実力を考えると、ロシアの勢力圏を尊重し、モーダス・ヴィヴェンディを、というのは適切な政策提言ではありません。

では、具体的にどうするか。結局、色々な手段を組み合わせて圧力を加え、ソ連は不可逆的に崩壊したことをロシアに納得させるしかないでしょう。それは、対グルジア、対ウクライナ、対コーカサス、対中央アジア政策を適切に展開すれば十分可能と思われますし、そのためには、少なくとも、今回のグルジア侵略でロシアに何も褒賞を与えないようにすることが肝要でしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:57 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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