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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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冷戦回帰論批判 [2008年08月24日(Sun)]
ワシントン・ポスト8月24日付けで、冷戦終結によって自由主義が最終的に勝利を収めたとする『End of History』を書いたFrancis Fukuyamaが、最近よく聞かれる冷戦回帰論に対し、今日の世界は冷戦時代とは違う、と論じています。

大雑把に言って、論文の前半はその論証であり、フクヤマは、米国の資本主義に対抗する思想は出現していないし、専制体制側もかつてのナチスやソ連、毛沢東中国のような普遍的で強力なイデオロギーを持ってはいない、民主主義の唯一の競争相手はイスラム過激主義ぐらいだが、それも限定的な勢力だ、と論じています。

これについては、細かく見れば現状が冷戦時代と異なるのはむしろ自明のことであり、特に論じる必要はないでしょう。しかし、それに続く現状分析では多くの興味ある点が指摘されています。

フクヤマは、今のロシアや中国を動かしているのはナショナリズムであり、プーチンは、スターリンやヒットラーに擬えるよりも、ツァーと言った方が良い。ツァーは欧州とは協調も出来たが、そのナショナリズムは周辺諸国の自由と両立しない。また中国の政治の基本は、伝統的な上からの支配であり、日本の明治専制体制、韓国の朴正煕やシンガポールのリークヮン・ユーなどの開発独裁や近代化の意識に近い、

こうした今日の専制主義は安全と危険の両面を持っている。専制的資本主義は世界自由経済の恩恵を受けているので、その体制を揺るがすことはしないという意味で安全だが、その結果、共産主義体制よりも経済力が増大するという危険性がある、

ただ、新たな専制主義の問題にばかり捉われていると、資源の枯渇と奪い合いによるゼロ・サム・ゲームの危険、という今の世界の真の問題から目が逸らされることになる、と論じています。

『End of History』は元々国際情勢の流れの一面だけを捉えた器用な議論に過ぎないので、その論の正当性の是非をここで改めて議論する意味はあまりありません。しかしその現状分析は、フクヤマがさすがに鋭い観察眼を持っていることを示していると思います。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:43 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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