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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イランへのレッドライン [2008年07月28日(Mon)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン7月28日付で、ロンドン大学のAnatol Lievenと米イラン系アメリカ人評議会会長Trita Parsiが、米国の対イラン政策について注目すべき提言をしています。

両名は、ブッシュ政権がイランとの直接接触に乗り出したことを歓迎しつつも、今回の西側の提案をイランが受け入れなかった場合、米・イスラエル政府内のタカ派がイラン攻撃を決行すべしと主張する危険があり、他方、イラン側も提案をレッドラインと見ず、6週間後のウラン濃縮停止に応じない恐れがある、と指摘して、真のレッドラインを示す方向で対イラン政策を変更するよう提言しています。

具体的には、核不拡散条約の文言に立ち帰り、イランには平和目的のウラン濃縮を認めるが、兵器化は許さない、違反すれば、イランを国際機関から追放、外国投資を終了、全面的禁輸等の制裁を課すことを明確にし、それをレッドラインとする、というものです。

この提言は、ウラン濃縮停止を交渉の前提条件とする、従来の姿勢の転換を迫るものですが、一理ある考え方でしょう。昔からイランは、核不拡散条約によって自分達にはウラン濃縮を含む核の平和利用の権利があり、核兵器開発は意図していない、と主張して来ました。米国などは、イランが過去に保障措置に違反したので、濃縮の権利は失ったとしていますが、これは「法律論として弱い」と、ブリックス・元IAEA事務局長も指摘しているようです。

濃縮については、全面的停止を要求するよりも、厳格なIAEAの査察下におき、核兵器開発は認めないとする方が、現実的な提案ですし、これまで平和利用のためと主張をしてきたイランにも拒否しにくいでしょう。またイランは、米国は濃縮の正当な権利を否定している、と言えなくなります。

これまでの経緯や面子、そしてイランへの不信感を考えると、ブッシュ政権がこうした政策転換をなしうるかどうかは分かりませんが、従来の固い立場に固執して問題を袋小路に追い込むよりも、こうした転換を行って問題の解決に努める方が、イランとの戦争よりはるかに望ましい選択肢です。結局はこういう線に落ち着く可能性は十分あるでしょう。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:12 | イラン | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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