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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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イラク戦争でイランの影響力が増大 [2006年09月07日(Thu)]
フランスの国立科学研究センター研究部長でイスラム専門家のOlivier Royが、9月7日付のインターナショナル・ヘラルド・トリビューンでアメリカのイラク戦略を辛辣に批判しています。
 
Royは、テロはたしかに抑えられているが、それはイラク占領のお蔭ではなく、警察などによるテロ対策が強化されたからであり、イラク進攻は、むしろイランやビン・ラーデンの影響力を強める逆効果を生んでいる、と指摘しています。

つまり、米国の介入は、中東アラブ地域の宗教的過激派を生み出し、アラブ・ナショナリズムを刺激しただけでなく、サダム・フセインとタリバンというイランの二大大敵を取り除いてしまい、さらにはシーア派が多数を占めるイラク国内にイランの同盟者を生み出して、結局、イランを地域の大国にしてしまった、というわけです。

また、それぞれ別の原因から発するパレスチナ、レバノン、イラクなどの諸問題を一緒くたに扱い、グローバルなジハード運動を誘発してしまった、とアメリカの政策の拙劣さを批判しています。

これはフランス的な辛辣な対米批判です。批判のための批判という面もありますが、パンドラの箱を開けてしまったとも言うべき、アメリカのイラク進攻がもたらした中東情勢の変化についての一つの鋭い分析でもあります。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:37 | イラク | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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