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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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アフガン情勢 [2008年07月06日(Sun)]
ワシントン・ポスト7月6日付社説が、アフガン情勢の収拾がつかなくなっていることを指摘しています。

社説は、アフガニスタンでは、米軍とNATO軍が増強されて戦果を挙げている一方、タリバンの攻勢も益々激しくなる傾向がある。結局、国境を越えたパキスタンに過激勢力の聖地がある限り、米軍やNATO軍を増派しても、損害は拡大し、さらに増派の必要が生じて、こうしたサイクルが繰り返されることになる。このまま行けば、1−2年内に、米軍の規模も死傷者数も、アフガニスタンのそれがイラクを上回ることになろう、と言っています。

これはおそらく、アフガニスタンの現状についての極めて正確な指摘なのでしょう。将来の見通しとしては、パキスタンに聖域がある限り事態は解決されない、ということが国際常識となり、パキスタンもこれを認めざるを得なくなって、やがて、パキスタンのタリバン拠点に対して大規模な掃蕩作戦が行われることが、先ず考えられます。
 
ただ、パキスタン西部地帯は、峻険な山地と孤立した谷間が点在する、制圧困難な地であり、有史以来中央の統制に服したことがないため、果たして力による制圧が可能かどうか、全く未知数です。

とすれば、もう一つの解決策としては、カブールを中心とする地域の治安の安定と民生の向上に主力を注ぎ、タリバンについては、再び9.11のようなテロを遂行できないよう、反乱地域内に封じ込め、空爆などで力を殺いでいく作戦をとることが考えられます。

勿論、当面は、第1の解決を求めて増派と掃蕩作戦が続くでしょう。しかし、将来、NATOの内部事情によって増派を続けられなくなったとき、あるいは、現地の地形上、制圧は困難だと判明したときは、第2の解決策が浮上してくるかもしれません。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:52 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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