• もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
イラク=アフガン両正面作戦? [2008年04月28日(Mon)]
NATO会議ではアフガニスタンが主要議題となり、米大統領候補者も揃ってアフガニスタンの重要性を取り上げている中で、ワシントン・ポスト4月28日付でコラムニストのDavid Ignatius が、イラクとアフガン両正面作戦の意義を指摘しています。

それによると、イグネイシャスは、今までイラク駐留軍の司令官だったペトレイアスが、イラク、アフガニスタン両方を指揮する中東司令官に昇進したが、ペトレイアスは、結局は、両地域に共通の対反乱軍戦略を用いることとなるだろう、と言っています。

例によってイグネイシャスは、アフガン駐留軍司令官マクニールに密着取材した模様で、一般には知られていないが、マクニールのしていることは増派作戦と同じであり、攻撃を真の敵に集中し、敵を孤立させるペトレイアスと同じ戦略をとった結果、敵の抵抗は、イラクの場合と同様、自爆攻撃に重点が置かれるようになってきた、として、イラク戦争とアフガン戦争の共通点を強調しています。

この論説で一つ注目すべき点は、ペトレイアスの任命は、米軍の国防計画・予算を、中東の反乱対策に集中させるのか、将来の通常戦争に備えることに重点を置くのかの論争において、前者を支持するゲーツ国防長官に信任を与えるものだ、と指摘していることでしょう。
 
将来の通常戦争ということなら、対中国軍備が中心になります。ということは、米国の戦略は、依然として9.11以来の対テロ作戦重視であり、対中国戦略はまだまだ表面に浮上していないということになります。

ともあれ、ペトレイアスの中東軍司令官就任は、確かに、イラク、アフガン両戦略を統合、調整する良い機会となるでしょう。そしてペトレイアスが、そうした総合戦略の作成に成功すれば(というよりも、作成せざるを得ない)、それは今後のアメリカの中東軍事戦略に、より明確な方向性を与えることになると思われます。
Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:54 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント