イラク=アフガン両正面作戦?
[2008年04月28日(Mon)]
NATO会議ではアフガニスタンが主要議題となり、米大統領候補者も揃ってアフガニスタンの重要性を取り上げている中で、ワシントン・ポスト4月28日付でコラムニストのDavid Ignatius が、イラクとアフガン両正面作戦の意義を指摘しています。
それによると、イグネイシャスは、今までイラク駐留軍の司令官だったペトレイアスが、イラク、アフガニスタン両方を指揮する中東司令官に昇進したが、ペトレイアスは、結局は、両地域に共通の対反乱軍戦略を用いることとなるだろう、と言っています。
例によってイグネイシャスは、アフガン駐留軍司令官マクニールに密着取材した模様で、一般には知られていないが、マクニールのしていることは増派作戦と同じであり、攻撃を真の敵に集中し、敵を孤立させるペトレイアスと同じ戦略をとった結果、敵の抵抗は、イラクの場合と同様、自爆攻撃に重点が置かれるようになってきた、として、イラク戦争とアフガン戦争の共通点を強調しています。
この論説で一つ注目すべき点は、ペトレイアスの任命は、米軍の国防計画・予算を、中東の反乱対策に集中させるのか、将来の通常戦争に備えることに重点を置くのかの論争において、前者を支持するゲーツ国防長官に信任を与えるものだ、と指摘していることでしょう。
将来の通常戦争ということなら、対中国軍備が中心になります。ということは、米国の戦略は、依然として9.11以来の対テロ作戦重視であり、対中国戦略はまだまだ表面に浮上していないということになります。
ともあれ、ペトレイアスの中東軍司令官就任は、確かに、イラク、アフガン両戦略を統合、調整する良い機会となるでしょう。そしてペトレイアスが、そうした総合戦略の作成に成功すれば(というよりも、作成せざるを得ない)、それは今後のアメリカの中東軍事戦略に、より明確な方向性を与えることになると思われます。
それによると、イグネイシャスは、今までイラク駐留軍の司令官だったペトレイアスが、イラク、アフガニスタン両方を指揮する中東司令官に昇進したが、ペトレイアスは、結局は、両地域に共通の対反乱軍戦略を用いることとなるだろう、と言っています。
例によってイグネイシャスは、アフガン駐留軍司令官マクニールに密着取材した模様で、一般には知られていないが、マクニールのしていることは増派作戦と同じであり、攻撃を真の敵に集中し、敵を孤立させるペトレイアスと同じ戦略をとった結果、敵の抵抗は、イラクの場合と同様、自爆攻撃に重点が置かれるようになってきた、として、イラク戦争とアフガン戦争の共通点を強調しています。
この論説で一つ注目すべき点は、ペトレイアスの任命は、米軍の国防計画・予算を、中東の反乱対策に集中させるのか、将来の通常戦争に備えることに重点を置くのかの論争において、前者を支持するゲーツ国防長官に信任を与えるものだ、と指摘していることでしょう。
将来の通常戦争ということなら、対中国軍備が中心になります。ということは、米国の戦略は、依然として9.11以来の対テロ作戦重視であり、対中国戦略はまだまだ表面に浮上していないということになります。
ともあれ、ペトレイアスの中東軍司令官就任は、確かに、イラク、アフガン両戦略を統合、調整する良い機会となるでしょう。そしてペトレイアスが、そうした総合戦略の作成に成功すれば(というよりも、作成せざるを得ない)、それは今後のアメリカの中東軍事戦略に、より明確な方向性を与えることになると思われます。