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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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EU−中国の関係悪化 [2007年11月26日(Mon)]
北京でEU‐中国首脳会談が開催されるのを前に、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン11月26日付で、米ジョージ・ワシントン大学中国部長David Shambaughが、中国に対するEUの態度が冷たくなってきたことを論じています。

シャンボウは、EUは以前から貿易赤字の増大、産業スパイ、コンピューター攻撃、人権侵害、不公正経済慣行等について中国に不満は持っていたが、特に2006年になってから、世論、企業、そして政府など様々なレベルで対中感情が冷えて来た。この変化は、一つには、英独仏の首脳が揃って入れ替わったこととも関係している。こうした変化に対し、自分たちは求婚される立場にあると思っていた中国は当惑し、旧友であるシュレーダー元独首相に訴えたり、ヨーロッパの反中の動きを攻撃したりしているが、今回の首脳会談は冷たいものとなるだろう、と予想しています。

シャンボウは、中国専門家として経歴、実力を備えた人物で、最近は親中国的言動が顕著でしたが、この論説では、最近のEUの対中態度の変化を客観的に指摘するだけで、特にそれを嘆いたり、対策を提言しているわけではありません。

中国に対するEUの態度は確かに醒めて来ており、EUが対中武器禁輸を解禁しようとして、日米がそれに反対した数年前とは様変わりです。もっともこれは日本においても同じであって、2005年の中国の大規模な反日デモ以来、日本人の対中感情は世論調査にはっきり表れるほど、醒めて来ています。

ところが米国だけは、一方の、中国とのパートナーシップ重視の国務省や、中国に経済的利益を有する一部財界と、他方の、中国の軍事力増強を警戒する軍事専門家や、中国の経済政策や人権状況に批判的な議会や世論との間で、意見の対立が見られます。

しかしいずれにしても、中国の軍事増強は今後とも続くと考えられ、軍事増強の効果は年を追って顕著となって来るので、来年のオリンピックの後は、世界的に中国警戒論の方が強くなっていくものと思われます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:19 | その他 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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