福田総理訪米
[2007年11月16日(Fri)]
日米首脳会談直前の11月16日、ウォール・ストリート・ジャーナルは社説を、ロサンジェルス・タイムズはMichael Zielenzigerの論説を載せました。
WSJ社説は、核開発の停止が確認されていない現段階で、北朝鮮をテロ支援国家リストから外すことは日本国民の米国への信頼を揺るがせることになる(インド洋での給油停止もその一つの表れだと示唆)、また拉致問題についても、ベトナム戦争時の米人捕虜問題に例えて、日本の国民感情を理解するべきだ、と言っています。
総じて好意的な論評ですが、最後の「衆院を通過した給油継続法案は、『米国から距離を置け』という助言に福田総理が従った結果、当初案より後退したものになった。こうした発想は、将来日本を核武装化に導きかねない」という表現の中の「助言」云々はおそらく誤解であり、日本の核武装にまで言及するのは心配し過ぎというものでしょう。
一方、米有数のメディア・コングロメリットKnight Ridderの元東京支局長Zielenzigerは、インド洋での給油停止が「日米関係に緊張をもたらしている」ことに焦点をしぼり、憲法第九条の存在と安全保障における対米依存が日本人の戦略的思考を失わせ、平和主義に安住させているとして、日本をイギリスと同一視して性急な安保貢献を求めるのは適切ではない、と言っています。
これも対日理解を呼びかけており、特に「中国の潜在的野心を封じ込めるため」在日米軍基地は重要だ、と明言していることが注目されます。
福田総理の訪米を控えてニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストが論評しなかったことは、現在の米国で日本があまり重視されていないことを象徴していますが、上記2つの記事に見られるように、日本の重要性を認識し、対日理解を呼びかける気運は残っています。
しかし、日本側が、「安保面で協力をしにくい日本」への米国の理解を期待するだけでは、日本軽視を助長するだけの結果になってしまいます。日本は憲法や内政の制約の中にあっても、政治・経済面を中心に世界の安定と発展に貢献していくことで、日米関係をもより強固なものにしていかなければならないでしょう。
WSJ社説は、核開発の停止が確認されていない現段階で、北朝鮮をテロ支援国家リストから外すことは日本国民の米国への信頼を揺るがせることになる(インド洋での給油停止もその一つの表れだと示唆)、また拉致問題についても、ベトナム戦争時の米人捕虜問題に例えて、日本の国民感情を理解するべきだ、と言っています。
総じて好意的な論評ですが、最後の「衆院を通過した給油継続法案は、『米国から距離を置け』という助言に福田総理が従った結果、当初案より後退したものになった。こうした発想は、将来日本を核武装化に導きかねない」という表現の中の「助言」云々はおそらく誤解であり、日本の核武装にまで言及するのは心配し過ぎというものでしょう。
一方、米有数のメディア・コングロメリットKnight Ridderの元東京支局長Zielenzigerは、インド洋での給油停止が「日米関係に緊張をもたらしている」ことに焦点をしぼり、憲法第九条の存在と安全保障における対米依存が日本人の戦略的思考を失わせ、平和主義に安住させているとして、日本をイギリスと同一視して性急な安保貢献を求めるのは適切ではない、と言っています。
これも対日理解を呼びかけており、特に「中国の潜在的野心を封じ込めるため」在日米軍基地は重要だ、と明言していることが注目されます。
福田総理の訪米を控えてニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストが論評しなかったことは、現在の米国で日本があまり重視されていないことを象徴していますが、上記2つの記事に見られるように、日本の重要性を認識し、対日理解を呼びかける気運は残っています。
しかし、日本側が、「安保面で協力をしにくい日本」への米国の理解を期待するだけでは、日本軽視を助長するだけの結果になってしまいます。日本は憲法や内政の制約の中にあっても、政治・経済面を中心に世界の安定と発展に貢献していくことで、日米関係をもより強固なものにしていかなければならないでしょう。
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