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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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フランス外相のワシントン講演 [2007年09月20日(Thu)]
クシュネル仏外相が訪問先のワシントンで講演し、イランに対する強硬姿勢および米国との協調体制を確認するとともに、欧州の安全保障体制を強化することの重要性を強調しました。

クシュネル外相は、サルコジ大統領と共に積極的に世界の問題に関与する外交政策を打ち出しており、アメリカとの関係改善と協力にも積極的です。1週間前のインタビューでは、「イランについては最悪の事態にも備えるべきだ。その最悪の事態とは戦争だ」と発言して波紋を呼んでいます。
 
講演の中で外相は、イランとの戦争には反対だとしながらも、イランの核保有は受け入れられない、対話の追求は重要だが、制裁なくしての会話は弱さでしかないとし、国連による強健な制裁を訴えるとともに、フランスが欧州で指導的な役割を果たすつもりであること、そして強い欧州は良好な欧米関係と相容れないものではないことを強調しました。

米国の国際的威信が失墜していることもあり、サルコジ政権の対米姿勢と行動力は、フランスをアメリカにとって重要かつ頼りがいのある同盟国に変貌させています。フランスはアフガン、ダルフール、中東問題でも具体的な協力をしていますが、特にイラン核問題では、武力行使も辞さないと示唆する発言を重ね、国連でもより強硬な案を提出しています。また自国企業にイランとの取引を差し控えるよう指導していますが、フランスの大企業は政府と密着しているので、政府のこの動きは、政治的にも制裁効果の面からも大きな意味があります。

このようにフランスは、アメリカに挑戦する姿勢を改め、アメリカにとって重要な同盟国になりつつあります。フランスは、既に定着している英米の特殊な関係に加わり、ド・ゴールが望んだ、英米仏が共同して西側の指導的役割を果たす体制の実現を目指しているようにも見えます。

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 14:25 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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