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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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クルド問題深刻化 [2007年04月18日(Wed)]
4月18日付のワシントン・ポストでコラムニストのDavid Ignatiusが、イラクのクルドとトルコの間で緊張が高まりつつあり、これが新たな危機になりかねない、と警告しています。

火種となっているのは、キルクーク(豊富な石油資源を抱える)の帰属問題で、イラク憲法は年内の住民投票を予定していますが、ここにトルコ系住民が多くいることから、トルコはキルクークがクルドの支配下におかれることを心配しています。

イグネイシャスは、4月末までにトルコが介入し、クルド国境地帯を制圧する可能性があると米軍幹部が警告したこと、他方、クルド側もトルコが介入すれば反撃すると言っていることを紹介し、さらに、トルコ同様、国内にクルド人問題を抱えるイランもイラクのクルド地域に軍事介入する可能性があると指摘しています。

そして、イラクのクルド地域はイラク侵攻後の成功物語とされ、将来、イランやアルカイダに対抗する米軍基地になると期待されてきたが、こうした展望は危うくなってきた、と言っています。

クルド人は、イギリスがイラクの国境を定めて以来、民族自決権を奪われ、国家を形成してきませんでしたが、今はイラク北部で大幅な自治を享受する立場になっています。このことがトルコ、イラン、さらにシリアにいるクルド人の民族主義を刺激し、それに対して3国は懸念を深めています。そのため、シリアはともかく、トルコやイランがクルド地域に軍事介入する可能性が高いというのは、その通りでしょう。

情勢の沈静化のためには、クルド地域内の反トルコや反イラン武装勢力の取締りを強化し、住民投票を延期するなどの措置が必要ですが、これはクルド側に不満を残す政策です。クルドの不満を爆発させないようにいかにこれらを実行させるか、米国にとって非常に難しい舵取りになります。





Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 15:47 | イラク | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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