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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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ロシア大統領選 [2012年03月27日(Tue)]
プーチンの大統領選出を受けて、ロサンジェルス・タイムズ3月4日付が米AEIのLeon Aronの論説を、ファイナンシャル・タイムズ3月4日付とウォールストリート・ジャーナル3月5日付がそれぞれ社説を掲げています。

それらに共通するのは、@プーチンの当選を民主主義の敗北と位置付けながらも、プーチンのロシアに敵対すること、あるいはリビアにおけるような直接介入は求めていないこと、Aロシア国民が権利意識にめざめ、自由の抑圧、腐敗等に対する反発を強めている、としていることです。特にアーロンは、「1980年代のペレストロイカ以来、地下に潜っていたロシア国民の権利意識が地表に噴出し、その流れは広く速くなりつつある」とまで言っています。

しかし、実際のロシア社会の大勢はそれとは少し異なるように思われます。公営住宅の入手等で依然として政府への依存度の強いロシア大衆や、中産階級の半分を占めるとされる公務員・準公務員は、むしろプーチンに期待します。

実際、種々世論調査を平均すると、この3カ月の政府批判集会を支持する者は30%強ですが、自ら参加したいとする者は10%に過ぎず、実際の参加する者は全国で数十万人程度でしょう。集団主義の強いロシアの大衆は、伝統的に、自由を求めるインテリをエゴイストとして憎みます。

そうしたロシア社会の大多数が当局に牙をむくのは、ソ連末期のように生活が悪化して、支配階級による富の独占をもはや容認できなくなった時です。それに「リベラルなインテリ」層も、年長世代はこれまでの失敗を知っているために、反対運動に命をかける気はありません。

従って、ロシア社会の基本的対立軸は、西側マスコミが言うような「プーチン+政府v国民」という単純なものではなく、むしろ「大衆の上に乗った皇帝的存在のプーチン vs. 権利意識を強めた豊かな層」と言えるでしょう。

また、プーチンはこれまでの強面姿勢のために西側から煙たがられ、「反西側の保守政治家」というレッテルを貼られてしまいましたが、彼の立場は、「西側との協力は必要だし、協力したい。しかしロシアは自分の国益は主張していく。西側は、ロシアを低く見ることはしないで欲しい。尊敬してほしい。権利を侵害しないで欲しい」ということに尽きるように思われます。

今後の注目点は、 FT社説やロシアのマスコミの多くが書いているように、「プーチンはいつまで大統領をやるのか、やれるのか」でしょう。勿論、当人も側近もas long as possibleでしょうが、今後の情勢の展開次第では、現在の権力を支える旧KGB、そして石油・ガス、国営企業の利権を支配する者達が、プーチンでは権力・利権をもはや守れない、と思うようになるかもしれません。

4月2日より下記サイトに移転します
世界の潮流を読む 岡崎研究所論評集
http://wedge.ismedia.jp/category/okazakiken


Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:00 | ロシア・東欧 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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