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世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


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アフガニスタンの理想と現実 [2012年03月26日(Mon)]
ワシントン・ポスト3月1日付で、Time誌総合監修者のFareed Zakariaが、オバマ政権はアフガン当局に権限を委譲し、国家運営を任せるという方針を変えていないが、これは幻想というものであり、もっと現実的な代替策を追求すべきだ、と言っています。

すなわち、米国は、国が近代化すれば、国家安全保障問題も解決するという単純な考えの下に途上国で戦争を始めることが多いが、国家建設は至難のわだ。実際、アフガニスタンでも、政府は人口の約半分を占めるパシュトゥン人の支持を得ておらず、軍はタジク、ウズベク、ハザラ人より成り、90年代の北部同盟のようなものだ。それにアフガニスタンの経済規模では大きな軍は賄えない、

米国がここ50年で分かってきたことは、近代化は数年では達成できない、また、万一達成できたとしても、その国の民族や宗教、国家・地勢的状況は変わらないということだ、

米国はイラクでも民主国家イラクを実現しようとしたが、現状はそうはなっていない。われわれはアフガニスタンについても幻想を押し付けるのではなく、現実を認めなければならない。つまり、アフガン政府が効果的で正統性のある政府になることはないこと、タリバンはパシュトゥン人の代表として南部と東部で勢力を維持するだろうこと、パキスタンもタリバンに聖域を与えることを止めないだろうことを認めなければならない、

それに、米が現実を認めたとしてもやるべきことはある。対テロ作戦は継続できるし、タリバンが全土を制圧するのをタジク、ウズベク、ハザラと一緒に阻止できる。また、北部同盟はインド、イラン、ロシアと近いので、これらの国と協力することも可能だ、

米国は今のやり方を続けることもできるが、これはアフガニスタンの国家建設と、タリバンの聖域を閉鎖し、30年間支援したタリバンと敵対する方向へとパキスタン国家の性格を変えるという2つの大規模プロジェクトの成功に賭けることを意味する。もっと現実的にならなければならない、と言っています


ザカリアが言っていることは的を射ています。アフガン政府がアフガン全土で正統性を持つ効果的な政府になることは考え難い、というザカリアの指摘は正しいと思われます。

もっとも、オバマ政権は幻想をふりまかず現実を認めて、政策を作るべきだとザカリアは提言していますが、実際はオバマ政権も現実をよく認識しているのではないかと思われます。ただ、多大の犠牲を払ったのに、アフガン情勢があまり変わっていないことを認めるのが政治的に困難なので、アフガニスタンンの将来に希望があるように振舞っているということではないかと思われます。

米国は情報機関もしっかりしており、希望的観測で政策がどんどん進められるような体制にはなっていません。部内でもザカリアのような議論はかなりの支持があると考えて良いように思われます。

いずれにしても、ザカリアが言うように、国の地政学的状況、歴史的状況、宗教的・民族的状況はそう簡単には変わらないということを、色々な場面で様々なことを考える際に念頭に置いておくことは有用でしょう。

4月2日より下記サイトに移転します
世界の潮流を読む 岡崎研究所論評集
http://wedge.ismedia.jp/category/okazakiken

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 17:08 | 中央・南アジア | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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