CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

世界の論調批評 

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。特に覇権国アメリカの評論は情勢をよく追っています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察します。

NPO法人岡崎研究所 理事長・所長 岡崎久彦


プロフィール

特定非営利活動法人 岡崎研究所さんの画像
Google

Web サイト内

カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
△小泉純一郎前首相の医師久松篤子
英米関係は共通の理念に支えられる (10/08) 元進歩派
実績をあげているオバマ外交 (09/21) wholesale handbags
タクシン派のタクシン離れ (07/04) womens wallets
豪の新たな対中認識 (07/04) red bottom shoes
バーレーン情勢 (07/02) neverfull lv
石油価格高騰 (07/02) wholesale handbags
金融危機後の世界 (07/02) handbags sale
米国の対アジア政策のリセット (07/02) neverfull lv
ゲーツのシャングリラ演説 (07/02) handbags sale
パキスタンの核の行方 (07/01)
最新トラックバック
リンク集
月別アーカイブ
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/okazaki-inst/index2_0.xml
仏大統領選挙の後 [2012年03月23日(Fri)]
インターナショナル・ヘラルド・トリビューンン2月28日付で、同紙コラムニストのJohn Vinocurが、仏大統領選で社会党のオランドの勝利が予測されているが、彼の主張にも無理があり、結局フランスでは欠陥だらけの危うい妥協が繰り返されることになるだろう、と予測しています。

すなわち、経済成長を組み込まなければ、今後のEU経済の基盤となる条約改正を承認できないとするオランドが勢いづいている。彼は、中道や右寄りの欧州指導者や庶民と関心を共有していると主張することができる、

しかし、オランドが率いるフランス社会党は、経済成長を阻む35時間という労働時間制限の廃止を拒んでおり、オランドのリーダーシップや経済政策に信頼性があるとは言えない、

他方、サルコジは、緊縮財政と成長を同時に達成できると言っているが、これも国民を説得するには無理がある、

サルコジは、財政安定条約を国民投票にかけるような事態を避けながら、経済成長論議で正しい側に立たなければならない。しかしフランス経済はひどい状態にある。ここでサルコジが見習うべき相手としているドイツの例を想起すべきだろう。ドイツ経済が落ち込んでいた2003年、それまで節約路線で来たアイヘル財務大臣が、これ以上の節約を国民に強いるのは無理だとして、安定成長協定を破り、欧州を今襲っている危機の原因の一つを作ってしまった、

結局、最終的には緊縮財政路線と成長路線のどちらがより力不足かの勝負になるだろう。オランドが新財政安定合意を成長思考に変えるよう、欧州を導いていける可能性はあまりない。他方、サルコジ(そしてメルケル)が緊縮財政と成長を同時に達成できるとして欧州中を説得できる可能性もあまりない。ということは、フランスの選挙結果は、輝くような可能性と泥だらけの現実という欧州の歴史と同じく、結局はあぶなっかしい妥協と決定的でない「大決断」が繰り返される方向を指し示すことになるだろう、と言っています。


仏大統領選は約2カ月後となりましたが、現状は地味で面白味も指導力もないとされるオランド氏が優勢です。これは、彼が、金融を敵と豪語して戦いを挑む姿勢を見せたこと、そして成長対策を重視し、それなくしてEUの新財政安定合意を受け入れないとはっきりと打ち出したためでしょう。その背景に、ギリシャの例をみるまでもなく、緊縮財政のみを追求したのでは、国民は長期にわたって賃金や年金、福祉を削られるばかりか、経済成長は見込めず、それが更に財政を悪化させるという悪循環に陥る、という見方が広まっていることがあります。

しかし論説が指摘するように、オランド氏が掲げる成長という目標は、労働時間を制約するような社会党の伝統的政策では達成できません。また、EU27カ国中25カ国がやっと合意した財政安定策を、そのままではフランスは承認しないということになると、フランス抜きの対策はあり得ないだけに、再交渉の可能性が出てきます。メルケル氏がサルコジ氏を公に応援する所以です。

このオランド対サルコジは、EU内の対立の縮図でもあります。ユーロ圏はさしあたって負のスパイラルは免れましたが、フランスもユーロ圏も安定と成長への道のりはまだまだ遠いと言わざるを得ません。

4月2日より下記サイトに移転します
世界の潮流を読む 岡崎研究所論評集
http://wedge.ismedia.jp/category/okazakiken

Posted by NPO法人 岡崎研究所 at 16:40 | 欧州 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント